人狼裁判
「本日の最終下校は、18:30です。戸締りをして下校しましょう」
人狼裁判の時間だ。教室には生存している9人がいる。
「人狼裁判ヲ始メル。昨日ノ犠牲者ハ1名。話シ合イヲ始メヨ」
放送が鳴った。
「今度はサトミが死んだ。考えられることとしては……」
「怪盗が危険人物の部屋に入って自滅して、人狼のターゲットと狩人の護衛者が重なった。それか、怪盗が人狼に噛み殺された」
カケルはそう推理した。
「怪盗の自滅はあり得ない。サトミは昨晩、私かレオ、つまり占い師か狼少年の部屋に侵入したはず」
チヅルが言った。
「そうか」
カケルは納得した様子だ。
「なんだ、サトミが死んだら俺が占い師かも解らずじまいじゃん!」
レオが悔しがっている。
「ううん、それならもう分かったよ」
「チヅル?どうして?」
「私がサトミを占って人間だってわかったから」
「そうか、その手があったか!狼少年だったらサトミも人狼判定になるのか」
「そう、だから私が占い師」
「なんだ……」
レオはしょんぼりしてしまった。
「っていうことは…」
「1日目にチヅルが人狼って言ったルナは本当に人狼なんだ!」
ここまでずっと黙っていたケイスケとリュウセイが気付いたようだ。
まずいこのままでは私が処刑されてしまう。
「じゃあ今日の処刑者は……」
「待って、まだ妖狐が残ってるはず」
ナイスカケル!
「”昨日”狼少年が占って人狼判定が出たのは、ショウだよな?」
「うん。だから俺は人間だよ」
「いや、違う、妖狐の可能性も残ってる」
「妖狐は占われたら死んじゃうんじゃ……」
「本物の占い師にな。でもショウ、お前はまだ本物の占い師に占われていないよな」
「え、いや、俺は……」
「ショウの役職は何?」
ユヅキが涙ぐんで聞いた。
「俺は……言えない」
「ほら、言えないだろ?」
ショウは黙ってしまった。
「これで決まりだな」
皆黙っている。
「あ、あまりにも短絡的だよ!仲間の可能性もあるんだよ!そういうカケルはどうなの⁉︎」
ユヅキがショウを庇う。
「別に俺を処刑しても構わないよ。多分皆困ると思うけど」
カケルが冷たく答える。
「なっ……」
「まあまあ2人とも、ユヅキの気持ちは分かるけどさ」
キョウカがなだめる。
「ユヅキ、しょうがないよ」
「時間切レ。処刑投票ニ移ル。コレカラ先ノ私語ハ慎ムコト」
教室にはユヅキのすすり泣く声だけが響いている。
各々のタブレットで投票は行われる。私は迷わずショウに入れた。
「投票結果ヲ発表スル。ルナ2票、ショウ7票。以上ヨリ、ショウ処刑」
「そんな……!」
ユヅキが叫んだ。
「ショウハ遺言ヲ残スコト」
「まあ……俺がいなくなっても大丈夫だよ」
ショウは意外にも落ち着いていた。
「ショウ以外ハ各々ノ部屋ニ戻リ、夜ノアクションニ移レ」
「そんなのいや……!」
「ユヅキ、俺、死んでもお前のこと好きだから。大丈夫」
泣き続けるユヅキに、ショウが微笑む。
「ユヅキ、泣いたってしょうがないよ。もう決まったことなんだから。部屋に戻ろう?」
ユヅキはキョウカにひきずられるように教室を出た。
「ショウ……ごめん」
皆はそう口々に言って、教室を出た。ショウは何も言わなかった。




