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人狼学園  作者: 天草メイ
3日目
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3日目


いつの間に寝てしまったのだろうか。いつもと同じ時間に起きると、やはり私は自分の家の自室のベッドの上にいた。


「ルナ、朝ごはんよー」


「はーい、今行くー」


いつも通りの朝だ。母がリビングから呼びかける。


「今日も健康的な一汁三菜、和風焼き魚定食よー!」


そう言って母は嬉しそうに焼き魚を出してきた。



私の中では3日連続同じメニューだ。よくよく考えてみると、ここ2日間家で食べたご飯といえばこの朝食だけだ。


さすがに飽きる。とはいえ、これが最後に家で食べるご飯になってもおかしくはない。そんな状況だ。



「あら、ハロウィンじゃなーい」


テレビニュースを観ていた母が言う。


「今日は待ちに待ったハロウィン♪ということで、今日はハロウィンのスイーツ特集!」


3回目のハロウィンがやってきた。


「お母さん、今日何日?」


念のため聞いた。答えはわかっているが。


「日付くらい自分で確認しなさいよー、10月31日、ハロウィンよ!」


「あ、ごめんごめん、ボーッとしてて」


「まったくもう、ルナったらいつもそうなんだから」


”昨日”と全く同じ朝だった。でも今は、なんとなくありがたい気持ちになる。




教室に入ると、黒板には10月31日と書いてあった。


「おはよー」


「おはよー」


「お、今日も遅かったね」


始業ギリギリに、ユヅキとキョウカが入ってきた。よかった。2人とも生きている。


「おはよー、ホームルーム始めるぞー」


担任が入ってきた。


「出席を確認する……めずらしいな、タイトとミユとサトミがいない。皆どうしたんだ?欠席連絡も入っていないぞ!電車でも遅れてんのか?」


ミユとタイトに加わったのは、サトミだった。


「まあ、今日ハロウィンパーティーでもやるんだろ?皆楽しみにしていたんだから、あいつらもそのうち来るだろ」


担任は特に気にも留めずに、”昨日”と全く同じセリフを言ってホームルームを終わらせた。




「今日はサトミか……」


ケイスケの呟きは空しく消えた。誰も喋らない。重苦しい雰囲気だ。


「また俺たちは”昨日”と授業を受けるってことか」


レオが言った。”今日”も「そっか……」と落胆の声が漏れるだけだった。




もう3回も全く同じ授業を受けている。この部分だけテストに出たら、きっと全員満点が取れるだろう。次の期末テストが受けられるかすらわからないけれど。







5限の化学実験が終わり、ロッカーを見た。やはり白い封筒が入っていた。



____【2日目結果】サトミガ死体デ発見。人狼裁判本日最終下校時刻ヨリ開始。ゲームマスター____



そして一枚の写真が入っていた。

暗い廊下で撮られていた写真だ。あまりはっきりとは見えない。でも間違いない。サトミが血を流して倒れている。


「本当に誰がこんなことを…!」


チヅルの目には涙が浮かんでいた。


「酷すぎる……」


本当に酷い。とはいえ、前夜ターゲットにサトミを選んだのは紛れもない私だ。


でも、激しい違和感を覚えた。誰がサトミを殺したのかが分からない。人狼であるとはいえ、私には、サトミを”実際に”殺した覚えなどない。それに自分に人が殺せるだなんて思えない。



「あのさ」


カケルが口を開いた。


「なんでサトミは、廊下で殺されたんだろう。普通皆、深夜はそれぞれの教室とかにいるはずだろ?」


そういえばそうだ。サトミは部屋を出ていることになる。あるいは、殺された後に引き摺り出されたのかもしれない。



「ねえ、これよく見て。サトミ、黒い服を着てない?」


「まさか怪盗として誰かの部屋に侵入するために……」


「だからサトミは部屋を出る必要があったのか」


「詳しいことは裁判で話そうか。6限が始まる」



私たちのゲームなど何の関係もなく、6限の授業が始まった。やはり”昨日”と同じ授業だ。きっと皆、今夜どうするかを考えているだろう。




私はもう一度白い封筒を開けて、中にあるゲームマスターのメッセージを見た。絶対に見たことのある筆跡なのだ。赤のペンで書かれていたが、文面の恐ろしさとは裏腹に、綺麗で、洗練された文字だ。S組にこんな文字を書く人はいない。もちろん担任もこんな字は書かない。

そんなことを考えていたら、6限が終わった。

私たちは最終下校時刻を待った。


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