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気づいたときには、私の意識は夢の中にあった。
ここはどこだろう。ずっと前に見たことのあるような景色が広がっている。
どうやら小さな公園のようだ。気持ち悪いくらい明るくて、暖かい。
「ルナちゃん、ブランコで遊ぼうよ」
小学校低学年くらいの女の子が話しかけてきた。
「いいよ」
私は答える。
「やったー!」
その女の子は喜んでいるようだ。
でも顔が見えない。見えないというよりは、ぼやけていてわからない。
隣でブランコを漕ぐ女の子は、ひどく痩せているようだった。
「ルナちゃんは、好きな人いる?」
突然そんなことを聞かれた。
「……内緒!」
そう答えておいた。
「そっか……残念」
なんとなく申し訳ない気持ちになったが、突然そんなこと聞かれたら、誰だって困るだろう。
「あたしはルナちゃんのことが好きだよ?ルナちゃんはあたしのこと、嫌い?」
「す、好きだよ!」
「ほんとに?嬉しいな」
反射的に答えてしまったが、女の子が明るい声を出したからよしとしよう。