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転生幼女は魔王をモフりたい 〜最強スキルは『おねだり』です〜  作者: ペクチン21字


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序章 神様のバグ、あるいは社畜の執念

異世界転生。

それはブラック企業で月百五十時間以上の残業をこなし、ある日オフィスで意識を失ってそのまま帰らぬ人となった元社畜OLの私にとって、降って湧いたような奇跡だった。

意識が戻った時、私は真っ白な空間にいた。目の前には、どこか気まずそうに頭を掻いているおじさん――自称・神様がいた。

『いやあ、本当に申し訳ない! 君の会社のサーバーが過負荷で爆発した弾みで、魂の管理データが混線しちゃってね。本来ならあと五十年は生きるはずだった君の寿命を、システムが”バグ”でゼロにしちゃったんだ』

「はあ……」

社畜根性が染み付いていた私は、怒るよりも先に「不具合報告書案件だな」などと冷静に考えていた。神様は私の手を取り、涙目で懇願してきた。

『お詫びと言ってはなんだけど、次の世界では君が望む通りの人生を用意するよ! 何か希望はあるかい? 聖剣? 魔導書? それとも世界を支配する権力かな?』

「……仕事は、したくないです」

私は即答した。

「前世では朝から晩まで数字と上司の顔色に追われ、ペットの犬一匹、猫一匹飼う余裕もありませんでした。だから、次の人生では――合法的にニートができて、可愛いもふもふを毎日飽きるまで撫で回せる、そんな生活がしたいです」

『お安い御用さ! では、君の魂に”最高に愛される属性”と、何が起きても絶対に死なないための”ちょっとした安全装置”を付与して送り出そう!』

神様はそう言って快く送り出してくれた。

……くれたのだが。

その「安全装置」とやらが、神様の致命的な大雑把さによって**【全ステータス・カンスト】**という地球儀をひっくり返すレベルのバグデータとして私の魂に書き込まれていたことを、当時の私は知る由もなかった。

目が覚めると、私はこの世の最高権力者である「ヴァルトシュタイン大公爵家」の令嬢、リアになっていた。年齢は三歳。

とろけるようなプラチナブロンドのふわふわな髪をシルクのリボンでツインテールに結び、大きくきゅるんとしたアメジスト色の瞳。贅沢なレースときなこ色のフリルがふんだんにあしらわれたドレスを着た、まるでお人形のような幼女。

(最高。仕事をしなくても、可愛いと言われるだけで美味しいご飯が出てくる……! あとは、最高のモフモフさえ手に入れば、私の人生は完全無欠のイージーモード!)

三歳児のふりをして、お屋敷のふかふかの絨毯の上をごろごろ転がりながら、私は前世で叶わなかった「もふもふペットライフ」への野望を燃やしていた。

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