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お姫様のいる日々  作者: 月狩朔夜
誕(いつわ)らないオラトリオ
13/13

012 姫様0歳、起きる

注意:サブタイが姫様~のときでもセプテット視点です。

 最近、朝も夜も無く、姫様とやらのお世話をしています。

 と言うのも、この人造人間の体、以前聞いた通り、ひと月位なら寝なくとも何の支障もなく活動出来るからです。実際、姫様が寝ている間のうたた寝以外の睡眠を一切とって無いのに、三ヶ月経っても何の問題もありません。もう夜泣きも恐くない。



 ▽ ▼ ▽ ▼ ▽



「んああ゛ーっんあ゛ーっ」


 そろそろお日さまが地平線から昇りきる頃、姫様が泣き声とともに起床。この泣き方はお腹が減ったのでしょう。

 柵のある小さいベッドから姫様を抱き上げ、隣の部屋へ移動。何故移動するのでしょう? 教えられたことをそのまま実行しているだけで理由はよくわからないんですよね。おっと笑顔笑顔。笑顔でないと後で私が怒られてしまいます。

 それから、私自身の胸を露出させ母乳をあげます。ちなみにこの母乳、医療師さんが調薬したという薬を飲んだら出るようになりました。この薬、人造人間には効きが弱くしかもすぐに元に戻るとかいう理由で一日一錠飲ませられます。まぁ、ほ乳瓶とか粉ミルク、でしたっけ? そういうものを渡されても困りますし、そもそもそれらがここに有るかどうかも怪しいのでこれはこれでいいのでしょう。

 母乳をあげた後はげっぷを出すまで背中をやさしく連打。連打? うん、連打でいいはず。はずです。


 食事が終われば運動です。ここで重要なのは楽しみ、かつ楽しませること。まあ顔隠して適当に顔芸しながら顔を見せれば、勝手に笑って手足をぱたぱたさせてくれるので楽と言えば楽。もう少し成長すればはいはいなりなんなりしてもらうんですけれど。


 王家付き全員に貸し出される懐中時計(!)で昼前になった事を確認すると部屋の外に出ます。壁のそこそこ高い所――赤ちゃんが自力では届かないところにある棚の上の靴と、今履いているそれとを入れ替える。姫様がいじると危ないかもしれませんからね、って言われた。まぁ、(ぜんせ)と比べると小さいとはいえ靴は靴ですしね。

 同じく棚にある小さい靴に、姫様も履き替えせれば準備完了です。向かうは王妃様――姫様のお母様の部屋。



 ▽ ▼ ▽ ▼ ▽



 姫様を抱えて廊下をゆっくりと歩きます。時折すれ違うメイドさんが姫様に頭を下げます。この会釈(?)、最初はカミラさんに教わりながらだったのに焦ったせいで注意されました。それも、緊張しながらも、今ではいい思い出です。


 歩く先には護衛、じゃなかった近衛の立つ王妃様の部屋。

 近衛さんに挨拶すると、王妃様はついさっき休憩に入ったとか。いつも書類仕事ご苦労様です。

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