第七十九話 お菓子作り4。
「次は桃ね」
桃味を受け取って口に入れる。
なんかちょっと味薄いかも? 気のせい?
「あんまり味しないね」
「うーん。桃は微妙だな……」
2人もやっぱり反応が悪い。りんごのが美味しかったよね。
「次」
桃はもういらないから次にいこう?
「はいはい。最後はローゼの梨だね」
「私が頑張って切ったから1番美味しいよ」
「そ」
「ローゼのおかげで1番量が少ないけどね」
「それはおかげなの……? バカにしてるだけじゃないの?」
「ならローゼのせい」
「薄かったら許さない」
「アリスちゃんまで……。桃よりは美味しいはずだから!」
「まあ食べてみればわかるよね。はい、梨味」
梨味を食べるとさっきの桃よりは味がする。少し薄めだけど美味しい。
どうやらローゼは命拾いしたみたい。梨に感謝だね?
「よかった……。味するよ」
「梨もなかなかいけるね。もうちょっと量があればもっと味しただろうけど」
「それは触れないお約束でしょ」
「そんな約束してない。まぁみんな好きに食べていいよ。たくさんあるし」
「りんごいただき〜!」
1番美味しいりんごを食べ始めるローゼ。
ローゼは黙って桃食べて。
「ローゼ他のも食べなよ?」
ほら、ユウタに言われてる。
アリスは気にせずりんごを食べ続けるけどね。無くなったら梨に移行する。
「そーいやユウタ」
「なに?」
「いつお出かけするか決めたの?」
「まだだよ」
「私も早く許可取らないとなぁ……」
旅行? の話をしてる。ユウタはローゼは連れてかない気だったけど、置いてかれるの可哀想に。ローゼならその後を追ってきそうで怖いんだけど。
それはそうとりんご味は美味しい。もぐもぐ。
「あ、りんごのもう無くなるじゃん! アリスちゃんずっと食べてるし!」
「美味しいよ?」
気配を消してユウタにバレないように黙々と食べるのが大事。お肉を食べる時には必須だよ。
「もう殆ど無いじゃん……」
「たくさんある」
桃のお皿を差し出す。ローゼにはこれで十分なのです。
「ユウタもアリスちゃんに言ってあげてよ……。ってあれ? ユウタ何してるの」
「お腹減ったからパンを焼いてる」
「今? 甘いもの食べてるのに……。順番が逆じゃん」
「勝手に食べてていいよ。俺はこっち食べるから」
「ん。1枚」
「アリスもね。了解ー。ローゼはいらないよね」
「私はいいや」
馬鹿だローゼ。絶対美味しいのに。さっきなんか作ってたからそれをつけて食べるんだと思う。楽しみ。
「はい焼けたよアリス」
「ん」
「これ好きにつけていいよ」
「なにこれ」
横からローゼがわらび餅を食べながら訪ねてくる。
「ジャム。パンにつけ食べる神アイテム」
りんごにのにしようかな。少しとってパンに乗せて一口囓る。わらび餅とはまた違う甘さでパンが凄く美味しくなった。
「ん!」
これはローゼも食べたほうがいい。勿体ない。
「アリスは気に入ったみたいだね」
毎日これでパンを食べたいくらい。煮干といい勝負だ。
違う味も試してみよう。
「私も食べたくなってきた……」
「ローゼは要らないって言ったもんね」
「う……。今は欲しい」
「自分で焼いたら?」
「意地悪!」
ユウタもローゼをいじるのが好きだなぁ。
お似合いの2人だ。
アリスはそんな事よりもこの甘い物に釘付けです。





