第七十七話 お菓子作り2。
「それじゃアリスのこれは仕舞っといて、作っちゃおうか」
「何するの?」
「特にやることはないかなぁ……」
「待機?」
「あ、アリスは砂糖をすり鉢で擂っといて」
「わかた」
「私は?」
ローゼにできる仕事なんて何かあったかなー。特にこれといって仕事も残ってないし。
「ない。畑の雑草でも毟ってていいよ」
「やっぱり関係ない掃除なのね」
「大事な役割でしょ。嫌ならありすと代わってもらってもいいけど」
正直どっちでもいいんだけどね。流石に擂るくらいならローゼもできるだろうし。
勝手に役割を変えてもらおう。その間にこっちは作らないといけないし。
鍋に水と砂糖を入れて火にかける。その間に切った果物を使う分だけ細かく叩いてペーストにする。それをそれぞれの鍋に加えて混ぜて、それにローゼ作の片栗粉を溶かす。
「おわた」
「ありがと」
細かくなった砂糖を受け取ってお皿に広げる。結局アリスがやったのね。てことはローゼは外へ芝刈りに。雑草だけれど。
片栗粉を入れてドロドロととろみがついてきたら砂糖を広げたお皿に落として上からも砂糖をかける。
「スプーンで一口サイズに切って砂糖でコーティングしてっと」
これだけで完成。小学生が学校で作るカルメラ焼きくらい簡単なお菓子だ。
お店のはよく食べたりするけど作るのは初めてだし、味付きとか勝手にしてるからおいしくなかったらごめんね。
冷めるのを待ってる間にカラメルのシロップを作っておく。砂糖に水だけでお手軽です。皆さん是非。
「まだ?」
「もー少しかかるよ。アリスもローゼのところ手伝ってきたら?」
「ん」
手を挙げて返事をしてローゼのもとへ向かっていった。
アリスを見送ってそのままジャムの試作を始める。作るのは問題ないけど作ってこっちの人の口に合わなかった時が嫌だからね。そのための試作だ。
密閉容器とかもないし大量に作ってもあれだしね。糖濃度が高いから腐らないけどさ……。
3種類のジャムを作ってるうちに2人が仲良く戻ってきた。
「おかえり。って泥だらけじゃん……。食べる前に手を洗ってきなよ」
「着替え」
「あーはいはい。ちょっと待ってね」
アリスの着替えはっと……。服とずぼんとパーカーでいいよね。アリスのお気に入りのパーカー。何がそんなに気に入ってるのかわからないけど萌え袖は可愛い。
「これでいい?」
「ん。タオル」
「あ、忘れてたごめんごめん」
すっかり忘れてた。最近アリスも人間ぽくなってきたね。ちゃんとタオルを要求するようになるとは。
「ねぇユウタ」
「なに?」
「アリスちゃんの下着の替えはないの?」
「ないね」
「買ってあげればいいのに」
「なんか恥ずかしいじゃん。買うの……。ローゼ今度アリス連れて買いに行ってあげてよ」
「私が?」
「同じ女の子でしょ?」
「そうだけど」
「ユウタ……」
アリスに名前を呼ばれてそちらを向くとアリスが全力で首を振っていた。嫌ってこと?
「まぁ別に気にしないでいいよ」
「アリスちゃんが可哀想でしょ! わかったよ。私今度連れてくね!」
あー。どうやら手遅れになったみたい。ごめんねアリス。今度煮干し沢山あげるから。
燃え尽きた様子のアリスを尻目にジャムを容器に移していく。
「さっさと洗ってきなよ。もう食べられるから」
「はいー。行こっアリスちゃん?」
「……ん」
声すら力が感じられなくなってしまった。ごめんよアリス。





