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第六十六話 本日限りのたこ焼き屋さん。


「アリス準備はいいか!」


「ん!」


「よし、それじゃあ行こうか。たくさん売れたら好きなもの買ってあげるよ」


「頑張る」


 鼻息を荒くして意気込むアリス。

 こいつ何買わせる気だ……?


「特訓の成果をローゼに見せて馬鹿にしてあげなよ」


「もちろん」


 あ、もちろんなんだ。アリスまでローゼの扱いが雑になってた。いいこといいこと。

 やる気に満ち溢れるアリスと共に戦場の街へと向かった。




「いらっしゃいませ〜! 一列に並んでください! 協力お願いします」


「人手不足」


「ホールがいないと回らない……」


 こういう時にこそいつも町を徘徊してるローゼが来てもいいんじゃないのか?

 暇な時は腐る程来るくせにこんな状況の時に限って何してんだ。

 まぁ、八つ当たりなんだけど……。


「5個ください」


「畏まりました。合計で銀貨1枚と銅貨10枚になります!」


 たこ焼き1パック(6個入り)銅貨5枚。

 日本円にして500円くらいに設定した。

 安く見えるけど得体の知れない、6個しか入ってないでこれはちょっと心配になってたけどうやら杞憂のようだった。


「ありがとうございます。こちら商品になりますお熱いので〜」


 お決まりのフレーズで対応しながらたこ焼きをひっくり返していく。

 10台のプレートをフルに使っての総回転。右隣では木の台に立ってひたすらたこ焼きを焼き続けるアリスの姿。

 プレートの熱でクソ暑いのに律儀にフードを被っている。暑そう。


「アリス大丈夫そう?」


「なんとか」


 店の前には長蛇の列が出来ている。

 この町ってこんなに人居たんだな……。


「すいません。たこ焼き10個くださーい!!」


「かしこまり……。何してんの?」


「お買い物だけど……。それより10個ください」


「……。ちょっとこっち来てみて」


「ん? なに?」


 言われた通りにこちらに歩いてくる。

 よし、1人確保!!


「いらっしゃいませ! 何個ですか?」


「え?ちょっと私のは!?」


「何1人で暢気に食べようとしてんのローゼ? 手伝ってよ」


「えー! 私も食べたいのに」


「終わったら好きなだけ食わせてあげるから」


「むー。ならしょうがないなぁ。おねぇさんが手伝ってあげよう」


 ローゼはいつものポニテを結いてそのままお団子にまとめあげる。

 やる気満々だね。


「ローゼの方が年下なんだけどね」


「屁理屈言ってると手伝わないよ?」


 すいませんでした。調子乗りました。


「遊んでないで……」


 隣で真面目に焼き続けているアリスから注意が入った。


「ごめんごめん。俺も焼くから5台分頂戴ね。ローゼは接客して! できる?」


「したことないけどね。数を聞いてお金貰えばいいんでしょ? できるよ」


「1個で銅貨5枚だから」


「りょーかい」


 新戦力のローゼと共に列を捌く。

 プレートに生地を流し込んでタコをいれて生地を足す。

 片面が焼けてきたら竹串を使ってひっくり返していく。

 焼きあがったたこ焼きを竹の容器に移してソースとマヨネーズと鰹節をトッピングし、お手製の竹の串を刺してローゼに渡す。


「これ人手足りてなくない?」


 ローゼがそんなことを零す。

 足りてないのはとっくにわかってるんだ。


「ローゼのおかげでだいぶ楽になってるよ。ありがとう」


「ん」


 アリスも持ち場が減って余裕が出てきたみたいだね。


「それはいいんだけど。大人気だねこれ」


「異世界料理売ってるだけで街作れるくらい稼げそうだね。必要ないけど」


 領地運営とか爵位とか絶対面倒だからやらないよ?

 たとえ王様に言われても。俺はゆったりとセカンドライフを楽しみたいんだ。


「この資金で次はラーメンやってよね?」


「もちろん次はラーメンだよ」


 その前に海にバカンスだけどね。


「ニズリさんとかルネさん買いに来るのかな? 来なかったら後で終わってから持ってこうかと思うんだけど」


 プレートに生地を流してタコを入れていく。

 アリスが本当にできるようになってくれて助かった。


「んーどうだろうね? なんか今日お偉いさんが家に来てるから忙しいんじゃないかな?」


「え? そうなの? タイミング悪かったかなぁ。ローゼ娘なのに居なくていいの?」


「駄目だけど嫌だから逃げて来た」


「帰った方がいいんじゃないのか……?」


 貴族感ゼロだよ本当にローゼは。

 ローゼが後でニズリさんに怒られるだけならいいけど、お偉いさんからニズリが言われちゃうのは駄目だと思うけど……。


「まぁ後で考える! 今はここ手伝わないとね!!」


 それを引き合いに出されると何も言えなくなってしまう。

 ローゼのくせにやるな……。


「そんなことよりアリスちゃん凄いね作れるんだ?」


「ん」


 ドヤ顔のアリス。


「ローゼと違って万能だからアリス」


「失礼な。いつのまにかできるようになったの?」


「一昨日くらいにね。特訓したから」


 今日のためにアリスと一緒にたこ焼きパーチーをしたのだ。


「地獄だった……」


 地獄? 天国の間違いだろうに。



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