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第六十七話 本日限りのたこ焼き屋さん2。


 ――2日前。


「アリスー」


「ん?」


「やって欲しいことがあるんだけど」


「なに」


「鰹節を削る」


「ん。いいよ」


「ありがと。結構危険だから気をつけてね?」


 本当は鉋があればいいんだけど、もちろんそんなの物は持ってる筈もなく。

 こっちで作れないし。仕方なく包丁で削るしかない。


「やり方」


「あぁ、ごめん。この鰹節をこうやって包丁に当てて削る」


 中華包丁を横にして足で挟んで鰹節を上から当てて思いっきり引く。


「わかた」


「あんまり力入れると太くなるからね。疲れたら休みながらやってね危ないから」


 正直危険すぎるんだけどこれしか方法がない……。

 無理そうなら別の手段を考えよう。近いうちにまた鍛冶屋さんで頼んでみるのもいいかもしれないね。

 というか大工さんとか持ってないのか? 鉋。


「意外と難しい……」


 アリスでも難しいみたいだ。

 でも頑張ってもらうしかない。その間に外に出て事前にお試しで削った鰹節と煮干しを使って大量に出汁を取る。

 その出汁を使ってたこ焼きの生地を作って仕舞っておく。


「こんだけあれば足りるだろ」


 余った出汁で後でアリスにお茶漬けでも作ってあげよう。

 次はマヨネーズをぴゅーっ! てするやつを作ろうと思うんだけどなにがあるかな。

 アイテムボックスを覗いても使えそうなものは見た感じない。


「竹で作るか? 竹ばっかだな最近」


 竹の有能性がわかる人生だった。

 竹で水鉄砲を作る容量でたくさん細かい穴を開ければできるんじゃないだろうか。

 早速竹を使って工作してみる。


「えーとまずは……。棒の先端にたくさん布を巻いて紐で縛ってと。竹に通してみて入るかどうか確かめると」


 竹の筒の中に挿入して引き抜くと、ポンッ。といい音が響く。

 この音なんだか気持ちいいよね。筒の方の先端に金串で細かくたくさん穴を開けていく。


「これで良し……と。あとはマヨネーズを入れて出してみよう」


 中にマヨネーズを入れて棒を押してみる。押し出されたマヨネーズは勢いよく穴から飛び出して細い線を描く。

 成功みたいだ。マヨネーズを出し切って棒を引き抜くと布がマヨネーズだらけで次入れるときに汚れそうだ……。

 使い捨てでたくさん作るべきか? それとも毎回汚れたら拭けばいいのか。

 よし、毎回拭こう。使い捨てだと何個作ればいいのかわからないし。一応予備にもう2個くらいは用意しておくけど。


「ついでに水鉄砲でも作っておくか」


 それで今度、街の子供達にでも配ってみよう。娯楽のおもちゃとかなさそうだし。

 とりあえずアリスが終わるまで手が空くし、量産しよう。

 15個目を作り終わると同時にアリスがやってきた。


「なにそれ」


「ん? アリスか。終わったの? これは水鉄砲だよ」


「おわた疲れた。水鉄砲?」


「ありがと。水を入れて飛ばすおもちゃだよ。ちょっと待ってて」


 急いで川に向かって水を入れて戻ってくる。


「ほらこうやって水を入れてこの棒を押すとこうやって穴から水が出る」


 川の方へ向けて水鉄砲を発射する。

 すると思ったより遠く飛んで自分でもびっくりした。


「何に使うの?」


「水をかけてあって遊ぶ。まぁ子供のおもちゃだよ。1人でしても面白くない」


 水鉄砲はメジャーな方だから人気出ると思うんだけどね。

 どうせただだから駄目でもいいんだけどさ。


「アリスはいいや」


「ありゃ。お気に召さなかったか。そうだ。間食食べる?」


「食べる」


 即答でした。流石アリス。パパッと用意しますか、一瞬でできるし。

 容器にご飯をいれて出汁をかけておまけに焼き魚の余りと鰹節を入れて完成。


「はい。食べていいよ」


「少ない」


「間食だから……。おやつみたいなもんだよ」


「でも美味しい」


 出汁を啜りながら笑顔になるアリス。アリスもローゼも本当に美味しければなんでもいいぽい。


「それ食べたら次のことするからね」


「まだあるの?」


「次はたこ焼き作りだよ」


「食べれる?」


「アリスがちゃんと焼ければね?」


「頑張る」


 お茶漬けを食べ終えて、次のご飯のために気合を入れるアリス。

 うまく焼けるまでひたすらたこ焼きだから嫌にならないといいけど。





「はい。じゃあ教えた通りに作ってみて」


「ん」


 手本で作ったたこ焼きを食べながら促す。

 うん。美味いなこれ。ちゃんと出汁の味が効いてるし我ながら上出来かも。


「油」


「そう」


「液体」


「うん」


「タコ?」


「おっけー」


「液体」


 まぁ間違える要素がないんだけどねここまでは。

 こっからたこ焼きに出来るかの問題だ。

 火が入るまで待機して竹串でくりくりし始める。

 が、なかなかうまくいかずにぐちゃぐちゃになってしまった。


「屈辱……」


「最初からうまくできる人なんていないって練習練習」


 失敗したたこ焼きを回収して食べる。アリスは完成するまでお預けです。

 5回目くらいでアリスは完全にマスターしてたこ焼きを頬張る。

 そして次を焼く。食べる。焼く。以下略。


「どんだけ食べる気だよ」


「まだまだ」


「売るもの無くなるからこれで終わり」


「けち」


「けちって! それ何個目だとおもってるの……」


「さぁ?」


 俺の計算と記憶が正しければ144個目くらい。プレート4回転だよ?


「とりあえずこれで終わりね。焼けるようになればいいんだから」


「焼けたらどうするの」


「屋台でひたすら焼いてもらいます」


「何のため」


「次の美味しいものを作るためのお金のために?」


「しょうがない」


 仕方がないからやってあげようオーラが凄い。助かりますアリスパイセン。

 でも絶対つまみ食いする気だ。それくらいは大目に見るけど。


「明後日に街でやるからね。覚えといてよ」


「ん」


 今日で漸くたこ焼きに必要なものが揃った。 やりたいと思ってすぐにできないって大変だね。

 明後日は街に地球産料理の普及する第一歩だ。既にマヨネーズのフライングがあるけどそれは気にしない。伏線って事で許して?



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