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第六十一話 アリスと大蛇。


 戻ると綺麗さっぱり片付いていた。


「お、戻ってきたか洗濯物はそっち置いといて」


「ほーい」


「アリス戻ってきたばかりで悪いんだけど手伝ってくれるか」


「ん」


 自分の食べるもののためならなんでも。


「まずは皮を剥ぐから頭の方抑えてて」


「わかた」


 言われた通りに断面を抑える。

 力は足りるけど小さすぎて腕が足りない……。

 仕方ないからお肉に手を突っ込んで骨を掴む。

 ちょっと気持ち悪いけど我慢我慢。


「それじゃ行くぞー」


「ん」


 ユウタが皮を掴んで尻尾の方へと引っ張って地道に剥いでいく。

 半分くらいでローゼが戻ってきた。


「大変そうだねぇ」


「他人事だな。暇ならお湯沸かしてきてくれ」


「はいはいーやってきますよー」


 暢気に家の中へ入っていった。

 ユウタはいつもローゼに簡単なことしか頼まない。気がする。

 そんなこんなで漸く皮を剥ぎ取るとこに成功した。


「疲れた〜。もう二度とこんなでかいのはごめんだな」


「次は小さいのを」


「そうしてくれ。よし次は身をてきとうに切り分けるか。アリス」


「ん」


 ちゅーかぼうちょーで巨大な蛇の身をてきとうにぶった切る。頭の時もそうだけど刃が蛇に対してこれでも小さすぎるから何回も切らないといけないのがめんどくさい。


「ありがと。ひとつあれば足りるな……」


 ひとつにしても私よりも大きい。


「何作る?」


「皮の唐揚げと、蒸し身のサラダと白焼きと……。あとは骨らへんでスープとか?」


 聞いても全然わからなかった。

 でもきっと美味しいに決まっている。だってユウタが作るんだから。


「手伝う」


「もうアリスがやることはないかなー?」


 クビらしい。

 大人しく作っているところを見学してよう。

 まず蛇の身を三枚におろす。骨の部を小さく割って鍋に入れて煮込む。


 身の方は片方を細長い棒状にカットしてかたくりこ? という粉をまぶして茹でる。それに同じく細長くカットした長ネギと薬になる葉っぱたちとかを入れて混ぜ混ぜ。

 よくわからないけど凄く美味しそうなものが出来上がった。


「出来た?」


「うん。サラダだよ」


「蒸してない?」


「面倒だからやめた」


 続いてもう片方の身を板みたいに切ってそれを包丁で細かく切れ目を入れていく。

 あんなに切ってるのに繋がったままだ……。今度獲物を獲る時に試してみよう!

 その身に、前に暇なときに竹で作った棒を何本か刺して直火で焼いていく。


 お肉が焼けるいい匂いが漂ってくる。

 最後に皮を一口サイズに切って油で揚げる。


「もうそろそろ全部できるからローゼ呼んできてくれる?」


「ん」


 そーいえばローゼはどこにいったんだろ。

 居なかったら全部食べちゃうよ?

 外に出てローゼを探す。すぐ側にローゼが座り込んでいた。何してるんだろう。


「ローゼ」


「ん? あぁ。アリスちゃんどしたの」


「ご飯も少し」


「わかったよー! 楽しみだなぁ」


 それは同感だ。ユウタのは世界一美味しいから。


「なにしてる」


「前作った奴がどうなってるのかなって眺めてただけだよ」


「暇人」


「まぁ、そだね〜」


 笑いながら立ち上がって大きく伸びをする。


「よし! 美味しいものをたくさん食べに戻ろっか!」


「ん」


 ローゼと共に美味しいご飯に胸を躍らせてユウタとご飯の待つ家の中へと戻った。



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