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第六十話 アリスとローゼ。

申し訳ありません。一話前後してしまいましたので差し込みせていただきます。


「とは言ってもこの大きさはどうしようかなぁ……」


 獲ってきた蛇を眺めながら困惑するユウタ。普通に切って食べればいいんじゃないの?


「そもそも蛇って食べられるの?」


 おっぱい……じゃなかった。ローゼがそんな疑問を投げかける。

 胸だけ大きくなって! 頭はバカ。自分のぺったんこな胸を見下ろす。

 別に羨ましくはないもん? 大きいと邪魔じゃん。


「食べれるよ? だけどデカすぎて解体するのも大変だよ。アリスとりあえずこれ頭落とせる?」


「ん」


 もちろんそれくらいはお安い御用。

 ユウタから便利な四角いナイフを借りて頭を切断する。

 ちゅーかぼうちょーっていうんだっけ?


「うん。頼んだのは俺なんだけど。だから俺が悪いんだけどね? ここでやるのは間違ってるね」


 ん? どうして? 何処でやってもこれくらいはできるよ。

 わからないといった顔をしているとローゼが補足してくれた。


「アリスちゃん血だらけだよ……?」


「む」


 本当だ。ユウタから貰ったお気に入りのぱーかーというものが汚れてしまった。


「それに地面も血だらけね……。ローゼこっちの片付けやっとくからアリスを川で洗ってきてくれない?」


 そう言ってタオルと着替えをローゼに渡す。

 水編みくらい1人でできるのに……。

 ユウタは私を子供扱いする。私の方がずっとずっとお姉さんなのに。


「わかった〜。アリスちゃん行こ!」


 ローゼに連れられて川へ。

 めんどくさいので全部一気に脱いでローゼに渡す。

 そしてそのまま川へとダイブする。


「ちょ! アリスちゃん!?」


 跳ねた水を浴びたローゼが驚く。

 それは素直にごめんなさい。でもそのまま返事をしないで川に潜る。

 そんなに深くない川だが自分が物凄く小柄なために軽く潜ることもできる。

 そのまま浮き上がり、手を広げぷかぷかと水面を漂う。

 冷たい水が体を包んで気持ちいい。長いエメラルドグリーンの髪が川に広がる。

 ユウタの美味しいご飯が出来るまでこうして居たい。


「人の話を聞きなさいぃ〜!!」


 そんな平穏な時間は長くは続かず、おっぱいによって遮られた。

 ローゼのことじゃなく。いやローゼなんだけど……。

 何故か裸になったローゼが上から飛びついてきた。

 眼に映るは脂肪の塊。これだけでここで浮きそうだ。

 ぶつかる前にそのまま沈んでするりと抜け出す。ローゼの考えることはいまだにわからない。ユウタ曰く、気にするだけ無駄らしいけどね?


「何してるの?」


「げほっげほっ……。何してるじゃないよ! なんでかわすの」


 水の中から出てきたローゼが文句を言う。


「痛いし」


「まぁそうだけど……。じゃない!! 水はかけられるわ、呼び掛けてるのに反応しないわ。いじめかな!?」


「水編みなら別にローゼいらない」


「……もう。そんなこと言わないで!ほらさっさとあがるよ? 早く戻ってユウタの手伝いしないと」


 しょうがない。ユウタのためにローゼに従おう。


「ん」


「ほら拭いてあげるから早くあがろ?」


 ローゼに手を引かれ陸へ上がる。

 タオルで体を拭いてもらい着替えを済ませる。今回もちゃんとパーカーだった。

 ユウタは毎回パーカーを出してくれるから嬉しい。

 自分の体も拭き終わったのかローゼも服を着なおして私を呼ぶ。


「アリスちゃん、こっちこっち。ここ座って」


 言われるがままに少し大きめの石に腰掛ける。

 すると突然タオルを頭に被せてゴシゴシされた。


「んー」


「大人しくしててーすぐ終わるからねー」


 普段ユウタにして貰ってるけどローゼはなんか手慣れてる?


「上手?」


「本当? よくマリーちゃんにやってあげてるからかな?」


「そ」


 マリーちゃんってあのちびっ子だっけ。

 あの子もローゼみたいで元気すぎるんだよね。


「これでよしっと! 完成だよ」


「ん?」


 頭に何か違和感がある。


「いつも同じだから今日は私とお揃いにしてみました!」


 川で自分の姿を確認するとローゼと同じ髪型になっていた。

 頭を左右に振ると髪の尻尾も遅れて付いてくる。

 髪型をいじったのはいつぶりだろうか?


「気に入らなかった?」


 心配そうな顔でそう尋ねてくるローゼ。

 別にそんな顔しなくてもいいのに。


「別に」


「もうーどっちだよ〜! よし、もどろっか」


 ユウタの方へ歩き出すローゼの後ろについていく。

 しばらくの間ずっと森にいたからこういうのは久々でなんか恥ずかしい。


「お揃い」


 ローゼに聞こえない小さな声でそう呟いて緩んだ口元を隠すようにぶかぶかな袖を口に当てた。



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