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第五十九話 ローゼとアリス。


 ユウタとルネに捨てられたので仕方なくユウタの家に向かう。

 ひとりぼっちのアリスちゃんが可哀想だからね? 決して美味しいものに惹かれたからじゃない。

 私はそこまで薄情じゃない。涎を垂らしながらてきとうに舗装された道を進む。


「でもあったら食べても良いよね? たくさんあるって言ってたし」


 美味しいもののことを考えて早歩きになる。ユウタの家が見えてきた!

 駆け出してドアを開け美味しいもの……じゃなくてアリスちゃんを探す。

 開けた瞬間中からいい匂いが漂ってくる。


「誰!?」


「あ! アリスちゃん!」


「おっぱ……ローゼ」


 今私の胸見ておっぱいって呼ぼうとしたよね?

 まぁひんにゅーのアリスちゃんだから許してあげよう。

 だからそのナイフを仕舞ってほしいな?


「わたしだから! わかったならその武器を仕舞ってもいいんじゃないのかな!!」


「怪しい」


「怪しくないよ! アリスちゃんが1人って聞いたから遊びに来たんだよ?」


「ご飯目当て」


 うっ何故それを……。


「アリスちゃんの次にご飯だよ」


「もうないけどね」


「え? そんな……たくさんあるって言ってたのに……」


「それが本音」


「ちっ。ばれちゃあしょうがない! アリスちゃん」


「ん」


「なんかしよう! 暇です」


 ご飯がないならもうとことん遊びつくそう!

 夜になんか作ってもらえばいいや。


「面倒う」


「酷い……。アリスちゃんまで私を捨てるんだね……」


「やることあるから」


「じゃーそれ手伝うー」


 アリスちゃんには泣き落としは効きませんでした。


「邪魔……」


「しません!」


「文句」


「いいません!」


 多分。きっと。メイビー。

 あれ、メイビーってなんだろう? ま、いっか。


「遠い!」


 なかなか私が折れなくてアリスちゃんがご機嫌斜め?


「歩きますっ!」


 渾身のドヤ顔でアリスちゃんに宣言する。

 アリスちゃんは諦めたのか溜息をついて首を振る。


「勝手にして」


 わーいアリスちゃんの許可が出たよ!


「それでどこ行くの?」


「森」


「森? 食べ物でも取りに行くの?」


「ん」


 食べられるものの区別とかつかないから荷物持ちになりそうだなぁ。

 ユウタに後で採ってきたもので美味しいもの作ってもらおう。そのためにはたくさん採らないとね。


「いつ行くの?」


「今」


「それじゃ行こっか!」


 ユウタの家の川を横断して森に入ってキノコとかをアリスちゃんと一緒に取りながら進んでいった。

 そこまではいい。楽しいピクニック気分だし。文句言わないとも言ったけど……。


「流石にこれは文句言ってもいいよね?」


「なんで」


「むしろなんでアリスちゃんそんな平然としてるの?!」


「なにか慌てる事ある?」


「あるでしょ!? 思いっきり!」


「あ、お肉食べ放題?」


 食べられるのは私たちだけどね!

 目の前にアリスちゃんの数倍はあろう太くて大きい蛇がいるのに余裕そう。


「早く逃げないと食べられちゃうよ!?」


 アリスちゃんなんて一飲みできそうだよ?


「さっきからうるさい。だまって」


 そうはいっても……この場からどう逃げ出すが考えなければ。囮になってアリスちゃんだけでも……。

 そう考えた始めた時にアリスちゃんが動き出した。


「え? アリスちゃ……」


 呼び止める間も無くアリスちゃんは巨大な蛇に向かって走りだし手に持つナイフで蛇を瞬殺してしまった……。

 口を開けてぽかんとしている私に向かってアリスちゃんが一言。


「ご飯楽しみだね?」


 アリスちゃん強すぎない……? 何者?



 家に戻ると既にユウタが帰ってきていた。

 蛇はどうしたかって? アリスちゃんがぐるぐる巻きにして担いで持って帰ってきました。

 本当にただ邪魔だったよね私。 アリスちゃんがもっていた蛇を地面に投げる。

 大きな音が響いてその音に反応してユウタが家から出てくる。


「な、なんの音だ?」


「ん!」


 アリスちゃんが勝ち誇った顔でユウタに飛びつく。

 いいな。私も飛びつきたい!深い意味はないけど。できればルネの前でっ!


「ちょっ。どうしたアリス……ってなんだこれ」


 やっぱそうなるよね。普通こんな蛇見たら誰だってそうなるよ!! 私がおかしいわけじゃなかった。


「獲ってきた。今日のご飯?」


「これを俺に処理しろと……?」


「ん」


「私もいるからたくさん作ってね?」


 言っとかないとユウタはけちんぼだから作らなさそうだしね? 帰れとか言って!


「ローゼ。ルネさんが早く帰れって言ってたよ?」


「気にしない気にしないそれより早くこれでなんか作ってよ。キノコもあるよ?」


 採ってきたキノコもユウタに渡す。


「食べれるキノコなんだろうな?」


「食べれないキノコなんてあるの?」


 初耳だ。


「うん。これはやめとこうか」


 ひどいせっかく集めたのに!


「食べれるの採ってきた」


 アリスちゃんが一言添えてくれる。ナイス! アリスちゃんっ!


「アリスが言うなら確実だ。使うか」


 だけどアリスちゃんと私の信頼の差が大きすぎないかな?

それだけちょっと不満です。



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