第四十七話 初エンカウント。そしてレベルアップ。からの……?
ここは森の奥深くです。そして俺は今1人できてます。なのに振り返ると目が合いました。不思議ですね?
こんな街から離れた森の奥で目が合うなんて。え? 誰と目が合ってるかって? そんなの決まってるじゃん。目が合うんだから動物だよ。
しかも人型ね。小柄で突き出た耳と鼻が特徴的な……。
そこまで考えて一歩後ずさる。
これって結構よろしくない状態じゃない? どっからどうみても異世界の代名詞のゴブリンに見えるんだけど。
さっきの言葉でフラグが確立したのか……。フラグじゃないって言ったのに!!!
いやそんな事を言ってる場合じゃない。いくら最弱の名を冠してるとはいえモンスターだし……。
凝視してみるとステータスがポップアップする。
『名称:ゴブリン。
レベル:Lv.3。
スキル:なし。
HP:100。 』
あれ? 思ったより弱そう……? これなら勝てるんじゃね? だってあっち棍棒だし叩かれても痛くなさそうなんだけど。それに比べてこっちは中華包丁。これならいけ……。
「ギャッー!!」
ないない。無理だろ絶対! 生理的に受け付けないから!! 死に物狂いで竹によじ登ってゴブリンから離れる。
「なんでこのタイミングでエンカウントするんだよ! 近すぎだろ!!」
叫ぶとゴブリンも奇声をあげて登っている竹を持っている棍棒で叩き始めた。
「ギャッギャン!!」
「ちょ、やめろ!! まじで! 一旦落ち着いて! 話し合おう!!」
無駄だとわかっているがとりあえず交渉にはいる。
何やってるんだろうか。自分でもそう思うが気が動転してほかに何も浮かばない。
「ギャー!!」
「あー!! もうギャーギャーギャーギャーうるせーんだよ!!!」
ボックスから沸騰した熱々のお湯をゴブリンの上空に出してゴブリンにぶちまける。
「ギィ〜〜!!」
熱湯を食らって地面に倒れて悶え始めたゴブリン。みるとHPが60くらいまで減って、状態が火傷になっていた。
「とは言ってもまだ6割も残ってる……」
川で拾った石をゴブリンに落とし続ける。
ゴブリンは熱湯を食らったせいで立ち上がれないのか、落石を喰らい続けついに瀕死にまで追い詰めた。
「はぁ、はぁ……。なんとか倒せそうだ。そろそろ腕も限界だから早く降りたいよ」
気持ち的に余裕が出て少し気が楽になった。
トドメの石を上空にだした瞬間に瀕死のゴブリンが最後の力を振りしぼった奇声を上げた
「キュ〜!!」
明らかに今までとは違う鳴き声だ。
言い終わる前に石に潰されてゴブリンは死んでいった。
すると視界の端に『!』が出てきた。開くとステータスが表示されレベルが2に上がっていた。
いや嬉しいけどそうじゃないって。さっきのゴブリンの鳴き声って絶対RPG系の定番で考えると仲間を呼ぶ音でしょ。
だったらさっさと降りて逃げないと……。
降りようとしたをみると草木の隙間から大量のゴブリンの姿が目に入った。
「うわー。これ30くらいいるよ……。ゲームオーバーだ」
あっという間にゴブリンの群れに囲まれてしまった。数で押されると一本の竹なんて持つはずがなく、徐々に傾き始める。
手の力も限界を迎えてついにゴブリンの群れに落下していく。
落ちていく中で白っぽい何かが一瞬目の前を通り抜けてくのが見えた気がした。
自分が落下しているんだし遠くの物が一瞬目に入ったのか、それか幻覚か……。白といえば、竹なら筍も取っとくべきだったなぁ……。
地面に落ちる寸前にそんな事を考えて意識を失った。





