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第四十五話 ルネさんの意地。


「門番さんこんにちわ。入れたりします?」


「お。お前か。今日は何の用だ?」


「キースさんとルネさんにちょっとお話しと相談が」


「キースならちょうど玄関にいるから行ってきていいぞ。そっからはあいつに聞いてくれ」


 あれ? なんか顔パスになってきてないか?

 餌付け効果かな。


「ありがとうございます」


 去り際に串焼きを門番さんに賄賂として渡して玄関に向かう。

 ドアをノックして反応を待つ。が誰もこないな。キースさんいるんじゃないのかよ。サボってるじゃないか。

 仕方ないので自分であけて中に入る。


「お邪魔しまーす」


「あ、お兄ちゃんだ!」


 入った途端にお腹の辺りに強い衝撃が加わる。


「いてっ……。ちょっと危ないよ? マリーちゃん」


「あ、ごめん! でも久しぶりだったから!」


「マリー! 知り合いでもちゃんと対応しろって言われてるだろ? 執事長に怒られるぞ?」


 疲れ果てた顔でこちらにやってきたキースさん。

 誰もこないから暇なマリーちゃんの相手をさせられてたなのかな。だとしたらサボってたとか思ってごめんなさい。めっちゃ大変そうだわそれ。


「あ、キースさんこんにちわ」


 マリーちゃんの頭を撫でながらキースさんに挨拶を済ませる。


「ユウタさんこんにちわ。今日は何の用ですか? ローゼ様のところへ?」


「いえ、今日はキースさんとルネさんに野暮用が」


「俺に?」


「はい。あのたこ焼きのプレートさっき行ってきて作って貰えることなったんでキースさんに言っとけ言われましてね」


「え、本当ですか!? わかりました!」


「それを伝えにだけきました。あとはルネさんの所に……」


「マリーも話に混ぜろ〜!」


 さっきから頭をガンガンしてお腹を攻撃しないでくれないか。結構ダメージが大きいんだけど……。


「こらマリー。失礼だろ? 一応お客様なんだぞ?」


「まぁまぁ、マリーちゃんごめんね。今日はルネさんに用があるんだよ。また今度遊びに来るから今日はキースさんと一緒にお仕事してて?」


 飴を渡して離れさせる。子供は飴で解決するから楽だなぁ……。


「なんかまた子供扱いされてる気がするけど……。まあいいや飴貰えたし!」


 ばれてた。でも所詮は子供なんとかなったな。


「ユウタさん。あんまりマリーを甘やかさないでくださいよ。怒られるのは本人なんですから」


 キースさんに注意されてしまった。気をつけないと。


「気をつけます。それではルネさんの所にいくので失礼しますね」


 マリーちゃんにもう一度絡まれる前に厨房目指して早足でその場を抜け出した。

 厨房ってこっちであってるよね?


 厨房のドアをノックして中に入る。

 お昼過ぎてるからルネさんがサボってる頃合いだけど……。

 あ、やっぱりいた。お茶飲んでる。


「こんにちわルネさん」


「ユウタ様!?」


 突然の訪問に驚きの声を上げるルネさん。

 まぁ、アポ取ってないから当たり前なんだけどね。


「休憩中ですかね?」


「はい。お昼も終わりましたので。今日はローゼお嬢様と一緒じゃないんですか?」


「ローゼはうるさいから今日はいいですよ」


 本人に聞かれたら怒られそうだけどね。


「聞いたら悲しみますよ?」


 怒るの間違いだろう。怒った顔も可愛いからあり。


「いいんですよ。どうせ役に立たないですからね今日は」


「何か用があるんですか?」


「ちょっとこのソースを量産したいんですけど、材料がシビアでして」


 たこ焼きソースを取り出してお皿に出す。


「ソースですか?」


「たこ焼きって物につける用のソースなんですよ」


「たこ焼き……ですか。また新しい食べ物ですね」


 あぁ、そうか。ルネさんは食べてないのかたこ焼き。キースさんとローゼが食べたの聞いたら泣きそうだなぁ。黙っとこ……。


「まぁ、たこ焼きはソースが出来たら作りましょう。まずはソースをなんとかしないと」


 勘付かれないように話をソースに持っていく。

 キースさんに頼んでタコも大量に用意しておかないといけないな。


「そうですね。ささっとソースを作ってたこ焼きを食べましょう!!」


 あ、ダメだ。ルネさんの頭はもうたこ焼きに埋め尽くされてるよ。


「簡単に作れないからルネさんに相談に来てるんですがね……?」


 聞いちゃいないな。これは思ったより大変な作業になりそうだ。


「材料はなんですか?」


「材料ですか? 沢山あるんですけど。玉ねぎ、人参、トマト、セロリ、大蒜、生姜、醤油、砂糖、塩……」


 途中までいっぺんに言っているとルネさんから横槍が入る。


「あ、あのちょっと待ってください? 多いのはまぁいいんですけど聞いたことのないものもあるんですが……?」


「いやそれがこれくらいはなんとかなるんですよ。問題はここからでしてね?」


「え?」

「シナモン、ナツメグ、一味唐辛子、クローブ 、オールスパイス、セージ、タイム、クミン、カルダモン、ローリエ」


 ざっとこんなもんだろう。まぁ材料と作り方は本に書いてあるから確実なんだが、いかんせん材料が集まるのかという問題がね?


「何語ですか……?」


 ルネさんはメモすら諦めて机に倒れこんでしまった。

 確かに全部知ってても割と投げたくなるレベルのものだから正直しょうがないと思う。


「無理そうですね。たこ焼きは諦めますか」


 仕方ないよ。せっかくだけど屋台たこ焼き計画は無かったことにしよう。ラーメン屋だけでも十分だしね。


「いえ、やりますよ。やりますとも! やってやろうじゃないですか! 次のお休みでいいですか!?」


 涙目になりながら何かを決意したのか握りこぶしを作って強い目でこちらを見据えるルネさん。

あれ? なんかに火をつけちゃった?


「は、はい。でも材料が……」


「まずは無い材料をまとめてあるものは集めましょう」


「とりあえずセロリと香辛料ですかね?」


 セロリは見たことがない。あるのかもしれないけど。大蒜とか生姜はチューブで使うからいい。


「香辛料の方はタイムとローリエ……他は聞いたことがないですね」


 スパイスなんてもし今から見つけたとしても乾燥させないとダメなんじゃないのか?

 まぁ、とりあえず明日森に入って見て無いかどうかみてみるか。


「スパイスの方はこっちで森とか探して見ますよ。セロリはまぁ……なくてもいいんじゃないですかね?」


 嫌いだし。多少材料無くてもソースにはなるだろ。最初から完璧なソースは出来ないだろうし。


「他の材料はどれくらい用意しますか?」


「んー。それもまた計算してこっちに持ってきますよ。一応ルネさんも香辛料とか探して見てください」


「わかりました! たこ焼きのために意地でも作って見せましょう!!」


 そんなにやる気にならなくてもいいと思うんだけどなぁ……。なんかルネさん命賭けてるな。意識高すぎるよ。


「そうですね。それじゃあ帰って調べてみますね。また来ます、お邪魔しました」


 明日からは森を探検して香辛料探しの旅に出ないと。

 もしかしたらターメリックとか見つかってカレーとか作れちゃうかも?



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