第四十四話 たこ焼きプレート量産計画。
久しぶりに街にきて目当てのお店を探す。
キースさんが言ってたからあるとは思うんだけどどこら辺にあるんだろうか?
「すいません。ちょっと聞きたいんですけど」
いつもの魚屋のおっちゃんに道を尋ねてみる。
「お、うちのお得意様じゃないか。どうしたんだ? 今日も小魚か?」
「いえ、今日は買い物じゃなくて……。行きたいところがあるですが場所がわからなくて」
「どこに行きたいんだ?」
「鍛冶屋さんとか金属を加工する、んー鍋とか作ったり剣とか作ったりしてるようなところです」
「あーそれなら反対側だな。この大通りをずっとまっすぐ行けばそれっぽいところがあるからすぐにわかるよ。カンカンカンカンうるさいしな」
「ありがとうございます。また今度買いに来ますね」
「いつでも待ってるよ!」
親切な魚屋さん教えてもらった通りに大通りを進んでいく。
結構歩くといかにも鍛冶屋っぽい看板が見つかった。でもカンカン音してないけど……? 休憩中なのかな?
「お邪魔しまーす」
扉がなくオープンになっているドアをくぐると蒸し蒸しとした空気が襲ってくる。
うわ、暑いな……。火を熾してるから当たり前か。
「いらっしゃい。何の用だい?」
布を頭に巻いて作業着をきたおっちゃんが対応してくれた。明らかに親方ぽいな。異世界でも地球でもぽい人はぽいんだな。と妙に納得してしまった。
「あ、親方さんに作って貰いたいものがあるんですけど……」
「剣とかならわざわざ作らないでも店で買った方がいいぞ? 大都市の鍛冶屋でもないし正直無駄だ」
それを自分で言っちゃっていいのかよ。職人は正直なのかな?
「いえ、剣ではなくてこれを作って頂きたいんですよ」
手を後ろに回してたこ焼きのプレートを取り出す。それを親方さんに渡し説明を加える。
「鉄板にこんな風に半円の凹みをつけて欲しいんですよ」
「見たこともない加工の仕方だな……」
あ、そこに目がいっちゃいます? それはスルーして頂きたいんですが……。
「作れそうですかね。加工の仕方とかは気にしなくて構いませんので」
「前にも鉄板に丸い穴開けた奴作れって言ってきた奴が居たんだが……流行ってるのかこれ?」
それ完全にキースさんだな。本当に作って貰う気だったんだ。
「キースさんですね。彼もこれを見て作ろうとしてたんですよ」
「ああ、あいつも知り合いか。あいつに言われた時はどんなものかさっぱりわからなかったから断ったんだが、実物があるんじゃあ作らないわけにはいかんわな……」
お、これはどうやら作ってくれる感じじゃないか?
「作って頂けますかね?」
「いいが、これは何に使うんだ?」
「料理に使いますよ。近々この街で1日だけその料理の出店開こうと思ってるんですよ」
「だからこれ1つじゃ足りないってわけか」
それだけじゃないけどまぁそういうことだ。
作って貰えるなら理由なんてなんでもよかったりするよね。
「そんな感じですね。それでこれ1つ作るのにだいたいいくらくらいになりますかね?」
高すぎるとコスパが悪すぎるからキースくんにでも作って貰うことにしたい。我ながらクズい考えだが。
「まだ作ったことのないもんだからわからんな。見た感じだとそんなに難しくはなさそうだからそんなにはしないとは思うが、完成してからだな」
「そうですか……。ではとりあえず1つ作っていただいてもよろしいですかね?」
「わかった。数日後に暇な時に来てくれや。あとあいつにも言っとてくれ」
あいつってキースさんのことかな? 帰りに屋敷に寄って伝えてくか。
「わかりました。それではお願いしますね」
挨拶をして蒸し暑い建物から抜け出して屋敷に向かう。
どうにかたこ焼きプレートは量産できそうだ。値段次第だが……。
「とりあえずたこ焼きとラーメンの文化を広めていこう。この世界を地球の食生活に染め上げて第2の地球にしたいな」
マヨネーズはもう広まって来ているから、鰹節とソースと青海苔だな……。
鰹節は今のがうまく行けばいいし、青海苔はなんか簡単に作れそうだけど、ソースの問題を解決しないと店も出せないな。
ルネさんと相談して似たものを作れないか検討してみよう。





