第二十話 ステータス。
用意された部屋に戻ってベッドに寝転んで考えてた事を試してみる。
「ステータスウィンドウってないのかなー?」
出ろ。と念じてみるが出てこない。なにがコツがあるのか?
部屋に置いてある壺に目線を定めて念じてみるもまたしても失敗。
「物は流石にステータスとかはないか?」
自分のステータスだけでもいいから出したいんだけど……。
自分をイメージしながら視界の左側にポップアップするのを思い浮かべる。
すると、努力の甲斐があったのかちゃんとでてきた。
「おおー! 初めて異世界っぽいことになってるよ! すごい感激なんだけど!?」
一人、部屋で大騒ぎしてベッドで跳ねる。
騒ぎすぎてベッドから落ちてしまった。
「いてっ!? あ、今のでHP減ったかな?」
ステータスに目を向けるが表示される一覧にヒットポイントの欄がない。
「ええ……。なんでHPがないの? MPはあるのに」
名前に歳、レベルや筋力を表すSTR、敏捷のDEX、知力のINT、幸運のLUK。そんな感じで並んでいる。
人間って魔法使えないんだよね? なんでMPとかINTがあるんだろか?
もしかしたら転移の特典で実は使えたりする?
冒険家ならやっぱり聖魔がいいな。遠くから安全に攻撃できて回復も楽々だし。あっちのMMOでも魔法職ばっかやってたなぁ……。
でもまぁ、冒険家になる予定はないから戦士でもなんでもいいや。
レベルはモンスターを倒すとあがるのかな? 経験値のバーもついてるし。現在のレベルは1だ。
「死んでも蘇られるんだったらモンスター倒しまくってレベ上げしてMMOを満喫したかったんだけどなぁ……」
死んだらリアルに戻れるとか。ありえそうだけど違ったらハイ終わり。になっちゃうから怖すぎて試せないな。
別にあっちに何がなんでも戻りたいわけでもないし。まぁ、こっちは不便すぎるが。
「後はこれか……これが一番の恩恵ぽいけど」
その他の欄に書いてある異世界物でよく聞き慣れた文字。
アイテムボックス。
「これってよくみるなんか亜空間に物を収納できるっていうあれだよね? どう使うんだろうか?」
試しに唱えてみようか。
「アイテムボックス」
すると、視界にアイテムボックスの一覧がポップアップされた。
「おおー! これでスクロールして探すのかな?」
手を伸ばしてタッチパネルのようにスクロールしてみるが反応がない。
もしかしてと思い、スクロールを意識してみる。すると一覧がどんどん下に流れていく。
「これは凄いな……。てゆうかまだなんも入れてなのになんでこんなにあるんだ?」
一度一番上まで戻して中身を確認してみる。
「えーと? 衣服に本に自転車に食べかけのお菓子に飲み物……? 原付!?」
どういうことだ? これじゃまるで元の世界にいた時の俺の所有物が全部入っているみたいじゃないか。
パソコンや前に買って冷蔵庫に入れておいた食材までこと細かく勢揃いだ。
「これが取り出せるなら普通にチートなのでは……」
明らかにこっちで使えなさそうなものもあるが、かさばるわけでもないだろうし入れておけばいいだけ。
「取り出してみるか。とりあえず本でいいかな」
取り出したい本を意識して選択してみる。
すると空中に突然本が現れてベッドに落ちた。
「すっげぇー……」
本を手にとってぱらぱらとめくる。
「このラノベそろそろ新刊発売だったんだよなぁ……。もう読めないじゃん」
これに限らずもう全部読めないじゃん? え、これ結構ダメージでかいな。
「とりあえず仕舞い方も把握しないと。ポッケに入れるようなイメージでやればいいのかな?」
手に取った本をアイテムボックスに戻す。
案外簡単にできるもんだな。手に触れているだけでいいのか?
部屋の壺まで移動してアイテムボックスにしまってみる。
「凄いなぁ、簡単にしまえるのか。これ盗み働くのに有能すぎねーか? 犯罪者に与えたら大変なことになりそうだな」
仕舞った壺を取り出そうとして思い留まる。
また空中から出てきたら落ちて割れるじゃん。
壺を出す前にさっきの本を使って試してみる。壺のあったところに本を出すようにイメージして取り出す。
「おおー。イメージしたところに出せるのか。便利すぎる……」
本をしまって壺を戻す。
これって持ってる奴らいないよな?
魔法が人間に使えなくてもエルフが作って出回ってる可能性はあるが……。確かめるまではおおっぴらに使うのはやめておこう。
持っていても金持ちの商人とか皇族とかだと思うけど。とりあえず自分の荷物を全部アイテムボックスにしまい込む。
毎回探すの結構大変だなぁカテゴリー分けできないのか試してみた。
「あ、できた。これだけで生きていけそうだな……。荷運びとかで生計立てられそう」
食品や道具に服。原付や自転車テレビ、パソコンなどの大型の物。なかなか使えないと思うけど……人目につきすぎるな。
そしてそのまま寝落ちするまで仕分け作業を進めた。





