作者あとがき
ここまでお付き合いくださった皆さまにお礼申し上げます。
この作品は僕が完結まで書き切った初めての作品となります。とある公募で中編小説とあったので珍しいなと書き始めた物語です。
お気づきの方も多いかと思いますが、この話はロシア/ウクライナ戦争をモチーフにしています。
人工知能による自立ドローンが戦場の常識となったらこの先どうなるのだろうとSF的に想像したものです。
着想に至ってはふたつの特徴的なドローンがありました。
ひとつは開発中のドローン。そのドローンはエネルギーが無くなってくると電線に鳥のように止まり、自ら充電をするというものでした。その様子があまりに可愛かったので印象に強く残っておりました。
もうひとつは生体模倣ドローン。そのドローンは鳥のように羽ばたき、プロペラのドローンのような騒音を出さないというものでした。レーダーで感知できないのだそうです。
そのふたつが合わさった時に伝説的なアニメの台詞が想起されました。
「自己修復機能のない兵器なぞ、単独兵器として役に立たんよ」(意訳)
これはテレビシリーズのエヴァンゲリオンの第一話に出てくる台詞で、当時は生物兵器というと細菌兵器を想像する時代でした。
とても斬新な着眼点だったので深く記憶に刻み込まれていました。
その時から三十年後、僕は思いました。きっと遠くない未来に、自己修復、自己補給、そして生体模倣の新兵器が実戦投入されるだろうと。そしてそれはドローンのような中型/小型の生物兵器だろうと。
そうなった時の戦場における人間の役割は、と考えた結果『灯台守』みたくなるなあと思ったのがこの物語の出発点でした。
この作品ではそれらのドローン兵器をファンタジー作品に頻出するヨーロッパのモンスターに置き替えて、魔獣として登場させてみました。
その辺の考え方は僕の別作品「転生者の珍しくない世界でどう生きろと?」と根を同じくしています。
そして、その中身についてはお読みいただいた通りです。真面目そうなことを語ってきましたがコメディ色のある、ロマンスすらある作品です。
もっと起承転結やメリハリのついた娯楽作にできれば良かったのですが、これくらいが僕の限界のようです。
最後にもうひとつ。
この作品の中で幾つか有名作品のオマージュが登場しますが、それらは全て僕の大好きな作品である為、どうしても滲み出てしまったものです。
関係者の皆様どうかご容赦くださいませ。
由利唯氏
ありがとうございました!
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