セバス、旅立つ。
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プライベートがバタついているので、しばらく更新が遅く不定期になります。
でもレオンくんたちのお話は大切に書いていきます٩(。•ω•。)و
少しお待たせしてしまうかもしれませんが、のほほんとお待ちいただければ幸いです。
これからもどうぞよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
ヴィクトールに尋ねて使用人は、当主とわかり頭を下げ謝りました。
──……が。
「気持ち悪いです!なぜ父上が、そんなに、若返って……ッ!!」
マルクスと師弟関係のせいか、言うことまで似通っているようです。
「……あ?」
もちろん聞いたヴィクトールは青すじをたて、ドスを聞かせてギロリと睨みつけます。
若々しい見た目ですが、威圧感は実年齢そのままです。
アルベルトはカチン?!と固まり、「……う?にいちゃ、凍ったの?」とレオンは抱っこから下ろしてもらい確認しました。
まわりにいる使用人たちに、カトリーヌは微笑み肩を竦めて目を回します。
そんなカトリーヌの態度に、使用人たちはどうにか動揺から復活するのでした。
久しぶりに領地へ帰ってきたヴィクトールは、真面目で厳格な当主から一変し、子どもらに愛情をしめす人物になっています。
使用人たちはそれが、とても嬉しく思いました。
そこへ騒ぎを聞きつけたバルトがやって来て、ヴィクトールの若返りっぷりに大爆笑します。
「ブハァ……ッ!!なんですか、その姿は?!」
涙を流してヒィヒィと腹を抱えて笑うバルトに、蹴りを入れるヴィクトール。
そんな二人を「おぉ、はげちいツッコミなの!」と目を丸くして言うレオンに、カトリーヌは優しく「真似しちゃダメよ」と諭すのです。
そんな騒ぎの中、『検証』を終えたセバス、マルクス、侍女長たちが戻って来ます。
そしてヴィクトールの姿を見た侍女長たち女性陣は、……「「「……ッ?!」」」目を見開いて驚愕しました。
「おやまぁ、……二度寝の効果で、更に若返りましたね」
「……閣下、いったい何を目指しているんです?」
セバスとマルクスも、ヴィクトールの姿に唖然としています。
しかしスーツを着こなしたセバスも、若返った顔立ちと無駄にツヤのある肌のせいで、どうにもちぐはぐでした。
見た目とスーツのミスマッチという想定外の失態に、セバスは舌打ちします。
いつものオールバックにツルンとした額と顔、そして古風なメガネと相まって、絶妙な違和感を醸し出していました。
マルクスももちろん若返って居ますが、セバスのいる横では、違和感がありません。
ヴィクトールは、そんな側近(特にセバス)の有様にドン引きです。
「……あの、旦那様?なぜ、そのような、若々しいお姿に、なれたのでしょう?」
艶々に若返った侍女長が、好奇心に満ちた質問をします。
「……眠ってたからだが?……というかお前らこそ若返ってるではないか」
ヴィクトールは目をすがめて言うと……。
「そんな青臭い歳まで、……若返りたくはないな」
顔を引き攣らせてマルクスが言いました。
「ちょうどエレーナ様とラブラブ新婚時代ですね」
「……えぇ、いつも腰に手を回して、ベッタリだった頃ですわ」
次々に言われた感想を聞いたヴィクトールは、自分が更に若返っていたことに気が付きます。
「……睡眠大事なんですね」「スゴい。理解しました」と、使用人たちからも感想を寄せられました。
ヴィクトールは手鏡を覗くと20代前半まで若返っており、さすがにその姿は大人の男として羞恥心に苛まれます。
しかしそんな若返りの様子を見ていたレオンは、パァッと顔を輝かせました。
「スゴいの!みんなピカピカになって、ワカワカなの!ボク、びっくり、ねっ♪ ねえさま!」
「本当にそうね。侍女長、お肌が艶々に輝いていますわ」
「褒めて頂きありがとうございます」
カトリーヌが柔らかく微笑みながら、キラリンと目を光らせて言いました。
「後でお話聞かせてちょうだい」
侍女長と女性使用人たちは、艷やかにニッコリと笑い了承します。
そして観察していたレオンは、ヴィクトールのツヤツヤな顔を見上げると、無邪気な笑顔で言いました。
「ハーブ水したらいいの! お水にミント、ローズマリー、カモミールとか、好きなハーブいれて、お水あげるの!」
「「「お、お水……!?」」」
お花にお水をあげるかのような、レオンの可愛らしいアドバイス。
しかしその場にいたセバス、マルクス、侍女長たちは一瞬でその真意を悟ります。
(泥パックで汚れを吸い出した後の肌に、フレッシュなハーブの効能を溶かし込んだひんやり冷たい湧水で水分を与え、キュッと引き締めるアフターケア……! なんという完璧な導き……!)
「なるほど……レオンの言う通りだな。パックをした後の肌には、ハーブ水で『お水(水分)』をあげるケアが必要というわけか」
こうしてレオンの一言によって、湧水にハーブをいれた水で顔をケアすることになりました。
──ハーブ水の配り方は、十人十色です。
次の日、レオンは嬉しそうにトコトコ駆け寄り、ガツやシク、アルベルトやカトリーヌへ「はいっ!」とスプレーをプレゼントしました。
大雑把なガツも、レオンから貰ったとあれば「おぉ……!ありがとうな ……!」と喜び、毎日三回シュッとケアを始めます。
それだけでいいので、ガツもマメに続けれました。
「……始めて合った時より若い。……むしろ別人」
シクは不思議そうにしています。
ニコも一緒にハーブ水を作り、いつも世話になっているテオ、マルクス、セバス、そしてバルトへと手渡し済みです。
一方、当主ヴィクトールと侍女長たちは、朝摘みハーブの贅沢な二段階ケアでした。
カトリーヌが毎朝お庭で摘んだフレッシュハーブを侍女長へ手渡し、毎朝の洗顔後にひんやり冷たいハーブウォーターをヴィクトールへ用意します。
そしてついでに侍女長たちも、自分たちの美容ケアに使わせて貰うのです。
朝の洗顔時には、手のひらにとった朝摘みハーブ水を優しくパシャ…パシャ…と肌に馴染ませてしっかり保水。
そして日中の休憩時間になると、スプレーでシュッと一吹きしてリフレッシュ。
ヴィクトールも休憩中に、侍女長から渡されたスプレーを吹きかけていました。
その他の騎士や男性使用人たちはというと――
★女性ウケを狙って、朝からシュッ…シュッ…と優雅にスプレーを吹きかける【モテ派】。
★「ハーブは照れくさい」と湧水だけを律儀にパシャパシャする【せめて湧水派】。
★手のひらで豪快に叩き込む【パシャパシャ豪快派】。
★「男がケアなど!」と突っぱねる【なんもしない派】。
見事に4つの派閥に自然分裂していました。
──そして、1週間後。
成果はあまりにも残酷で、そして明確に出ています!
毎日マメにケアしたガツや、モテ派の騎士、ヴィクトールや侍女長たちは1週間経っても結構なツヤツヤを維持。
一方、放置した『なんもしない派』は見事に元のカサカサおじさんへと逆戻りしてしまいました。
モテ派の騎士たちが侍女たちに「お肌、ツヤツヤですね」と褒められている横で、カサカサに戻った騎士たちが、血涙を流します。
『……ケアの有無や水の種類で、明確な効果の持続差が出るようだな』
【せめて湧水派】と【パシャパシャ豪快派】も、「肌の潤いや引き締め効果はバッチリ」と十分な成果を実感し、男たちの間でも密かな満足感が広がっていました。
水分を与えるだけで肌の状態を良し、ハーブを使えば、さらにツヤやハリの維持を高めるようです。
それらの光景を手帳に淡々と記録したセバスは、しっかり【秘匿外交カード】としてデータを手に、王都へと旅立つのでした。
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