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9,出発

今回出てくるアレル王国は今アレイ達がいるアストレア王国の隣にある国です。

また、こちらも会話の中で出てきますがプリザーブドフラワーは『保存された花』という意味です。

「アレイ・ジーク、お前を王女侮辱の罪で国外追放とする!1週間以内に国境を越えることを命じる」

 

 国王陛下が高らかに宣言した。

 僕の答えはただ一つ。

 

 「承知いたしました」

 静かに告げて退出した。馬鹿だ、と思った。僕を身一つで追い出せば良いものを。

 持って行くものに制限はないわけだし王子3人を荷物として持って行っても問題ないということだ。

 ああ、面白いな。この国が自滅するのを見るのが楽しみだ。そう思う僕は相当捻くれているのかもしれない。



 「終わったよ。予想通りだ。国外追放になった。でも王女侮辱の罪で国外追放で済むって大分甘い国だよな。侮辱し放題だ」

 

 「いやレイは濡れ衣だからだろ。王家の秘密にしたいことを死ぬ前にバラされたら都合が悪いし立場もあるからな」

 

 ヴィンセント殿下は呆れたようにそう反論する。

 「殿下に反乱起こされたら困るからでしょう」

 「もうアストレアじゃないからヴィンとでも呼んでよ」

 「俺達もだ」


 そうだったね。癖だ癖だ。

 「わかったわかった。シュノシュワ家に手紙を出す。3日後に出発だとな。馬車はこちらで用意済みだ。トランク1つで来ても別に問題ない」


 黙って3人は頷き大人しく僕の転移魔法で帰っていった。

 「メル、久しぶりの帰郷だ。お祖父様に手紙を出してくれるか?」

 「わかりましたお兄様」

 便箋とペンを渡すと嬉々としてメルは手紙を書き始めた。

 「よし、僕も書きますかね」

 

 出発時間、馬車のこと、大切な大型荷物の輸送方法、同行者をシュノシュワ夫妻に、婚約者のアナスタシアには簡易的なドレスと靴と共にメルとその婚約者も同席する旨を書いた手紙を送った。手紙用の転移陣は全ての人に配っておいたのですぐに返事が返ってきた。

 

 アナスタシアからは、メルに会えるのが楽しみだということとドレスと靴のお礼が丁寧に書かれていた。他は当然業務連絡みたいなものだ。

 大切な大型荷物は明日、荷物用に作っておいた馬車に乗せて先に輸送予定。

 

 元王子3人衆は大切な荷物などトランクに全て入ると言ってのけた。それでも王子かと思ったがマリアベルと第3王子、国王王妃の浪費が激しすぎて買おうとも考えなかったようだ。

 

 

 3日後、僕とメルは転移魔法でこっそり屋敷を抜け出し、用意しておいた馬車で待機中の王子3人衆を迎えに行った。

 着いた途端、メルに甘い表情をしたヴィンを無理やり馬車に押し込み、王子2人分の馬車を僕の能力、イベントリから出した。王子2人組を突っ込むとディークは「ガラス細工…未来の師匠…」などと言っていたが無視をした。というよりグラスを渡したら黙った。

 

 あとはシュノシュワ家一家と使用人3人を迎えに行ったら完了だ。シュノシュワ家に着いてもう1つの馬車を出すと向こうは絶句していた。もう慣れているので笑って受け流し、夫妻と使用人を放り込む。

 最後にアナスタシアをエスコートして馬車を出発させれば良い。

 

 御者係の精霊に「僕が乗ったら出してほしい」と指示を出し、返事をもらったら馬車に乗り込む。

 「初めまして、貴女がお兄様の婚約者様ですか?私は妹のメルレインといいます。私達は姉妹になりますし、姉のように思って下さい。それと、メルって呼んでくださると嬉しいです」

 

 流石メル。距離の詰め方がとんでもない。

 「はい。えっと…メルお姉様?」

 アナスタシアが遠慮がちに答えるとメルは嬉しそうに頬を染めた。

 

 「そういえばレイ、シュノシュワ侯爵家の技術で商売をするそうだけどそれはどうなってるの?」

 話しをできるような雰囲気ではなく空気に徹しようと思っていた僕にヴィンが気を遣ったのか、タイムリーな話題を出した。


 「そうですよお兄様。私にも教えて下さらないなんて酷いです」

 「わ、私も聞きたいです!」


 3人に対して1人は分が悪い。僕は諦めてイベントリから試作品を取り出した。

 「その辺に生えていた花に魔力付与をしてからプリザーブドフラワーを作ってみた。

 アレル王国でもアストレア王国でもガラスを丸く加工する技術は僕しか持っていないから稀少価値も高く付く。何より品質を保つためのガラスに入れなくてもプリザーブドフラワーは作れるからブーケとかもそうだけど買いたいと思えば買える価格設計にできる。


 そして問題になっているのは孤児の多さと教育格差だ。事業が成功すれば一般常識を無償で行えるほどの財力が手に入る。それに、孤児院の子供に専門的な知識と即戦力としての技術を身につけられれば将来役に立つだろうね。

 

 もちろん仕事をしてくれた者には誰であろうと給料は出すよ。辺境伯は王家よりも財力があると言われているし工夫すればできないわけじゃない」

 今後の展望を一気に話すと3人は驚いていたがそこはスルーしておいた。

 

 あと3日ほどで隣国アレル王国に着くだろう。

 それとアナスタシアの年の離れた姉は既に婿を取っていて、独立することにしたそうだ。

読んでいただきありがとうございます。

次話投稿は明日になります。

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