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39話 再会と……

途中で視点変更をしています。

こういうことをするのは初めてなので読みにくいなどありましたら感想やTwitterなどて教えていただければ幸いです。

「くっ!」


 俺は突然の光に咄嗟に目をつぶった。


 次第に光がおさまってきたので目を開けた。

 そこはいつしか来た、薄暗い曇り空のような不気味な空間。

 目の前にはこれまた前回と同じように木でできた机と椅子があり、ニコニコしながらこちらを見つめる男。


「やぁ、随分と早かったね。僕の予想だともう少し遅くなると思っていたんだけど」


「まさかこんな所で再開するとは思ってなかったけどな、アルス」


 俺がこの世界に召喚された時に横から俺をこの空間に連れてきた張本人。

 俺に【神眼】の能力、正確には【強欲眼(アウァリティア)】をくれたのがこいつだ。


「ちゃんと覚えててくれたんだね!嬉しいよ。ひとまず座って話そうよ」


 アルスがそう言って、空いている椅子のひとつを指さすと、椅子は独りでに動いて俺が座るように空間を開けてくれる。

 さっきまで抱き抱えていたレイスはいつの間にか消えており、それどころかデュラルカイザーとの戦いで汚れていたはずの俺の装備も新品同様にきれいになっていた。


「まぁ、そうだな。迷宮の事とか封印の事とか、色々と聞きたいことがあるからな」


 俺はそう言いながらアルスが用意してくれた椅子に座る。


「うーん、何から話せばいいかなぁ……とりあえず迷宮のことから話そうか」


「おう」


「迷宮って言っても色々な種類があるけど、『八大迷宮』——昔はそう呼ばれていたけど今ではどうか分からないよ?その八大迷宮は他とは少し違ってね、他の一般的な迷宮が世界の余った魔素の集合で出来ているのに対して、八大迷宮は人為的に作られたものなんだよ」


「普通の迷宮が魔素から出来てるって事実も驚きだがこの迷宮、誰かが作ったのか……」


「うん。それで、誰がなんの為に作ったのかって話なんだけど、この世界には神とか天使とかそういった存在がいてね。そいつら……主に天使達が作ったものなんだよ。僕達を封印するために。」


 まぁそうだろうな。

 この迷宮突破して得たものとか玉座とアルスが封印された水晶くらいだし。

 なんなら水晶鑑定した時『悪魔を封印した……』って書いてあったからアルスは悪魔なんだろ。


「僕は最初、アルスって自己紹介したと思うんだけど本当はアルスリード。【強欲の悪魔】アルスリードって言うんだ。アルスってのは愛称的なやつだね。もう察してるかもしれないけど、八大迷宮って言うのは全て僕みたいな悪魔が封印された場所なんだよ。」


「まじか……」


 ここに来て新たな事実が発覚した。

 アルスの本名がアルスリードだったことも十分に衝撃だが、アルスみたいな存在が少なくともあと七人もいると……


「晴斗の異能である【神眼】にはまだ僕があげた【強欲眼(アウァリティア)】しか無いと思う。それは僕以外の悪魔から貰わないと力が解放されていかないから。だからこれから先八大迷宮を見つけたら積極的に攻略するべきだと思うよ。」


「俺の【神眼】ってそういうふうにできてたんだな……なんか俺の能力のはずなのにアルスの方が詳しいってちょっと悔しいんだが……」


 何かしら【神眼】と八大迷宮は関係ありそうだとは思ってたけど、八大迷宮が悪魔を封印するための場所で、その悪魔を解放すると【神眼】が強化されていく、と……


「まぁ、僕達悪魔の方が【神眼】と関わってきた時間が長いからね……今は晴斗が宿主なんだから、これから知っていけばいいと思うよ。っと、そろそろ時間みたいだ。僕が無理やり晴斗をこの空間に呼んだからあまり長時間はいれないんだよね」


「は!?そういうことは早く言えよ!」


「もう話すことは話したし、晴斗が消えるまでにやって欲しいことを言うね。僕は今現在封印されてる状況にある訳だけど、何とかその封印を解いて欲しいんだ。あ、やることは簡単だよ?水晶の近くに【王の玉座】って言うアイテムがあると思うんだ。その玉座に座ってもらえればそれだけでいいよ。あとは玉座が勝手に判断して僕を解放してくれる。」


「え、ちょっ……」


 俺の非難の言葉を無視して、アルスは矢継ぎ早にそう言ってくる。


「おっと……もうほんとに時間が無いね。それじゃあ向こうでよろしく頼むよ。晴斗、君を選んで本当によかった!それじゃあね!」


「おい!アルス——」


 瞬間、視界が真っ白になり咄嗟に目をつぶる。


 次に目を開けると、迷宮内に戻ってきており、俺はレイスを抱えた状態で立っていた。


「あいつ……」


 いつまでも立っていてもしょうがないので、とりあえず言われた通り【王の玉座】に腰を下ろす。


《王の銓衡を開始します。》


 すると、玉座が紅く光りだし、そんなアナウンスが聞こえてきた。


「王の銓衡って……」


 俺に選ばれる要素はあるんだろうか?

 王になる資格とか絶対ないだろ。

 何を根拠にアルスは「勝手に判断して……」とか言ったんだか。


《特殊技能【神眼】の所持を確認。特殊技能の完全定着を行います。》


 またしてもアナウンス。

 特殊技能ってのは異能のことか。

 どうやら王になるには【神眼】を持ってないといけないらしい。

 完全定着ってのがなんなのか分からないが、まだ定着しきってなかったのだろうか。

 疑問は尽きないが、今度は玉座が翠色に光りだした。


《基礎能力値を確認……規定値を下回っています。技能での補完が可能か確認……技能での補完が可能と判断。王の資格ありと判断します。》


 色々と言われたが、どうやら認められたようだ。

 今度は玉座が金色に光りだす。

 ……というか、基礎能力値ってステータスの数値のことか?

 今現在の俺の数値で足りないってどんだけ高い数字を求められてんの?

 特殊技能が異能だったことを鑑みると技能はスキルのことか?

 何とかスキルでステータスがカバー出来そうって判断されたんだな。


《種族がヒューマンであることを確認。より適した種族へと進化させます。》


「……は?」


 すると、急に全身に痛みが生じる。


「ぐっ……がァあああ!!」


 全身が熱くなり、汗が止まらなくなる。

 呼吸も荒くなり、視界が揺れる。

 意識を手放しそうになるのを何とか堪えていると、そのうち痛みが引いてきた。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


《進化完了。以後、能力板に【悪魔の王】が追加されます。》


 そのアナウンスを最後に玉座は光を失い、何も聞こえなくなった。


「くっそ……こんなになるなんて聞いてねぇ……」


 俺は呼吸を整えながらそう呟く。

 もう既に痛みは引いており、体を動かすことは出来る。

 しかし精神的に疲れてしまったため、俺はどうにも玉座から立ち上がることが出来ずにいた。


「おや、封印が解かれていますね」


「ッ!!」


 座って休んでいると、後ろから急に声が聞こえてきた。

 一瞬アルスかと思ったが、声が違かったので、俺は慎重に振り向く。

 アルスであってくれと願いながら振り向いた所にいたのは、背中から純白の羽を生やした金髪の男。

 頭の上には光輪があり、天使と予想される。


「あなたが新崎晴斗さんですね?私と一緒に来てもらってもいいですか?皆さんがお待ちです。」


 男は俺にそう言ってきた。


「……みんなってのは?」


「晴斗さんの妹君である新崎静奈さんやご学友の方々です」


 俺が質問すると、男は笑顔でそう答えた。

 静奈もこいつについて行ったのか?

 ご学友ってことは美咲もいるんだろうし他の奴らもいるんだろうか……

 分かんねぇ。


「分かった。」


 分かんねぇけど、もし本当に静奈達がいるなら俺も行かないと。

 もしこれが嘘で、俺をどうにかしようとしてる罠とかだとしたらどうしようもないが、そうなったらなったでどうにかして逃げよう。


「良い返事が貰えてよかったです。それでは行きましょうか。」


 そう言ったと同時に男は俺の横まで移動しており、俺の視界も一瞬で変わった。



△▽△▽△▽△▽△


〔アルスside〕


「やっと行った……」


 晴斗は連れてかれちゃったけど、僕は何とか見つからなかったみたいでよかった。

 さっきのはミカエルかな?

 昔はもっと暑苦しいやつだったけどびっくりするぐらい変わったね……


「さて、晴斗に解放してもらったんだ。僕は僕の仕事をしようかな。」


 これから忙しくなる

 きっと晴斗も何かしらやらかしてくれるだろうし。

 次こそは負けないように、準備を進めていこう。

今回で3章の本編は終了です。

この後は閑話を何本か挟んで4章に入ります。


面白いと思っていただければ評価やブックマーク、感想のどを頂けるとありがたいです。

誤字などありましたら教えてください。

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