↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/59

36話 激闘①

 無事に石を集めた俺とレイスは、ボス部屋の前まで戻って来ていた。


「じゃあ、はめるぞ」


 レイスはそう一言入れてから、手に入れた石を扉の横にあった窪みにはめた。


 すると、全力で押しても動かなかった扉が大きな音を立てながら開いていく。

 少しづつ開いていく扉から中を見てみると、部屋自体は全体的に明るいが、見た感じ何もいなさそうだ。

 ちょうど扉が開ききったので、中に入る。

 俺とレイスの両方が入ったところで、扉はひとりでに閉じてしまった。


《侵入者の存在を確認。脅威度レベル5。直ちに排除します。……適正ユニットの作成。配置します。》


「ッ!何だ!」


 扉が閉まってすぐに、部屋全体に響き渡る音量で、そんなアナウンスのようなものがされる。

 それと同時にさっきまで何もいなかった部屋の中央に、光の粒子が集まっていき、何かを形作って行く。


「【残月】!」


 レイスは先手必勝、とばかりにまだしっかりと形成されていない何かに向かって斬撃を飛ばす。

 斬撃は何かを斬り裂いて壁にぶつかり、消える。

 そのすぐ後に、何かは光の粒子から実体へとなった。


「ギュァァ!!ジュルジュルジュルジュル!!」


 不快な鳴き声を発しながら姿を表したのは、今まで倒してきたボスを合成させたような生物。

 首のない黒色の馬に跨り、頭はトロールカイザー、体は骨、足は10本あり、手からはスライムの触手、背中にはコウモリのような羽が生えている。


「……なんか邪神みてぇな見た目してんな」


「邪神?」


「こっちの話だ」


 クトゥルフ神話に登場するクトゥルフがこんなような見た目をしてるって何かで見た気がする。

 見ているだけでSAN値がゴリゴリ削られてくな……

 鳴き声も気持ち悪いし……

 とりあえずワンチャンステータスが見えることを願って【鑑定】してみるか


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 name「デュラルカイザー」

 Lv ーーー

 種族【合成生物(キメラ)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 鑑定結果はこれだけだった。

 いやまぁ、この迷宮入ってからまともにステータス見えた相手なんてほとんど居ないんですけどね?

 ていうかなんだよ「デュラルカイザー」って……

 名前かっこよ過ぎないか?見た目こんなに気持ち悪いのに。

 種族が合成生物ってやっぱ今まで倒してきたボスを合成させた感じだよな……


「ギュ!ジュアァアアァア!!」


 デュラルカイザーは急に大声をあげたかと思うと、すごい速さでこっちまで走ってきて、触手を伸ばして攻撃してくる。

 俺はギリギリでこれを避けていく。

 レイスは……多分大丈夫だろ。

 俺より断然強いからな、この程度だったら涼しい顔して捌いてるんじゃないか……?


「っ!【朧月】!」


 攻撃してきていた触手の中に紛れて、大剣が降ってきた。

 よく見ると、さっきまでデュラルカイザーが乗っていた馬がいなくなっている。

 多分デュラハンの時と同じように、馬が大剣に変わったんだろう。


 俺は【朧月】を使って大剣を逸らすと、その間も俺にダメージを与えようと迫ってきている触手たちを一気に斬り飛ばした。


「ギュアア!?」


 見た目邪神でもやはり痛覚はあるのか、触手が切られたことが痛いようで、奇声を発しながら暴れ回る。

 さっきまでは俺とレイスを狙う、という意志の元攻撃してきていたから比較的捌きやすかったが、今はただ暴れているだけのため、規則性もなく、対処しようがないと思った俺は1回後ろに下がる。


 大きく後ろに跳んで、相手と距離を取りながらレイスの方をチラ見する。

 レイスはこんな無茶苦茶に暴れ回っている相手にも冷静に対処して、振り回される大剣や触手を弾いたり斬ったりしている。

 触手が切られるたびに、デュラルカイザーは悲鳴を上げ、さらに激しく暴れる。


「キュアァ!ジュルジュル!!」


 一際大きく鳴いたかと思うと、急に地面が盛り上がり、何体ものスケルトンやゾンビ、アンデット達が湧いてきた。

 湧いてきたアンデット達は、デュラルカイザーを守るようにレイスに攻撃を仕掛け、デュラルカイザーを囲んで防御壁になろうとしてくる。

 いわゆる肉壁と言うやつだろうか……

 いや、でもスケルトンとか肉ねぇしな。


「小賢しい!」


 一斉に攻めてきたアンデット達に驚いたのか、俺と同じように一旦距離を取ったレイスはそう叫びながら、またしてもデュラルカイザーの所に飛び込んでいく。

 壁になっていたアンデット達を吹き飛ばしながらどんどんとデュラルカイザーとの距離を詰めていく。


 俺もレイスの後を追って飛び込んでいった。

 アンデット達、一体一体はそこまで強くないが如何せん量が多い。

 俺も倒しつつ進んではいるが、少しずつダメージを負ってきている。


「がっ!」


 俺は突然横から来た衝撃に対応出来ず、アンデット達も巻き込みながら弾き飛ばされる。


「ハルト!大丈夫か!?」


 レイスがこっちを心配してくれているが、今はそれどころじゃない。

 多分こいつらアンデットの中に、何体か特別強いやつが紛れ込んでる……

 弾き飛ばされた瞬間はデュラルカイザーの攻撃かとも思ったが、確認した感じだとレイスがデュラルカイザーと戦闘してるから俺の方に攻撃する余裕なんてなさそうだし、何より【天網恢恢】を使うと、俺がさっきまでいたあの場所に他よりも明らかに強い個体がいやがる。


「俺は大丈夫だ!アンデットの中に特別強い個体が何体も混じってるから気をつけろ!」


 レイスにそう返して、一緒に飛ばされて俺の下敷きになっていたアンデット達を【火属性魔法】で焼き払う。

 汚物は消毒だァ!

 ふざけてる暇はないな……集中しねぇと。


「弐ノ太刀、【黎明】!」


 俺は一旦刀を鞘にしまって、居合の構えを摂る。

 そのあと一瞬で元いた場所まで移動し、一気に抜刀した。

 その一撃はアンデット達を、一斉に倒すことには成功したが、残念なことに……非常に残念なことに、俺をぶっ飛ばしたちょい強アンデットは避けてしまった。


 ちょい強アンデット以外は一掃出来たので、あとはこいつを殺るだけだが、動きがすばしっこい上に、ほかとの見分けがほとんど付かないためなかなか倒せない。

 今も自分以外が倒されたと見るや直ぐに他のアンデットたちの所まで戻ってしまった。


「めんどくせぇ……」


 魔法を使ったらあいつら全員一掃出来たりしないだろうか……

 いや、下手にでかいの打ち込んでレイスを巻き込んだらそれこそ意味が無い。

 RPGとかの鉄則だとこういうのって盾が前線で壁やって、後ろから魔法で消し飛ばすって感じじゃねぇの?

 俺らどっちも壁なんてやれないし、そもそもフレンドリーファイアが怖くてでかい魔法なんて打ち込めねぇよ……


「しょうがねぇな」


 俺はレイスの方に走っていき、俺、レイス、デュラルカイザーが入れるサイズをで炎の壁を作り出す。

 雑魚相手ならこれで入ってこれねぇだろ。

 もしかしたらちょい強アンデット達は平気で入ってくるかもしれねぇけど、ま、そうなったらそうなったでそいつらはどうにかしよう。

 さっきみたいな不意打ちが怖いから常に【天網恢恢】は張っておくが、これで2対1の状況が作り出せた。


「おっ、ハルト、やっと来たか。早く手を貸せ」


 最初は余裕で攻撃を捌いてたレイスが随分と疲れた様子で俺にそう言ってくる。

 よく見ると切り飛ばしたはずの触手は最初よりも数を増やし、レイスに攻撃している。


「なんか数増えてね?」


 そんなことを言いながら俺はレイスに襲いかかっていた触手たちを斬り飛ばしていく。


「こいつ、再生速度が尋常じゃなく早いんだよ。何回切っても再生してくる。」


「まじか……」


 2分割して触手攻撃を余裕を持って捌けるようになったレイスがそう教えてくれた。

 実際に俺がさっきの斬り飛ばした触手はもう再生して、俺に襲いかかってきている。


「ギュァァ!」


 いつまで経っても変化のなかった戦況の中で、いきなりデュラルカイザーが大声で鳴いた後、口から黄色の液体を飛ばしてきた。


「っ!」


 間一髪で避けたが、あの液体がぶつかった所をみると、地面が溶けだしていた。


「あんなのに当たったら一溜りもねぇな……」


「ハルト!次が来るぞ!」


 俺がよそ見していると、デュラルカイザーは触手とあの黄色い液体の両方で攻撃してくるようになった。

 俺たちは触手は斬って、液体は避けてを繰り返していく。



△▽△▽△▽△▽△



 何分たっただろう……

 俺たちは疲弊していく中、相手の攻撃は止まない。

 少しでも気を抜けばどっちかの攻撃にあたるという緊張感の中で長時間戦い続けてきたが、デュラルカイザーを倒す方法は未だ見つかっていない。

 少しづつ攻撃が掠ったりして、体力が削られ始めている。


「はぁ……はぁ……ハルト、今から私は大技を打つ……もしかしたら、これで私は死ぬかもしれない……だから、あとのことは頼んだぞ!」


「は?ちょ、レイス!どういうこと——」


 レイスは俺の言葉も聞かずに触手を斬り裂き、液体を避けながらデュラルカイザーに近づいていく。


「天明流、参ノ太刀……奥義【桑楡(そうゆ)】!!」


 デュラルカイザーとの距離がゼロ距離になった瞬間、振りかぶったレイスの剣が緑の光を纏い、そのままそれを振り下ろす。

 頭から真っ二つに切り裂いていき、地面にぶつかった瞬間、大爆発を起こした。


「ッ!レイス!!」


 爆発の瞬間、とてつもない光を発したので、俺は咄嗟に目を隠しながら叫んだ。

 俺とデュラルカイザーはそれなりに離れていたはずなのに、ここまで爆発の衝撃がくる。

 それだけでこの技の威力がどれほどの物なのかが分かる。

 だからこそ余計にレイスが心配だ


 光が止んで、爆発の影響で舞っていた砂埃が消えた。

 そして、目の前に拡がっていたのは、無傷で立つデュラルカイザーと、その足元でおびただしい量の血を流し倒れているレイスの姿だった。

明日もう1話投稿します。


面白いと思っていただければ評価やブックマーク、感想の方よろしくお願いします。

誤字などありましたら報告よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。