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27話 道中での出来事

今日はこれでおしまいです。

明日も投稿出来たらします。

 現在リュースに乗って聖国に向かっているです。

 こちら現場の新崎(にいざき) 晴斗(はると)です。

 先程まで、情緒不安定だった静奈と美咲ですが、現在ではあまりの高さと速さに俺に抱きつき震えております!

 ……美少女二人に抱きつかれてご褒美だろうって?

 ……まぁな。


「ふぇぇ……お、おにぃ……高いよぉ……」


 そう言えば静奈は高所恐怖症だったっけ?


「ごめんな?お前が高所恐怖症だってことすっかり忘れてた……怖かったら俺の腕掴んで目をつぶってろよ?」


 あれ?静奈は高所恐怖症だけど、美咲はなんで抱きついてきてんの?


「き、きゃー、晴斗くんこわーい。高いのこわーい!」


 俺がチラッと美咲の方を見ると、棒読みでそんなことを言ってくる。


 うん。絶対嘘だよな?

 なんで抱きついて来てるのか知らないけど、静奈と違って腕が痛い。

 この差はなんだろうな……?

 あ……美咲には胸がn——


「……晴斗くん?」


「痛い痛い!!」


 美咲か俺の腕を締め上げてきた。

 なぜ分かった!?

 まさかこいつ……俺の心を読んで……!


「何を考えてるのか分からないけど、そんな、ハッ!っとした顔されても多分違うからね?」


「あぅ……高い……」


 静奈が更にギュッと腕に抱きつく。


「おうふ……」


 腕が幸せなんじゃぁ……

 いや、妹だからね?欲情とかはしませんよ?

 でもさ、やっぱり胸って世界共通で素晴らしいものじゃん?

 若干一名胸が寂しい方も……


「はーるとくん?」


「痛てぇ!!」


 さっきから思ってたけどなんで美咲は俺のDEF貫通してダメージ与えてんの?

 おかしくね?

 俺ってステータス化け物だったよね?


「大きくなるはず……」


 美咲がボソッとそんなことを呟いたのが聞こえてしまい、なんとも言えない気持ちになった……



△▽△▽△▽△



 そのまま飛ぶこと数時間。

 色々と話しながら移動を続けていると、隣から「クゥ〜」と可愛い音が聞こえてきた。

 音の方を見ると、静奈が顔を真っ赤にして、俯いていた。


「……私じゃないもん」


 そうは言ってもさすがにそれは通じないでしょう……

 つっても朝食を摂らずに来たからな。

 少し早いがお昼にするか


「そろそろ昼飯食べるか。」


《リュース、少しずつ高度を落として着陸してくれ。昼飯にするぞ》


《うむ、了解した》


 俺はリュースにそう伝え、着陸してもらう。

 未だに静奈は「私じゃない」と言っているが、そんなに気にすることじゃないだろうに……


「お昼にするって、食べるものは何かあるの?」


 そうだな、この世界に来てからは宿の飯ばかりだったが、久しぶりに俺が作るか。

 アイテムボックスにオークがあるからな。

 異世界ものの定番と言えばオーク肉だろう。

 やはり豚肉のような味がするんだろうか……?


「一応あるが、美味しいかどうか分からないからな……」


 なんせ魔物の肉だからなぁ……

 もしかしたら気が付かないうちに宿の料理とかで出てきてたかもしれないが、俺からしたら未知だしなぁ……


「おにぃが作るの?」


「あぁ」


 俺がどんな料理にしようか迷っていると、静奈がそう聞いてきた。


「じゃぁ美味しいよ。」


 なんでそんなことが言いきれるんだ?

 確かに地球にいた頃はよく俺の作った飯を美味しいと食べてくれはしたが、あれはレシピもあり、それ道理に作ったら美味しくなるってだけで俺の腕はあまり関係なかったと思うが……


「まぁ、頑張っては見るさ」


 そんな話をしている間にリュースは地面に着いた。

 俺はリュースから降り、料理の準備を始める。

 フライパンや鍋などは無いから、そこら辺に生えていた木から枝を5、6本拝借し、その木の表面を風属性魔法で削り、水属性魔法で綺麗に洗って串を作る。

 串はアイテムボックスにひとまずしまった。


 それから燃えやすそうな木の棒を集めて、火床をつくり、火属性魔法で火をおこす。

 オーク肉を取り出して、丁度いいサイズに切り分け、さっき作った串に刺して焼く。

 事前に雑貨屋で買っておいた、塩と、コショウのような調味料を振りかけ、良い色になるまで待つ。

 オーク肉は結構な量あるので、お代わりもできるな。


「みんな、そろそろできるぞ」


 丁度いい色になったので、肉を火の近くから回収して、全員呼ぶ。

 ついさっきまで静奈と美咲はまた小さくなったリュースを撫でていた。


「「はーい」」


 俺の呼びかけにリュースが真っ先に反応し、飛んできた。

 その後すぐに二人もやって来て、出来上がった焼肉をみて、目を輝かせた。


「わぁ!美味しそう!」


「晴斗くん!美味しそう!」


《早く食べるぞ!!》


 三人とも待ちきれない様子で俺を見てくる。


「それじゃあ食べるか」


 俺はそんな三人に苦笑しながらそう言った。


「ん~~!!!美味しい!何このお肉!柔らかい!」


「口に入れた瞬間溶けて無くなっちゃう!」


《美味い!美味いぞ!》


 肉を口に入れた瞬間目をカッ!と開き、すごい勢いで食べていく。

 あまりの変わりように、俺は困惑。


 そんなに美味いなら、と俺も肉を口に入れる。

 瞬間、肉の旨みが口全体にブワァッと広がり、柔らかいのに、しつこくなくて、味付けがシンプルなおかげで肉本来の美味さが出ていると分かった。


「美味ぇな……」


 これ程までに米が欲しいと思ったことは無い。

 この肉と米。

 絶対に合うな……

 この世界で米に似たものでも探してみるか……

 確か共和国が、日本の文化と似てた気がする。

 だいぶ前になるが。レナちゃんに教えて貰ったな


 こうして俺の旅の目標が新たに追加されたのだった。



△▽△▽△▽△



「ふぅ、美味しかった!」


「確かに美味しかったね……」


「あぁ、また機会があったら作るか」


 オーク肉を食べ終わり、食休みしてから、出発することになった。


 静奈と美咲は近くに生えていた花を眺めており、俺はそれを近くの木にもたれ掛かりながら見守っていた。

 相変わらずリュースは俺の頭の上だ。


 このままの速度で行けば、今日中には聖国にたどり着けるはずだ。

 満腹になり、木陰で休んでいると、だんだんと眠くなってきた。


 だんだんと瞼が落ちていき、10分だけ……と、そんなことを思いながら俺は意識を手放した。



…………

………

……



 心地よい微風が頬を撫で、俺はゆっくりと目を開けた。

 眠った時は木に背中を預けていたはずなのに、気がついたら完全に横になっていた。

 それでも頭は何か枕のような……


「あれ?おにぃ、起きた?」


「晴斗くん、おはよう。」


 枕だった。

 目が覚めたら俺は静奈に膝枕されてた……

 俺の頭に乗ってたリュースも、今では美咲の膝の上で、丸くなっていた。


「ん……。なんで俺は膝枕されてんの……?」


 さっきまでは二人とも花を眺めてたはず。

 それが気づけば俺の枕に早変わり。

 どういうことだってばよ……


「おにぃがウトウトしてたから、膝枕してあげようか?って聞いたら、うんって言ったから?」


 まじで?

 完全に寝ぼけてた……

 そんなこと言われた記憶もないし、返事した記憶もねぇ……


「どのくらい時間たった?」


「えーっと……だいたい20分くらいかな?」


 最初の予定では10分くらいで起きるはずだったのに……


「すまん、足疲れただろ……すぐ起きる」


 俺が頭を上げると、静奈は「あっ……」と残念そうな声を漏らしたが、俺は聞かなかったことにして出発の準備を整える。


《リュース。そろそろ行こう。早く起きろ》


 まだ少しだけ燃えていた焚き火に水属性魔法を使い、鎮火した後、念話でリュースを起こす。


《んぬ……おはよう主……》


《おはよう。早速で悪いがそろそろ出発するから準備してくれ》


《あいわかった……》


 リュースが【質量変化】で大きさを変えるため、少し離れた位置まで飛ぶと、静奈と美咲も立ち上がって、移動し始めたが……


「あっ!」


 足が痺れていたのか、転びそうになってしまった。

 俺は静奈を抱きとめる。


「大丈夫か?」


「う、うん。ありがと、おにぃ。」


 受け止めたはいいが、足の痺れが取れないのか、なかなか離れようとしない。

 そこに後ろから


「あー!足が痺れてー!!」


 と、美咲が突っ込んできた。


「イテ!」


 俺は静奈を支えていたので、美咲の後ろからの攻撃に対応出来ず、思い切り背中に受けてしまった。


「何すんだよ……足痺れたとか絶対嘘だろ。さっき普通に歩いてたじゃねぇか……」


「そんなことないし。足痺れたし……もうビリビリだもんね!晴斗くんが支えてくれないとこのまま倒れ込んじゃうね!」


 なんか地球にいた頃からこんな感じだったけど、この世界に来て、さらにポンコツ具合増してねぇか?

 この子はあんなに勉強出来たのに、どうしてこう……


「おにぃ、そろそろ大丈夫。」


 そうしている間に静奈は痺れが取れたのか、俺から離れる。

 にも関わらず、美咲はいつまでも俺の背中にしがみついたままだった。


「おーい、美咲さーん?そろそろ離れて貰えませんかねー?」


「……」


 返事がないただのしかばねのようだ。


 いや、そんなことあるわけねぇだろ。


「美咲?」


「あっ、え?あぁ!ごめんね!すぐ離れるね!」


「お、おう……」


 そう言って美咲は急いで離れて、巨大化していたリュースに乗ってしまった。


 美咲のやつどうしたんだろうか?

 なんかあったか?


「おにぃ、行こ?」


「あ、おう。そうだな。」


 考え込んでいると、リュースの方から静奈が声をかけてくる。


 今は考えても仕方ないか……

 また後で聞くか。


《さて、じゃあリュース。頼むぞ》


《任せろ》


 こうして途中休憩をしながらも、聖国に向かって、初の旅を楽しんだ。


 龍に乗って移動するこれを旅と呼んでもいいかは知らんけどな……

ちょっとイチャイチャ回的なのも入れたいなぁって。

何度も言うようですが、僕はシスコンです。

実妹だろうと義妹だろうと萌えます。

もちろん美咲も好きなんで、平等に出したいんですけど、やっぱ静奈の方が少し出番が多い気がしますね……


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