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18話 帝都入り

遅れてすいません!

どうしてもモチベが……モチベが上がらなかったんです!

 リュースに乗って空を飛んで帝都に向かう途中。

 森の中で戦闘になっていると思われる馬車を発見した。


「おー……面倒事の予感」


 テンプレとかだとこの馬車に乗ってんのは帝国の偉い貴族か姫って決まってんだよなぁ。

 ん?今のがフラグだろうって?

 HAHAHA、俺は一級フラグクラッシャーだぜ?

 それにそんなポンポン姫様やら貴族様やらが乗った馬車が襲われてるわけねぇだろ。

 お前らラノベの読みすぎだぜ?


《リュース。下で馬車が襲われてる。一応助けに行くからそのつもりでな》


《了解した》


 一体誰に向けて話してるのか分からないようなことを心の中で言ってる間にもリュースにしっかり指示を出す俺優秀。嘘です。ごめんなさい。


 正直今のステータスならこのくらいの高さから落ちたところで怪我ひとつしないだろう。

 リュースの存在がバレるのは宜しくない。ということで俺は飛ぶぜ。


《戦闘が終わったらまた念話するから迎えに来てくれ。》


《任せろ》


 よし、とりあえず任せて、俺は飛ぶぞ。


「ふっ!」


 飛び降りてみたはいいが……思ったより怖いな。

 なんか下からの風で服が上方向にバッサー!ってなるのがかっこいい気がするけど、普通に怖いわ。

 そんなことより、どうやら馬車は狼みたいなやつに襲われてるっぽいな。


 この高さから飛び降りて着地した時の衝撃ってどのくらいなんだろう……

 なんか着地の反動で狼どもを一網打尽に出来たりしないだろうか?

 いや、まぁやってみればわかる事か……

 もはや賽は投げられた。このまま狼たちの所に着地してやるぜ。


——ドォォン


「っ——!!!いってぇ!!いてぇんだけど!?」


 狼たちのど真ん中に着地した結果、ちょっとしたクレーターが出来た。

 周りにいた狼たちはどっか飛んでったからもう大丈夫だとは思うけど、着地の反動がめちゃめちゃ痛い。

 なんでだよステータス。しっかりと仕事しようぜ?


「っ!!何だ!何が起きた!」


 と、俺が痛がっている間に馬車の護衛と思われる奴らが俺のことを取り囲んでいるようだ。

 クレーターができた反動で辺りには砂埃が舞い、視界が悪いため正確な人数は把握出来ない。

 ここは下手に敵対するよりは普通に「助けただけですが?」みたいな感じで出てくのが正解だろう


「あー、俺は怪しい者じゃない。ただ、馬車が襲われてたから助けただけの冒険者だ。」


 ひとまず怪しまれないように自分の説明だけはしておくが……うん。怪しいものじゃないハズだ。

 空から降って来るって言うちょっと特殊な登場の仕方をしただけの冒険者……


「嘘をつくな!貴様、さっきの魔物たちの仲間だろう!魔族か!!」


 取り囲んでいた内の一人がそう叫ぶ。

 こういう時に声を出すのって大抵リーダーとかじゃね?

 俺の偏見か?それにしても、うーん……

 そう簡単には信じてくれないか……


「いや……本当にただの冒険者なんだが……」


「怪しい奴め!!ここで叩き切ってくれるわ!」


 えぇ……?

 ちょっとこの人、人の話聞かなすぎじゃないですかねぇ?


 砂埃が収まって、視界が開けた時には俺を囲んでいた奴らが剣を構えて切っ先をこちらに向けていた。

 1人だけ綺麗な装備をしているいかにも隊長、と言った雰囲気のある男なんかは今すぐにでもこちらに斬りかかって来そうだ。

 しかしそこで……


「あぃや!待ちたまへよ!!」


 と、どこか気の抜けるような言葉遣いでどこかから声が聞こえてきた。

 その声を聞いたと同時に周りを囲んでいた奴らは一斉に剣を置き(ひざまず)いた。


「そこのお主、吾輩(わがはい)の従者たちが失礼を致したようで、誠に申し訳ない。吾輩も馬車の中から成り行きは見守っておったが、お主が敵ではないことは分かる。もし、あの狼共の味方であったならば味方を倒すような行動はとらないだろう。吾輩たちの方へ落ちてくればそれだけで吾輩たちは全滅していただろうからな。」


 突然奥の馬車から大層な服を着たおっさんが変な一人称と共に長々と話しかけてきた。

 なんだ『吾輩』って……

 なんか絶対めんどくさいやつだろこれ。

 もう狼たち殺ったし、俺先行ってよくね?いいよな?


「あぁ、まぁ……うん。信じてもらえたならそれでいいや。じゃあ俺先を急いでるから——」


「まぁそう急ぐでないわ。吾輩の命を救ったのだ。なにか褒美を取らせようぞ!なんでも申せ!」


 じゃあ時間がもったいないので先に行かせてください。

 と、言えたらどれだけ楽だろうか。

 別に褒美とかいいよ……別にこのおっさんだから助けたわけじゃねぇし、ただ、見捨てたら寝覚めが悪いかなぁとか思っただけだし。


「あー、いや。別に褒美とかは要らないんで……」


「ほほぅ!その強さしてさらに謙虚と来たか!!お主、人間が出来ておるのぉ!」


 いやそんなことないから、日本人はみんなこんな感じだから。

 ていうかいちいち言い方が腹立たしいおっさんだなぁ……

 なんかこのおっさん喋り始めてからあんなに殺気立ってた護衛みたいな人ら全員跪いて動かねぇし。

 なに?褒美を渡さしてくれないと帰さない的な?


「えー……じゃあ少しだけ金銭が欲しいですかねぇ……うん。お金欲しいよ、お金。」


 他のものとか思い浮かばなかったし。


「ほう、金とな……よかろう、暫し待たれよ」


 おっさんはそう言って馬車の中に戻って行った。

 護衛らしきおっさん達は跪いたまま動かねぇしこの状況どうしたらいいんだよ。


「ほれ、褒美じゃ。受け取るといい」


 そう言っておっさんは袋パンパンに詰め込まれた金貨を渡してきた。

 貰いすぎな気もするがまた絡まれる前にさっさと退散するか。


「ぬ、興奮して言い忘れておった……吾輩の名前はブルムス・ゼノン。ゼノン商会の商会長をしておる。今後なにか物品で困ったことがあれば尋ねてくるがいい。」


 おぉ、結構なお偉いさんなのな。

 ゼノン商会ね、こんな金貨をパッと渡してこれるくらいなんだから、相当でかい商会なんじゃないか?

 まぁいい、向こうも名乗ったんだ……さっき俺も名乗った気がするが一応な


「見てたんなら知ってるかもしれないが、俺の名前はハルトだ。冒険者をしてるから、なにか欲しいものがあったら店の方に寄らせてもらうよ」


 そう言って俺は金を持ってその場を去った。

 そこそこ離れたところで金貨をアイテムボックスにしまってからリュースを呼び、乗って、話しながら帝都に向かった



△▽△▽△▽△




 遠目に帝都が見えてきたので俺はリュースに高度を落とすように言い、バレなさそうな場所に降りてもらった。

 いきなり龍に乗って人が現れたらビックリするかもしれないしな。ここからは歩いていこう。


 そんなことを思い、それをリュースにも伝えてから降りるとすぐさまリュースは【質量変化】のスキルを使い、俺の頭の上に飛んできた。


《久しぶりにこんな長距離とんだから疲れたぞ……》


 いつも俺の頭の上に乗ってるから体力無くなってんじゃねぇの?

 そんなことを考えるが、一応俺も乗せてきてもらった立場なので何も言えねぇな。


《早く帝都に向かうか。今日は他にもやりたいことがあるからな》


 ひとまず帝都に入ったら今晩泊まる宿を見つけて、それから静奈達の状況確認だな。

 異世界もののテンプレだと洗脳だったりとかもありそうだが……

 まぁ、実際見てみれば分かるだろう。


 俺はリュースを乗せて、帝都の門へ向かった。

 門が見える位置まで来てみると、やっぱり国の代表だけあって大勢の人が集まっていることが分かる。

 門は二つ設置されており、一つ目には高級そうな見た目の馬車が多く、多分貴族かなんかだと思われる。


 二つ目は見た目の判断になるが、旅人だったり冒険者だったりと、比較的一般人が多い気がする。

 俺は勿論一般人なので二つ目の門に向かう。

 一つ目よりも二つ目の門の方が人が多く、流れも悪い。

 貴族の方が優遇されるのは分かるがもう少し早く出来ねぇもんかねぇ……



《主よ……これはもう壁の上を飛んでいった方が早いのではないか?》


 数十分くらいたった頃にあまりにも人が進まなすぎて痺れを切らしたのかリュースがそんなことを言ってくる。


《いやいや、そんなことしたら俺捕まっちゃうよ。さすがにそれは……いや?ていうかよく良く考えたら、俺ってこれから宮殿に忍び込んで静奈達を探すんだよな……普通に犯罪者になるっぽくね?》


《うむ、そのシズナとやらは知らぬが、帝国の宮殿に忍び込むのは重罪ではなかろうか?それなら門を通らないくらい良いと思うがのぉ?》


 言われてみればそうだな……

 俺、どっちにしても追われるなら早く入れた方が好都合だし、そもそも静奈達を死なせようとしてる奴らなら俺の良心も痛まねぇしな。なんかあったら死なない程度にボコそうか


 ま、そうと決まれば早速……と、俺は門の前から離れて壁沿いに人のいなさそうな場所を探す。

 割と門の前には人がいたが、こっちの方は少ないんだな、なんて考えながら移動していると、ちょうどよさげな場所を見つけたのでここからは入ることにする


 多分素のジャンプ力でも入れるんだろうけど、いざと言う時に対処出来ないかもしれないじゃん?

 例えばあれだよ……突然隕石が降ってくるとか……

 だからさ……


《リュースよ、頼んだ。》


《……え?》


 リュースに乗せてってもらえばいいんじゃね?

 な?そう思うよな?な?

 ほら、着地した時に大きな音出たりとかするかもじゃん?

 ということで……


 リュースはまたしても【質量変化】を使い、俺が乗れるくらいの大きさに変化したあと、できるだけ音を出さないように気をつけて空へと飛び上がった。


 結構高い壁だったがリュースにかかれば一瞬よ!

 そのまま壁を越えて人のいないような裏路地に着陸した。

 そこそこの広さがあったのでリュースでも簡単に降りることが出来た。


 そんなこんなで俺は帝都入りを果たしたのだった。

まだ終わりません(苦笑い)

これからストーリーが盛り上がってくるので是非ともお楽しみに。


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少し変更点があったので変更しました。


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