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挙止進進に異世界旅譚  作者: すみつぼ
35/150

3-17 踏み込む。

朝、少し早めに目が覚めた。テラスは左側で寝ている。今日は脇に埋もれるように、寄り添っている。手にはすっぽりと小さいお尻が収まっていた。程よい弾力が心地よい。

ビビはいない。外から風を切る音が聞こえる。外にいるのだろう。ゆっくりと体をずらす。テラスを起こさないように。風呂を焚き、外へ。


「ビビ、おはよう。」

「おはようございます、ソーイチ様。」

汗で煌めく彼女が眩しい。服は汗で透け、艶かしい肢体を見せつける。

馴れたとはいえ、これはたまらない。


「ソーイチ様、御指導お願いしても宜しいですか?」

「良いよ。流の型、やってみて。」

「はい!」


流れる動きで円を描く。足運び、体捌き、腕の振り。3つの動きが合わさり、球を描く。なかなかの物だ。十分身体に馴染んでいる。


一月でこれ程か、ビビは凄いな。


才能もあるだろうが、努力と意識も桁が違うのだろう。


「凄いね。たった一月で型を身に付けると思わなかったよ。」

「いえ、ソーイチ様の御指導のお陰です。」

謙虚な姿勢もビビらしい。褒められて嬉しいのは尻尾でわかる。

「少し乱取りをしようか。」

「は、はい!ありがとうございます。」


ビビは呼吸を整え、構える。ん、隙がない。格段の進歩だ。ゆっくりと間合いを詰め、瞬間に懐に入り込む。俺の捌きに流の動きで対する。円がしっかりしているようだ。剛の動きも対処している。球の形が崩れない。体幹もしっかり鍛えられたようだ。重心に安定力がある。ビビの体捌きは、内側に入り込むのが多い。癖か?いや、本能かもしれない。相手に向い合う勇気も兼ね備えている。


やはり、乱取りは相手の実力が肌でわかる。これなら、二の型を教えても良いだろう。


乱取りを止めようと、下から上へ手を描く。だが、ビビは気がついていない。そのままビビの、


ふにょん・・・


手がビビのおっぱいを捕らえる。


ポニョポニョ・・・


あぁ、たまらない、この幸せの感触。


「あ、あの、ソーイチ様?」


ポニョポニョ、フニフニ。


ビビが困っている。そのまま成すがままに胸を揉まれる。・・・うん、どうしよう。


「今日は終わりにして、お風呂に行こうか?沸かしてあるよ。」

「はい、ありがとうございます。」

顔が真っ赤のビビは軽く頷く。そのままビビをお姫様抱っこして、小屋に向かう。

「ソーイチ様、あの、その?」

「良いから。」


中ではテラスが待っていた。

「ソーイチはHさんだよね。」

おっぱいもみもみの事か?

「おはよう。テラスとビビにだけだよ。」

「すみません、テラス様。今降りますね。」

「何で?このままお風呂に行こ。」

「よ、よろしいのですか?」

顔が真っ赤のビビ。笑顔のテラス。

「ビビが嬉しいと、私も嬉しいから良いの!」


テラスの言葉に、身体中を真っ赤にするビビ。顔を手で隠してしまった。


テラスには敵わない。


そのまま風呂場に行き、汗を流す。石鹸が大活躍だ。だって、手で洗うんだぜ!


テラスとビビの身体を優しく洗い、俺は二人に洗ってもらった。


そりゃ欲情しますよ。二人の素敵な無敵を撫で回したんだから。でもね、我慢しました。朝御飯の時間になるからね。


風呂を上がり、服を着る。ビビのは、巻き布になってしまったが、サリー風に巻いたので問題ないだろう。服は洗濯したよ。渇き待ちです。





「リア充爆発しろ!」

「しません!」

リビングでは、マリアが朝御飯の準備をしていた。風呂上がりを察したのだろう。ジト目で話しかけてきた。

アーノさんもにやけている。

「さっきまでお楽しみだったかい?」

「おばあちゃん!!」

何故、マリアが恥ずかしがる。顔が真っ赤になっている。


「もぅ、出来たから手伝って!」

「うん!わかった。」

「はい。」


テラスとビビが準備を手伝う。

賑やかな朝食だ。マリアも復活したみたいだし、安心した。





ギルドのマスタールームにいる。今後の計画と報酬が目的だ。

「まず報酬だけど、金貨1枚分渡すよ。」

金袋には銀貨100枚程入っている。

「取り敢えずの報酬だよ。グラスが売れたら、また追加するから安心しな。」

いや、充分ですが。

「マリアは硝子を仕入れておくれ。上質のを頼むよ。」

「任せて!」

「あんたには、ワイングラスをもう5セット、ロックグラスは10個程作ってもらうがいいかい?」

「わかりました。期限は?」

「ん、早いけど1週間でお願いするよ。」

楽勝だな。2日で終わる。

「よろしく頼むよ!」


外に出て、マリアは仕入れに出掛ける。

「じゃあ、行ってくるわね。」

「なあマリア、テラスとビビを連れていってくれないか?」

「えっ?どうして?」

「いや、力仕事だろ?ビビに手伝ってもらおうと思ってな。」

「大丈夫よ!一人で出来るわ!」

何故だろう、違和感を感じる。

「まぁ、そう言わずに。二人に職場体験させると思ってさ。」

俺は頼み込む。

「テラス、ビビ、お願いしても良いかい?」

「うん!行きたい。」

「はい、わかりました。」

二人は了承してくれた。

「な、頼むよ。」

「うん、わかったわ。3人で行きましょう。」

「やった!ありがとうねマリア。」

「よろしくお願いします。」

型を透かすマリア。ビビに荷車を渡し、マリアにお願いした。


さて、俺は

再びギルドのマスタールームへ。


「どうしたんだい?忘れ物でもしたのかい?」

「いえ、聞きたい事がありまして。」

真剣にアーノさんを見つめる。

「私を口説いてくれるのかい?」

にやけるアーノさん。

「それも素敵な提案ですね。」

目は逸らさない。


素顔になるアーノさん。

「で、何を聴きたいんだい?」

「はい、この計画の真意です。」

正直、腑に落ちない。中央区の貴族との溝を小さくするのに意味があるのだろうか?いや、あるにはあるが、それが本筋と思えなかった。衣食住はしっかりしている。物流も溢れる位にあり、生活には困らないだろう。さらに中央区、いや、貴族の意識を向けさせる動機が知りたかった。


「説明しただろ?」

「いえ、アーノさんの真意が聞きたいのです。」


沈黙


「何故、そう思った?」

「まず、流通の質からです。市民区に流れる物の質が低いのが気になりました。また、職人の技術力もそうです。高い技術をもった職人を見かけません。私は露天市しか見ていませんが、一つくらいは技術の高い仕事はあるはずです。基礎の仕事を誤魔化す為に、彩飾や装飾の技術が上がったのではないのですか?」

「確かに、良い仕事は少ないね。」

「歴史があり戦争があっても、蹂躙されない限り文化は廃れない物です。なにかしら技術は残るものではないでしょうか?」

「それで?」

「ガラスを売る商人がいました。駄物でした。仕事が駄物なら、硝子職人に卸して再利用すればいいのです。ですがそれをしないのは何故か?私は、硝子職人がいない、いや、職人とのパイプがないと思ったのです。」

無言のアーノさん。

「おかしくないですか?物はあるのにパイプがない。質が悪いが彩飾や装飾が高い。矛盾してると思うんですよ。そして、その答えが中央区にあるのかと思うのです。」

兵士の言葉を思い出す。

〈中央区には貴族様か上級市民しか入れないよ。〉

初めは差別化だと思っていた。けど、市民の生活から少しの違和感を感じた。何故差別化した?

アーノさんの言葉。

〈市民が中央区に入るのが煩わしい。〉

おかしいだろ。入れないのではないのか?


溜め息をだすアーノさん。


「憶測もそこまでいけば立派さね。」

「そうですね。確証など何もありません。私はこの市にきて、2、3日しかいませんし。風潮などはわかりませんからね。」

「話さなかったらどうすんだい?」

険しい表情になる。場が緊迫する。

「いえ、これは俺が気になっただけの事です。話さなくとも仕事はしっかりやりますよ。この地区の商人には優しくしていただきました。これは間違いなくアーノさんやギルドの教育の力で、間接的にアーノさんにはお世話になったのです。しっかり恩は返したいですね。マリアにも世話になりましたし。」

「なるほどね。」

緊迫感はほどけた。大した事はない。只、気になっただけだからだ。


「いいよ、話してやる。長くなるよ。」


思いがけない言葉だった。アーノさんの表情は堅い。これは覚悟が必要だろう。


アーノさんがお茶を煎れる。俺も椅子に座る。


いつもよりも険しい表情のアーノさんの言葉を待つ事にした。




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