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挙止進進に異世界旅譚  作者: すみつぼ
33/150

3-15 北区商工ギルド その3

風呂上がりのマリアは少し元気がなかった。疑問に思ったが、テラスやビビにあてられたか?

「ショックなだけよ。」

「ドンマイ。」

「ムカッつく!」


怒ってしまったが、元気がないよりマシだ。のしのし歩きながら、ギルドに戻る。マリアとアーノさんはギルドで寝泊まりしているとか。まぁ、アーノさんは客間で寝ているし、朝に迎えに来るだろう。


そして、これだ。

マリアが帰った後は、そのまま就寝にした。ベットはとても快適で、テラスもビビもすぐに寝てしまった。まぁ、俺もだけど。

目覚ましは、マリアの挨拶だった。

「おはよー!入るわよ。」

寝室のドアを開ける。

寝ぼけながら上体を起こす。酒の残りか?目覚めが遅い。

「おはよ・・・。」

欠伸をし、背伸びする。マリアは固まっているが、何故だ?

「ごめん!下で待ってるわ!」

真っ赤になったマリアは急いでドアを閉める。何だというのだろう。


テラスとビビの裸を見て勘違いをしたのだろう。ビビがまだ寝ているのも珍しいが、裸なのも珍しい。二人にキスをして起こす。

「おはよう。」

「おはよ~。」

「おはよう、ございます。」


服を着た後は、専用の櫛で髪を透き、綺麗に仕上げる。うん、二人とも綺麗だ。

一階に降りると、マリアが朝ご飯の準備をしていた。

「おはよう。」

「うん・・・、おはよう。」

顔真っ赤!そんなにか?

「凄い恥ずかしいわ!」

だが、料理の手は休めない。

「その内慣れるさ。」

「いつも一緒に寝てるの?裸で?」

「風呂も一緒だぞ。」

「信じらんない!」

やはり、料理の手は休めない。

「家族だし、夫婦でもあるし、別におかしくないだろ?」

「そうだけど!そうだけど!」

料理が完成したので運び出す。俺やテラスとビビも手伝う。アーノさんを起こし、朝ごはんをいただぐ。では、

「「「いただきます。」」」

「いただくよ。」

「はいどうぞ。いただきます。」


パンとシチュー。ビビにはステーキとシチューだった。3人前はあるが、まだ足りないか?ビビもゆっくりと味わって食べている。足りないな。


「今日はどうするんだい?」

アーノさんが今日の予定を聞いてくる。

「今日は作成物を決めて、材料集めをするわ。」

マリアは方針を決めていた。それで良いよと頷き、テラスやビビにも確認する。

「うん。」

「はい、わかりました。」


「ギルドの仕事はちゃんとやるから、マリア達はマリア達の仕事をちゃんとやりな。」

「ありがとう、おばあちゃん。頑張るね。」

「任せたよ!」

俺の背中を強く叩くアーノさん。痛くはないが、期待が強い。

「はい、頑張ります。」

気合いを入れよう。





工房に集合する。

作戦会議の概要。

1、中央区からの顧客を作る。

2、4つの市民区と中央区の溝を小さくする。

が、メインとなる。


その為に必要な物

1、価値のある商品。

が説明された。


よくよく考えたが、それだけでは弱いと思う。


「価値のある商品に興味を持たせる、は解る。だが、どんな価値を着けるんだ?」

要はそこだ。価値にも様々ある。金銭的価値、稀少価値、歴史的価値等、考えても沢山ある。

「私はね、稀少価値に製作者価値にしようと思う。」

マリアの意見だ。

「ソーイチさんの仕事を価値化する。質が高く、数は少ない。貴族に流行らせ、探させるように仕向けるの。」

「ほう?」

「所詮、貴族なんて自慢話がしたいだけたからね。そこにつけこもうと思うのよ。」

「上手くいくか?」

「だから、協力しあうのでしょ。」


考えればきりがないな。1つずつ決めていくか。


「ソーイチさんは何が作れるの?そこから決めていきましょう。」

「木工加工、金属加工、皮加工、布加工、だな。道具と材料さえあれば何でもいけるが?」

「それ、凄くない?力のせい?」

「いや、前世界からだが。」

「そう、凄いわね。」

師匠や上司、友人どものお陰だ。出来は兄職人には負けるが、確りと知識はある。手で代替の物は作れるようになった。

「今までの最高級の仕事はある?見せてもらいたいけど?」

「構わないよ。」

無限保管から、俺の黒石ナイフ、テラスとビビ専用の櫛、黒糖も出したれ。ナイフと櫛は丹精込めた仕事だ。まだまだ本気ではないが、現段階での傑作ではある。黒糖は、価値を知りたいからだ。


ナイフの評価

「こんな密度の濃い、黒磁石を見るの初めてだわ。見た目はアレだけど、なにこれ、凄い。」

「そうなのか?」

まぁ、自信あるからな。値も気になるが。

「ん~、金貨1枚を最低にして、オークションしたら、10枚は越えるわね。」

いきなり金貨10枚か。


櫛の評価

「あのさ、この石、まさか・・・。」

「金剛石。」

顎はずしてるマリア。なんかいちいちリアクションしてくれるから、楽しくなる。

「櫛の仕事は銀貨10枚でも安いけど、櫛だからそこまで高くは出来ないわ。だけど、金剛石だけで金貨10枚以上、下手したら100枚にはなるわ。」


あらあら、やっぱり金剛石はヤバイ代物だったな。


「これって売り物?」

「いや、これはテラスとビビ専用。マリア以外は誰にも見せてないよ。」

「そうね、その方がいいわ。」


なんかマリアの顔色が蒼白になっているのは気のせいか?真っ赤ならわかるけど。

答えは黒糖だった。


「サトウキビ、見つけたの?」

「類似物だな。サトウエダと仮名をつけた。クコ村で栽培してるよ。」

「どういう事かわかってる?」

なんか怒ってない?

「凄い物だとは解る。貴族の力を借りて、村の存続させる為の武器だよ。」

言いたい事があるようだが、脱力したように肩を落とす。

「あんたがチート野郎なのがよくわかったわ。」

ですよね。俺もそう思う。

何かビビが怒っているみたいなので、頭を撫でて宥める。

「ソーイチ様をあんた呼ばわりするなんて。」

「あれは親友の証しみたいなものだから、怒らなくて良いよ。」

「ですが・・・。」

ナデナデ、ナデナデ。

「はい、わかりました。」

機嫌が戻ったようだ。尻尾でわかる。

「私には?」

テラスも要求してきた。

「もちろん。」

ナデナデ、ナデナデ。

「エヘヘ。」


「ちょっと、イチャイチャは他所でやってくれない?」

マリアは不貞腐れていた。

「ん、マリアにもしようか?」

「止めてよね!話の続きをするわよ!」

テーブルをバンバン叩きながら、再開を促す。


黒糖流通は後で話をしよう。まぁ、黒糖でもいけそうな気はするが、永続価値にはならないだろうな。流通させるし。


「で、何を作る?」

「貴族にうけるもの。豪華な物ね。」

「装飾品?」

「それも1つ。雑貨でも櫛はありよ。女性に人気が出れば、男が動くもの。」


わかってらっしゃる。


「見栄を張れるもの。剣とか?」

「それは駄目。武器はおばあちゃんが許可しない。」


戦争経験者だからだろう。武器に恐怖感があるかもしれない。


「やるのは北区だけか?」

「いえ、他も連携してやるわよ。だから種類と数が必要なの。」

「地区毎に違う特色とかはあるのか?」

「多少はね。でも、売り物は大差ないからそこは考えなくてもいいわ。」


ふむ、一応見てみたいな。


「取り敢えず、櫛は決定か?デザインは委せるが、彩飾はどうする?」

「何かアイデアある?」

「漆あるか?」

「ないわね。他の樹液はあるけど。」


ないか。漆塗りならシックで良いと思ったけど。


「装飾品はイヤリング?ネックレス?」

「材料の仕入れ次第にしましょう。良い宝石が欲しいわ。」

「金剛石は?」

「あるの?」

「いや、創る。」

「ゴメン、もう一回言って。」

「チートで創ろうか?」


沈黙


「量産してないわよね?」

「してない、大丈夫。」


そんなに睨まないで下さい。


「1個だけ作りましょう。なるべく派手にするわ。大きさは任せるけど、常識的な大きさにしてよね。」

「わかった。」


計画を煮詰め、行動する。

まずは櫛からだ。デザインの為1日待つ事になったので、後は自由時間になった。あと、マリアから前金なのか、金袋を貰う。中身は銀貨30枚程入っていそうだ?


「前金よ。もしかしたら必要になるかもしれないでしょ?」

「賄賂?」

「ちーがーいーまーすー!」

「ありがたくいただきます。」

「もぅ!」


資金も手に入れたし、少し散策するか。


「散歩しようか?」

「うん!行く。」

「はい、わかりました。」


マリアはギルドへ、俺達は散策に出掛けた。



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