第25話 【勝負の行方】
闘技場にて、再びデュエルが始まろうとしていた。緊迫した雰囲気。俺は、雷剣をもう1度ギュッと握りしめる。まるで、本能が危険を察知しているかのように...。
「さぁ、カナタ殿、かかって来てくるといい。」
王子はというと、余裕の表情で挑発をかけているようだった。
心に決め、歯をくいしばり、思いきり王子に、斬りかかった。
「雷剣絶断ォォォォッ!!」
「闇刃魔吸。」
王子は闇の斬撃を繰り出した。その闇の斬撃は動くことなく、ただ空中に浮かんでいた。俺はそれごと斬るつもりで王子に斬りかかった。
闇の斬撃に雷剣が触れた瞬間、雷剣に纏っていた光属性の光は消えた。俺は踏みとどまり、一旦後ろに下がった。
「な、なんで...。」
闇の斬撃は少し大きくなっていて、5秒ほど経つと、斬撃はただの闇のエネルギー玉のようになり、闇剣に纏わりついた。
「この技は、ある一定の大きさの相手の魔法攻撃を吸収し、エネルギーに変え、闇剣に闇属性の力を纏わせる技だ。」
「へぇ~、なるほど。」
その時、闘技場の入り口から、足音が聞こえてきた。
「ツルギ王子ぃ〜、ツルギ王子はおらんか~」
70歳程の執事の衣装を着たお爺さんが慌てた様子でこちらへ走ってきた。
「爺や!どうしてここに?」
「ゼェ...ゼェ...、やっぱり歳を取ると走ることすらキツイのぅ。そ、そんなことより、大変なんじゃ。」
「何か、問題でも起きたというのか。」
「それがじゃな。城の地下にある扉が光っておるんじゃ。」
「扉......?扉ってまさか、風扉のことか?」
「カナタ殿...、まさか知っているのか?あの扉の正体を!?」
王子は驚いた表情でこちらを見ていた。また、観客席にいた2人もこちらに来ていた。
「カナタ、何かあったの?」
「なんでデュエル途中で放棄してんだ?」
「それはだな...」
俺は、王子から少し離れ、2人にしか聞こえない位の声で
「実は城に風扉があるかも知れないんだ。俺の予想からすると、位置関係上多分10番目のな。」
「え?!、本当に?」
「これで私も風扉攻略に参加できるのかぁ〜」
「ま、まだ決まった訳じゃないけどな...。」
俺は振り返り、王子の元へ戻り、お爺さんに質問をすることにした。
「お爺さん、1つ言ってもいいか?」
「お爺さんじゃなぁい!!まぁそれはともかく、何じゃ?」
「その扉を俺達に調べさせてくれませんか?」
「ダメに決まっとるじゃろ!これは遥か昔、王国に災害を起こしたと言われる凶悪なモンスター【キメラ】を封印している扉じゃからな。」
キメラ...と言えば、ギリシア神話に伝わるライオンとか、山羊とかを混合した化け物だったな。てか、この世界に封印魔法ってあったんだな。
「待て、爺や。カナタ殿、エミリン殿、ツバキ殿なら、やってくれるかも知れん。カナタ殿、デュエルは一旦お預けだ。是非、【キメラ】を倒してはくれぬか?」
「あぁ、勿論だ。...というより是非やらせてくれ。」
「それじゃぁ、封印されている扉に招待しよう。」
「ありがとうござってなんだ!?」
感謝の言葉を言おうとしたら、壮大な音楽が流れていた。そして、闘技場の中心で、コマンドで大きく
WIN kanata
と書かれていた。
「「あっ.........」」
俺とツルギ王子は、気が緩んでしまい、片手に持っていた剣を落としてしまい、それをエミリンとツバキは笑っていた。
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