番外ストーリー ~その7~ エピローグ
(リムルside)
悪魔のうっかりがもたらした騒動はどうにか終結した。
獣王国の方もシアン達が手助けして人的被害もなく終わったようだ。
ただ周囲の被害は相当だったようでカリオンにしっかり賠償を請求されたがな。
その程度ならいい。
シアンとルミネ、ランガは獣王国の復興をある程度手伝ってから戻るらしい。
後から今回のことを知ったミリムが自分がいない所でそんな楽しそうなことをしてズルいとか文句を言っていた。
まあ取り返しのつかない被害が出ることなく終わってよかった。
『いや~、何事もなく終わってよかったな』
呑気な態度で悪魔が言う。お前が言うな。
次元の穴とやらの修復は終わったらしく、もう心配はいらないそうだ。
『しかし邪神の眷属を犠牲者を出すことなく倒すなんてスゲーじゃねーか。なんなら残りの2体も解放して倒しちまうか? そうすりゃ邪神一族は完全根絶やし、めでたしめでたしだぜ』
「ふざけんな、やめろ」
これ以上の厄介事はゴメンだ。
なんであんなのと進んで戦わなくちゃならないんだよ。
「で、今回の件の責任をお前はどう取るつもりだ?」
まさかこのまま笑って済まそうなんて思ってないよな?
『いや、最初に言ったがわざとじゃねえんだぜ?』
「わざとじゃなければ何しても許されるなんてのはおかしな話だと思わないか?」
『············おっしゃる通りで』
どうやらコイツ、自分が悪かったとは思っているみたいだな。
ふざけた奴だが話はわかるんだよな。
『わかった、わかりました。後日詫びの品を用意するからそれで勘弁してくれ。それと二度とこんな失敗はしないと誓う。なんなら契約として誓ってもいいぜ』
まあ反省はしているみたいだな。
落とし所はそんなものか。
契約として誓うというならまあ信用してもいいだろう。
ちなみに後日、悪魔の詫びの品のせいでまた一騒動起きるのだがそれは別の話だ。
ランガもシアンとルミネのことをほんの少しは認めていたみたいだし悪いことばかりでもなかったか。
「一応聞きたいんだが、お前うっかり封印を解いたって言ってたが邪神の眷属の封印はそんな簡単に解けるものだったのか?」
『ん? 解けちまったんだからそうなんじゃねえか?』
そうは思えないんだが······
コイツの様子を見る限り故意に封印を解いたわけでもなさそうなんだよな。
やはりコイツが規格外ってことか?
コイツ本当に何者なんだ?
少なくとも絶対に下級悪魔じゃねえだろ。
その後もこの悪魔がこの世界から去るまでの間に様々な問題を起こし俺の頭を悩ませてくれた。
コイツ自身に悪意も悪気もないのが逆にタチが悪い。
ひとまずこれにてこの作品の連載を終了させていただきます。
この作品を純粋に楽しんでいただけた方はご愛読ありがとうございました。
まだ書きたいエピソードもあるのでたまに投稿するかもしれませんが······