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第九十一話 酔狂

「だいたいねー、なおくんはー、もっと身だしなみに気を使うべきだと思うんだー」

 今度は説教上戸か。決めた。俺、将来酒はほどほどにしか飲まないようにしよう。こんな迷惑な人種になる辛さを思えば、酒を飲むことで得られる楽しさなんて微々たるものだ。

「旦那ー。あそこまで壊れる人なんてそうはいないから。そこまで神経質にならなくてもいいから」

 うるさい。お前ら変人が酒飲んでああなるなら納得はいくが、常識人だと思っていたタツミがあそこまで壊れるんだ。酒は麻薬の一種だ。俺は今日からそう認識する。

「聞いてるのー!?そんなんだからねー」

「はいはい聞いとるって。つまりは普段から身だしなみに気を使えばいいわけだな?」

 酔っ払いの言うことに賛同しておけば、この場は丸く収まるだろう。もちろん口だけで、俺はそんなことをする気は毛頭ない。時間がもったいないし、そもそもくせ毛だからいくら押さえつけても整う気配が微塵も見られないからだ。別にいいじゃん、人は見た目だけじゃないんだし。

「三井ー、一時期〈人は見た目が九割〉って本がはやったよねー」

 そんなもの、見た目が勝ち組な人たちの自慢だろ。大体、俺の服装はきちんとしてるから問題ない。普段着はユニクロで十分だ。

「なおくん!そこ!」

 どこだ。

「普段着も含めて、身だしなみに気をつけるべきだと、私は言いたいの!」

 そんな熱弁をふるわなくても。冷静になれよ。……酔っ払いに言っても無駄か。

「普段着から格好よくしておけば、なおくんは間違いなくもてるから!」

 俺の人生で、そんなことを言われる日が来るとは思わなかったな。酔っ払いの言葉だし、信憑性は薄いが。

「はいはい、じゃあこれからは注意して、できる限りもてるように努力いたしますよ」

「それは駄目!」

 ……一体俺に何を求めとるんだ。

「格好いいのは私の前だけでいいから!他の女の子に媚を売る必要はないから!」

 媚?身だしなみを整えるのと媚を売るのと、どう関係が?

「わかったら返事!」

「……はい」

「声が小さい!」

「はい」

 ……これからタツミと会うときには、身だしなみを整えんといかんのか。……学校行くのにわざわざ髪とか整えるのは……面倒だなあ。

「よくできましたー」

「うわ!?」

 返事をした後、タツミに抱きしめられてしまった。羞恥プレイもさることながら、タツミの体が当たる感触が何とも恥ずかしい。

「おおー、熱いねえー」

「もうくっついちゃえよ」

「え?あの二人付き合ってるんじゃないの?」

 付き合ってないよ!捏造すんな!

「にへへー」

 それでもタツミは、何だかわからんが幸せそうだった。

名古屋に行ってくるんで毎日更新がたぶん止まります。夏休みだし……いいですよね?アクセス数も増えませんし。


……多少愚痴が混じってしまい、申し訳ないです。

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