第九十話 拷問
「ねえねえなおくんー、面白いダジャレ思いついたよー。くっ……ぷぷぷ……<マッカーサー元帥がキスされて、真っ赤ーさー>……うぷぷう」
…………。
「ぷぷ……また思いついた……〈ポカリで殴られた。ポカリ〉。うふふふふ」
…………。
「聞いて聞いて、〈なおくんと、腕をなお、組んでる〉……ぷぷ……ぷぷぷぷぷ……」
……誰か……助けてください……。
前に幼なじみ四人で飲みに行った時にも思ったのだが、タツミは酒に弱すぎだろ……。前の時は一気に飲んで、すぐに酔い潰れて寝たからよかったものの、今日は違うらしい。誰がここまで飲ませたのかは知らないが、壊すなら最後まで責任は取ってください。心からのお願いです。
「ふーんふんふんふーんふーん」
この酔っぱらいは気分上々(鼻歌で学園天国を歌ってる)だし、俺を開放する気はさらさらないらしい。打ち上げとは楽しむためのものだと思っていたが、どうやら違うらしい。こんな状況で楽しめる人がいたら、ぜひ見てみたいものだ。てか代わってくれ。
「んー?なおくん楽しんでるー?」
「……こんなんで楽しめてるなら、俺の人生はもっとバラ色だっただろうな」
残念ながら、俺は義人たち(頭の中がお花畑でいっぱいの方々)とは違う。いい意味でも悪い意味でも。
「私と一緒だと楽しくないんだ……」
さっきまでケタケタと笑ってたかと思えば、今度は急にローテンションになってしまった。……周りからの視線も痛いのだが、俺が一体何をしたというんだ。悪いことなんてしてないし、事実を言っただけなのに。……俺、悪くないよな?非難されるべきじゃないよな?
「……そんなことないぞ?」
少なくとも普段は。
「……そんなこと言って……嘘なんでしょ?なおくんなんて嫌い……」
あー!どうしてこう酔っぱらいは感情の起伏が激しいかな!鬱になったらとことんまで鬱になって人の言葉を素直に受取ろうともしないし!面倒くさいなあ、もう!
「ひそひそ……」
「ひそひそ……」
「周り!聞き耳を立ててるんじゃねえ!なに「こいつ最低だな」みたいに軽蔑してんだよ!?」
「こいつ最低だな……」
「三井君、最低……人の風上にもおけない……」
「死ねばいいのに……」
「だからと言って声にだして言わないでくれよ!へこむから!あと最後!明らかに言いすぎじゃ!終いにゃ俺も泣くぞ!?」
俺が悪い、そういう雰囲気が充満していく部屋は、俺にとってさらに居心地の悪いものへと変貌を遂げていくのだった……。
メッセージにて、北高の場所を問われました。せっかくなので答えると、愛知県東三河の高校です。モデルの高校(てか作者の母校)がそこなので。田舎も田舎ですよー。




