第五十一話 ハイ
「では皆の衆!カウントダウンを始める!」
「「「イエ―――イ!!!」」」
文化祭当日。北高の全生徒は体育館に集まり、生徒会主催のオープニング企画に参加していた。この学校の生徒はテンションがおかしすぎると思うのだがどうだろう。
「俺の後に続いて叫べ!五!」
「「「五!!!」」」
「四!」
「「「四!!!」」」
「スリー!」
なぜ急に英語!?
「「「トゥリー!!!」」」
そしてなぜ対応できる!?未来予知でもできるのかこいつら!?
「二一ゼロ!文化祭開幕じゃコノヤロー!!!」
「「「イエ―――イ!!!」」」
生徒会長のやつ端折りよった!そしてそれに動ぜず盛り上がってる!?相も変わらずスペックが高いなあおい!
「オープニング企画その一!ライブ演奏イン体育館!」
かっこ悪!イン体育館て!
「最初の演奏者は……サッティーアンドケンゾーのお二人だあ―――!!」
いきなり大御所だと!?冒険しすぎだろ!?何やってるの健三さん!?
「「ドナドナドーナードーナー、仔○をのーせーてー」」
テンション下がる歌を初っ端から歌わないでください!
「盛り上がってまいりましたあ!!」
どこに盛り上がる要素が!?
「「「おおーーーっ!!」」」
熱狂してる!?所々から「健三さん声が渋いぜ!」(無茶苦茶いい声だった)「サッティー宿題減らせ!」「カツラは潔くないぞ!」などの声が響いてるし。ああ、このテンションでつい言っちゃったのはわかるが、間違いなく顔を覚えられたな。サッティー、カツラの一言で珍しい笑顔が消えたぞ。南無阿弥陀仏、玉野。
「次の団体はビジュアル系バンド、Censusのメンバーだ!」
おお、意味はわからんが格好いい名前だな。
「曲目は、<アンパンマンのマーチ>!」
ビジュアル系台無し!!バンドの意味ねえ!
「〜♪」
いい声といい編曲だ!才能の無駄遣いをするな!
この後も続々と企画が進められていった。放送部(全国大会入賞の常連)製作のミニドラマや吹奏楽部の演奏、漫才などバラエティに富んだ内容で、会場(体育館)はヒートアップ。なんだかんだで文化祭の出だしはこれ以上とないものになった。
「オープニング企画はこれで終了とする!各自クラス企画の準備に取り掛かりたまえ!」
「「「おおーーーっ!!!」」」
「これにて解散!」
さて、俺の活動はここからだ。出だしがよかっただけに言い訳はできない。見事に花を咲かせてやろう!
「ラフレシア?」
「そんなくっさい花咲かせたくねえよ!」