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きみとあなただけの教室  作者: ぐれこりん。
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第40話 レジスタンス

法助

「…覚悟は出来ています。必ずやり遂げて見せなければいけないので」


安栖里

「わかった。差し当って君に頼みたいことがあるんだが」


法助

「はい」


安栖里

「実は雲母ちゃんの先輩で森永天使って子がいるんだけどね。その子と協力して準備に望んでほしいんだ」


法助

「森永天使さんですか…。森永?」


法助は文化部でのやり取りを思い出す。天響が従姉妹がいると言っていた気がする。もしかしてその子なのだろうか。


安栖里

「そう、森永天使。ちょっとポンコツというか癖が強いんだけどね。ただ行動力には目を見張るものがあって、あの子以上の行動派は見たことがないよ」


法助

「うーん。僕、あんまり活発は方じゃないので、もしかしたらあまり馴染めないかもしれませんよ?」


安栖里

「そうも言ってられないじゃないか。何とか仲良くやってくれよ。それに彼女は強力な助っ人には違いないし」


法助

「強力な助っ人…。頭がいいとか?」


安栖里

「ま、会って話せば分かるよ」


すると映像研究部の部室のドアが開いた。


天使

「安栖里! いるかしら」


法助はすごすごと道を開ける。


安栖里

「おお、戻ったね。どうだった?」


天使

「ダメよ。成果なし。1人だとどうも上手くいかないのよね」


安栖里

「実は有志が1人生徒会長被害者の会に入ったんだ。こちら水鳥法助君だよ」


法助

「あ、はじめまして。水鳥法助です」


天使

「ん〜?」


法助をまじまじと見る。


天使

「コイツボロボロじゃない。それになんか頼りなさそうだし」


法助

「…ふ」


あまりのふてぶてしさに鼻で笑ってしまう。いきなり気持ちよく切り飛ばされたような、かなり辛口な印象だ。


安栖里

「琥珀に一方的にボコられたんだよ」


天使

「…アイツが手を上げたの?」


天使の表情が険しくなっていけば強い怒気を感じる。琥珀に対して何かしらの因縁があるようにも感じられた。


安栖里

「そうなんだ。この子は雲母ちゃんと恋仲だったらしいんだよ。待ち伏せして、法助君に接触した瞬間いきなり暴力に及んだらしい」


天使

「あんた、雲母の彼氏だったわけ? あの子から一切話を聞いてなかったけど、それホントなの?」


法助

「…ええ、まぁ。付き合ったのはつい最近だったんですけどね」


つい最近部活に来る事を母親に止められた雲母。ならば知らなくても仕方がないのかもしれないと天使は納得する。


天使

「…うーん、男の話を聞いてたような聞いてなかったような、まぁ別に構いはしないわよ。それでコイツが協力者って訳ね」


安栖里

「そうそう。どうか仲良くやってくれよ」


天使

「あんた、私が暴漢に襲われたら助けられるの?」


法助

「え? 暴漢?」


天使

「雲母は襲われてる私を暴漢から守ったのよ。あんたにそれが出来るか聞いてるの」


法助

「雲母、強いんですね…。僕がその暴漢と戦って勝てるかは分かりませんが、必要ならば森永さんを暴漢から助けられるよう努力します」


天使

「あんたねぇ、言い切りなさいよ。守るって、ハッキリ言いなさい?」


法助

「はぁ…。僕、一応怪我人なんで、ちょっと自信ないですね…。肋折れちゃってますし」


安栖里

「法助くん、気にしなくていいよ。暴漢に襲われるような事は普通ないんだから」


天使

「あるわよ! あるのよ! 私と一緒にいたら! だからその覚悟をして臨なさいっつってんの!」


法助

「そ、そうなんですか…? まさかストーカー被害に合ってるとか?」


天使

「私昔っから運が悪いの。ちょー運が悪いから起こる事全て最悪の事態を想定して動きなさいね。わかった?」


法助は安栖里に小声で呟く。


法助

「…安栖里さん、この人大丈夫ですか…?」


安栖里

「大丈夫大丈夫。天使ちゃんも雲母ちゃんがああなっちゃって心穏やかじゃないんだ。だから安心させてあげな。僕といれば何も問題ないって、さ」


法助

「…なんか投げやりな気が」


天使

「何ブツブツ話耽ってんのよ」


法助

「あ、お待たせしました。僕に任せてください。僕といれば何も問題ありませんので」


少し棒読みに返事をする。


天使

「…嫌に素直ね。いいわ。その言葉、信じるわよ?」


法助と天使は2人で行動することになった。


安栖里

「ウチは3学年に3つのクラス。君のクラスは2年2組だね」


法助

「ええ。雲母も同じクラスです」


安栖里

「生徒会長は3年1組、私と天使ちゃんは3年3組。クラスが違うんだよね」


法助

「ふむ。生徒会長は1組、2人は3組ですか」


安栖里

「それで今回の目的は生徒会長の傀儡、パイプを炙り出すってものなんだけどね。各学年、各クラスに何か有力な情報がないか探ってるところなんだ」


法助

「聞き込みなんて出来ませんもんね。わざわざ探っているってのがバレるようでは不味いですもん」


天使

「傀儡が何故協力的なのか一切不明なのよ。前の年に雲母と同じクラスで転校した元傀儡の1人に接触しても口を閉ざすばかりだったわ」


4人に対する罪悪感により転校した1人の事か。転校した先でも、傀儡であった理由を話したがらないほどの強制力があることがわかった。


法助

「…なんか、残酷ですよね。それって自主的じゃなくて無理やり従わせてるって事ですから」


安栖里

「そうなんだよ。ハッキリ言っていい迷惑なんだ。私たちだって別に悪い事をしてるわけじゃないけど、密告者を操って情報を集めてアレコレ裏で工作されてると思ったら気分がとても良くない。なぁんにもする気が無くなっちゃう」


法助

「安栖里さんはなにか嫌なことをされたんですか?」


安栖里

「実は天使ちゃんと雲母ちゃんのFチューバーアカウントを停止させられた上に、生徒総会で予算を削るように言い付けられたんだ」


法助

「あ、停止させられちゃったんですか」


安栖里

「そうなんだよ。酷いよね。雲母ちゃんのアカウントの方は登録者2万人くらいに膨れ上がってたのに」


天使

「学校の物品を私物化してお金稼ぎをするのはダメだって訳の分からない理由をつけられたわ。ホント頭にくるわよね」


法助

「…2万人」


そのまま続けていたらどんどん増えていたであろう事を考えれば、見れなかったことがあまりにも悔やまれる。


法助

「ちなみに森永さんのアカウントの登録者数はどのくらいだったんですか?」


天使

「雲母の登録者数を聞いた後に私のを聞くんじゃないわよ!」


安栖里

「えっとね。1000人は行ってなかったと思うな」


天使

「あ! コラ! 言うんじゃないって!」


安栖里

「ちょっと飽きられるのが早かったのかもしれないね。ベタベタ過ぎたかな?」


天使

「これからバク伸びする予定だったのよ! 終わってからダメ出しするのは傷付くからやめて!」


法助

「うーん。何故バレたんですかね」


安栖里

「…それなんだよ。それが分からないんだ」


天使

「コメントに私の声を聞いた事があるってコメントがあったから、もしかしたらこの学校にリスナーが居たのかもしれないわね」


法助

「いや、それで特定されるとは考えにくいです。だって家で撮ってるかもしれないでしょ?」


天使

「なら撮ってる所を見られてたって訳? 撮影してた時は私と雲母と安栖里しかいなかったんだけど。まさか安栖里…」


安栖里

「…なわけないだろ。パソコン2台とられて映像研究部の予算が削られてるんだよ?」


天使

「でも違うって証明も出来ないわけよね。疑い始めたらアレもコレも怪しくなっちゃうわ」


法助

「それなら森永さんがFチューバーの撮影をして不利益を被る人を絞っていくのはどうですか?」


天使

「はぁ? そんなやつ果たしているかしら。私が何しようが勝手じゃない」


安栖里

「…天使ちゃん。日曜は普段何してるの?」


天使

「日曜? 最近は午前中は朝から部活行って自主練して、午後は雲母連れてどこか行ったりしてたわね」


法助

「弓道部での森永さんの人間関係って雲母だけですか? 他には誰かいません?」


天使

「いるっちゃいるけど、普段から遊ぼうってヤツは居ないわ」


法助は悩んだ。どうすれば炙り出すことができるのか。どうやっておびき寄せることが出来るのか。法助は琥珀との会話を思い出し、箱柳に膝枕をされている時のことを思い出す。


法助

「…森永さん、雲母と関わるなって…言ってきた人に心当たりはありませんか?」


天使

「…え? ちょっと待ってね」


天使は顔を眉をひそめて考える素振りを見せる。すると真顔で法助を見て呟いた。


天使

「…1人、心当たりがある」

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