13話
神童と呼ばれ、実際に最年少ながら学力は言うに及ばず、礼儀作法や教養にも通じ、更には国家で最も偉い王家とのコネクションもある。そう周囲から持て囃される私であるが、どうやら流石のあいつも出来ない事はあったと言われることもある。
というか、少年期において身体能力は1歳の差ですら大きいものなのだから、全員纏めて行う訓練というのは不利が過ぎないだろうか。前世で武術を習っていたとかそういった主人公的な要素は私には無い。ついでに言えば才能も無い。
走る速度、物を振るうための筋肉、身長やリーチ、あらゆるものが劣る以上優秀な成績など収めうるはずもない。解決策は無いことも無いが、自身の体を寿命を削って改造するなど正気の沙汰ではないだろう。適材適所こそ徹底するべきだ。
馬鹿みたいに走り回る王子様に対してそう反論するわけにもいかないので、人間誰しも欠点くらいと言ってやれば逆にバツの悪そうな顔をする。将来早合点をしたところで忠言をする人間は少ないと叱られた、と話していたのを思い出す。
そんな王子様はやはり英才教育というものの成果だろうか、あるいは貴種というものはそういうものなのか、勉学含めてすべての分野で秀でていた。天才、というまでは無いものの要領の良い秀才。理解力の高さは組織のトップに向いているだろう。
ただしどこか人の良い、悪く言えば騙されやすい嫌いがある。落ち込んだところでこれから成長すればいいだとか、そういう欠点を補佐する役目が云々と耳障りの良い言葉を語ってやればその通りだと信じ込む。正直扱いやす過ぎて逆に引く。
将来佞臣とかで苦労しそうな王子様は適当にあしらうとして、体力の不足は短期間で解決しがたい問題だ。正確には不足しているわけではなく、同い年の子供相手ならマウントをとってフルボッコにだって出来るだろう。することはまず無いが。
大体神官に何を求めているのだろうか。両手にベイヨネットを持って主の敵を絶滅させることだろうか。まあ教義の中では人に仇なす魔物を駆逐することを推奨しているが、絶滅させる勢いで修練を積む狂信者を産むほどではない。
精々怪我の治療さえ出来れば問題ないだろうに、まあレベルというものがある以上は仕方のない事とはいえ子供が鉄槌を振るう訓練をするのは正気を疑うものだ。




