24話
「手負いでも戦闘経験は戦闘経験ですよ。」
「それNPKというやつでは。他のおつきの方々どこに行ったのでしょう。」
「運営側が犯罪行為を進めないでください。処しますよ。」
「やれるものなら。」
「君らもう少し真面目に警戒してくれないかな。」
敵は見つからなかった。敵になりそうだった物は見つけた。つまり、一足遅かった。戦っていたのはプレイヤーでなくて住人。血だらけのアリーシャとリーシャ。近くに狼が息絶えているようだ。こっちは息はあるのか一見しただけではわからない。他の3人は見当たらず。思いのほか早い再開になった。どこかで息絶えていたら寝覚めが悪いのだが。僕らが来るのが遅いと思われるのも嫌だな。
とりあえず、雪華にビーカーの中へ雪をペってしてもらう。アルコールランプに火を点け、雪を水に変えながら後はチュートリアルの通り生産。幸い余りはある。ここで飲みかけを使うのはちょっと。余っている3人で周囲の警戒を頼む。鑑定スキルがないのでゲージが見えないが生きていることを信じて準備する。そうしないと気が持ちそうでない。最近のゲームはすごいな。
「ところでこれなんという狼なのですか?」
「狼ではありません。狼よりの犬です。名前はワードック。戦闘初心者がいきなり狼倒せるはずないでしょう。」
結に常識ですよ、とでも言いたげなアリス・パンドーラ。実際その通りだと思う。
世界観的に見るとスタート地点にしているのだからプレイヤーが戦闘に慣れるための丁度いいフィールドなのだろう。ゲーム的な要素、特にファンタジー世界に慣れているプレイヤーなら犬だろうが、狼だろうが、余り関係はないかもしれないが。中には物足りない人もいるかもしれない。ゲーム慣れしている人は特に。
序盤なんてそんなものか。初イベントの敵がネズミだし。
「ハスキー犬種と一緒のような感じですか。それにしては小柄な印象を受けますが、そこは序盤の町だからでしょうね。」
なにやら納得した様子の結。そんな結を手招きし水を掬うように指を組ませると雪華にまた雪をペってしてもらって貰う。
「傷口を洗えということですか。」
理解が早くて助かる。
「傷口に直接かけるにしろ、口に流し込むにしろ、綺麗にしておくのに越したことはないからね。あと、止血にもなりそう。」
「止まるかどうかは知りません。うまくすれば低体温からの仮死状態にはできるかもしれませんが。」
「つまり、雪に埋めて運べと。」
医療知識ないがそれは大丈夫なのか? わからん。運ぶ途中で心臓が止まる? 電気ショック道具なんて、雷系いたな。
「最悪埋めるのもありか。最終手段だけど。」
「子供の方からしますね。雪華さんかります。」
雪華を1モフして結に渡す。アリーシャの手首と二の腕付近、太ももと足首付近を雪で固めるように覆う雪華をよそにリーシャの方に向かう。体力的には子供からと判断したのだろう。アリーシャの方が血が出ている気がするが大丈夫かな?
結は短剣で血がにじんでいる箇所の布を剥ぎ、傷口の周りから雪をかける。2、3回繰り返し次の場所に。綺麗になったところに雪でビーカーの淵ギリギリまで埋め急激に冷やした濃度を薄くした回復薬を少しずつかける。初めビーカーいっぱいに詰め込んだのに溶けれ見れば3分の1程度歩かないか。ふわふわしていても中身がスカスカらしい。ふわふわのかき氷のようだ。攻撃用ではないからかな。雪華の力加減次第。うちの子、賢い子な。
傷薬がかかったところから光が傷口を包み発散すると傷口がふさがっていく。
「おお、ファンタジー。」
「魔法とアイテムでコスト的にはどちらがいいのですかね。」
ちょっと感動をしていると費用対効果を感じている結。現実に急に戻った気分だ。これぐらい冷静でないと医療関係者になれないのかなっと思ってしまう。動きに無駄がない。口に耳を当て胸が上下しているか確認までしている。勉強してたのかな。
背中側が終わったので横から仰向けにして薬を少しずつ。背中にある大きな斬り傷より痣が目立つ仰向けに倒れて転がった?
「先輩。こっちは埋めた方が早いですよ。」
「背中がない。」
このまま埋めると犯罪者になる予感がするから言い方に気を付けてほしい。
真ん中から裂かれた服がくっつくようにしてあったのでわからなかったが服を開くと皮が剥ぎら取れていた。
「目的はこれですね。裏切りですか。」
淡々と言いながら雪華に背中全体に雪をペッとしてもらう様に頼む結。それを当然といわんばかり実行する雪華。主は僕なのにな。ギリギリ生きている模様。これでライフを削らなければいいが。雪華できる子だから大丈夫かな。
剥ぎ取られた背中の皮。付与の起点があったのは簡単に想像できた。おつきの立場というのは立場、設定上の都合か。シナリオ?が動いたか。けしかけたのか。自分でしたのか。わからないことが多い。ただ、人間何を考えているかわからないことだけはわかる。
「残りは腕と足だけですね。多分、大きな血管切れてますよ。どうしますか。」
「何かでやってたけど大きな血管を抑えると血流止まるんだったかな。」
熱中症の特集で冷やす箇所の説明を思い出しその逆をやれば止まる気がしてなんとなく口にする。
アリーシャにあるどの傷も後ろ側からの刺し傷。正面から斬りあったのではない。押し倒して刺してつなげとめたのかな。先にかぶせた雪をどかす結。短刀を突き立てている。止血のため硬くしたのか。
傷薬が心もとない。少しずつかけても間に合いそうにない。背中にかけすぎたか。
「雪華。」
近くに呼びビーカーを差し出すと雪でさらに傷薬を薄めさせる。そして、体を起こして口を強引に開ける。開けない。
「片手で無理だ。」
気を失っているからか力が強いとは別方向で体が硬い。非力だ。流石、透けるトン。非力。
「顎の付け根付近を下に押す感じでしたっけ。」
結が指を伸ばし親指と人差し指で口を覆う様に掴むと下に引っ張るように力を入れる。親指と人差し指の間が丁度顎に引っ掛かりかすかに開いたところに調薬で使った匙を入れ傷薬を強引に流し込む。多少流れるが仕方ない。
「マドラーの方がよかったんじゃ。」
「言うな。やってて気づいた。」
全部流し込んで体を雪の上に寝かせ必要がなくなったものをアイテムストレージにしまう。飲みかけの紅茶で作った試験管半分ぐらいの傷薬を取り出し唇にしみこむように少しだけ流し入れる。さっきよりも体全体が光る。薄すぎた?
「濃くても体に悪い可能性。薄くても効き目がない。その辺もっと緩くてもいいと思いますが。」
ちらっと監視員をを見るが普通に周囲を警戒しこちらには気にも留めない。ゲーム性だからか言えないこともあるのだろう。完全攻略本ではないといっていたし。試行錯誤しろということ。
もしかして誰が重要で誰が重要でないのか関係ない? プレイヤーがかかわること以外に干渉はできない? その可能性もあるか。
「ところで、どうやって運びますか?」
監視員を眺めていても何か道具を出してくれる気配はない。某ロボットはすがるようにお願いすれば何か出してくれるのだが無理かな。
「背負うか。ちょうどいいスキルあるし。使いたくないけど。」
「確か、捨て身、ですか。瞬間的という説明なのでこの持ち上げるとき以外はそぐわないですよ。秘密な道具出してくますよ。彼女善人ですから。というわけで繭原さん何かください。」
「よく覚えてるな。違うけど。あと、いない人の実名を言うのはどうかと思うよ。」
監視その2は繭原という人がしたアンケートが基礎にあるらしい。
繭原。母さんのはとこか、いとこか、それぐらいの位置にいる親戚の姓と同じ。聞くところによると、先祖は繊維、布を織ることしていて現在も繊維会社を経営している由緒正しい家柄だとさ。もしかして親戚? ちなみに母さん実家はその分家で元々は紀乃原姓で繊維工業系。繭原から嫁いだのがおばあちゃん。はとこは僕から見ればかな。ついでに言うと父は元々は宮江姓で先祖は宮大工が本業で副業で金物士なることをしていたらしい。そこから家具の製造や金属加工だけではなくそのデザイン関係の会社を興しいまも経営している。手先が器用なのは本人の資質もあるが半分以上は遺伝ではないかという両親。両親の実家はお金があるのにな。小遣いが上がる兆しがない。母が結婚するときにもっと読みやすい名前がいいといって鈴木に改名したのがいけなかったのか。
改めて監視その2の顔を見ようとするが背中を向けない。繭原姓の子供は1人知っているけど。完全無視。
「ブー。」
急に雪華が耳を立て鳴く。警告音? なにかがくr。
スパーンという音とともに倒れる結。頭の先に飛んだ(・д・)チッのお面。脱兎を使ったのかいつの間にか離れている雪華。距離は5メートルくらいかな。
「これだから知っているのは。君は真面目にする気あるの?」
急に聞こえる愚痴る音声。結の背中に落ちるハリセン。ハリセンを開くと、
自分達で何とかしろ。それがゲームだ。実名出すな。個人情報という言葉知ならいのか。byえらいひと
えらいひとこと立花さんからのありがたいお言葉が。
「これはドット1か2で残っているのですかね。多分、頬をつねるか、転ぶかするだけででも死にます。」
思いのほか冷静に取り繕う結。試験管を取り出し傷薬を飲んでいる。アイテムストレージを開いたときにライフを確認したか。えらいひとも監視されていた模様。このシステムをわざわざ作ったのか?
「それ私達用のやつですね。プレイヤーに使うとは何考えているのですかね。あの人。」
達ということは特殊AI専用のお仕置きシステムらしい。アリス・パンドーラが知っているということは実証済みか。この前本当は来る必要がなかったのではと思ったがレベルアップポーションで来たのを思い出す。あれもバグだったけど。
「私を名指した人に個人情報うんぬん言われたくありません。あっ、消えた。」
目的をはたすと消えてなくなる仕様。スパイ映画でも真似た? それにしても。
「君は優秀だな。」
雪華を見ながら言う。アレを感知するとは僕よりも優秀な可能性。雪華は照れているのかさわさわ動いている。うん。可愛いからよしとしよう。何が? わからん。
「数値的にはライフ10か5ドットで言えば1か2が残る防御不可、追跡機能付きの一撃。いまのところ出現時に不自然に空間が歪むんです。それを感知したんでしょう。的の近くにいたのでより感知しやすかったとのでしょう。」
お面を回収して解説しながら近づくアリス・パンドーラ。掌を僕の方に向けるように伸ばす。ちょっと身構えるがお面を回収しただけだった。監視その2こと繭原さん仮名はいない。先に帰ったようだ。結とは別に連絡がきたのかな?
「体を冷やすのはいいですけど冷やしすぎると意識障害、凍傷発病等起きますから気を付けてください。せっかく回復のに無駄になります。あと、うちの宿にその方々は泊まれませんので。」
注意事項を言いながらお面を消すようにしまうと両手でスカートの裾をつかむようにして右足を後ろに引きお辞儀をしながら消えるアリス・パンドーラ。なんて言うんだっけこういう作法?
運営の宿はあくまで迷い人限定で住人には開放していないらしい。
「彼女は私が、先輩はその子を。」
「はいよ。」
軽いなちゃんと食べてるのか。そして、結は軽々とアリーシャを持つと自身のマントを被せ顔を隠す。町の中でも狙われる可能性。もし起こらないにしても初めから警戒していた方が後で何か起こるよりましか。そこまで気が回らなかった。
「いいんですか。ウィットスーツですよ。逆に目立ちますよ。先輩南側の教会から抜ければいいのではないですか。」
「う~ん。」
目立つのは、ダメだな。外から出入りできるのを忘れていた。そのまま抜けられるかな? 行けばわかるか。といろいろ考えつつフードを被せる。
「行ってから考える。」
「そうですか。」
「ときにさっきの繭原って繊維関係会社の繭原の子? 田野崎三姉妹の長女と同じくらいの子1人いたはずだけど。」
「そうです。よく知ってますね。有名ですけど。」
三姉妹を肯定してしまう結。本人いなくてよかった。ゲームのどこかにいるらしい。まだ、あってない。互いに探さず偶然会うスタイルをとっている。女子がキャーキャー言っているところにいると思ったが出くわさない。のらりくらりをしているのこっちが原因か。ウェットスーツが目立つから向こうから探してくれる可能性。
矛盾している言い方だが言いたいことはわかる。テレビのメーカー等と日常に関係あるならともかく、最近自社のブランドを持っているとはいえ、素材その物を扱う企業の名前は一般的になじみがないはず。例えば、車の名前は知っていても生産している社名を知らない、という感じ。
「それよりなんでそんなこと知っているんですか。」
「声が怖いよ。」
正直に言ってみる。暗く落ち着いた声が夕日が射さない状態と合わさり、無機質とは別方向でさらに怖い。
「それ母方の親戚。確か母さんのいとこかはとこ。」
「えっ。」
「ついでに思い出したんだけど、えらいひとが言った家を継ぎたい人がうんぬん、聞いたことが正しいなら三姉妹の父が似たようなことをいったらしい。」
「えっ、ん。えっ、あ、はい。えっ。」
面白いぐらい混乱している。悠木さんと知り合っていままでに慌てた様子を見せたことはあった気がするけど本気で混乱しているのをはじめてみた。ちょっとかわいいと思ってしまう。ちょろいな僕。そろそろ3姉妹で定着する予感。これは怒られる予感がしないな。慣れかな。
「あの人妹いたのか。知らなんだ。そういえば護身術習っているとも聞いたことないような。」
知らなかったことにしよう。藪をつついて罠に嵌まりたくない。
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「入れましたね。」
「2回も金とられたけどな。」
門のところで普通に160ジェニー払い紙もらって南側の教会に行き紙渡したら100ジェニー。もしかして、初めからマント無ウェットスーツのみならこういう出入り? 160が背負っている分だとして、もしかして60無駄にした? わからん。
とりあえず、こっそりと入れたのでよしと。
「どこ行くんですか?」
「物置。」
「はぁ。」
気の抜けた返事をする結。わかっていない。別行動してたから仕方ない。アル爺いるといいけど。
図書館の横から裏手に回り紐を引く。紐の先にある木の棒が扉に打ち付けれらた。聞いてたいたけど何だろうこの無駄な仕組み。アル爺の趣味?
「どうも。」
扉の一部がスライドして開く。ドアについているスコープやインターホンと同じかな。昔はこんなになってたんだろうなとなんとなく時代を感じていると扉が開いた。無表情はきっと背負っている厄介ごとのせいだと思う。
結に顔を向け中を見る。そして、その後を入り扉がしまる。隣を歩く女性の司書。名前なんだっかな。
「アル爺は?」
「大司書長は帰りました。」
「ここに住んるんじゃ。」
「部屋はありますよ。私たちも実家は別にあります。聞いてませんでしたね。ホネスケさん。」
何か雑談でそんなことを言っていた気がする。HAHAHAHA。ちなみに、ホネスケというのはここでの愛称。ホネで透けているからとアル爺が。進化したら透けなくなるのだが。完全に実体かしたら呼びなが変わるのかな? 変わらないだろうな。時期外れにインフルエンザ罹ったとき、同じ時期になるといまだにネタにされるから。
「確か図書館ごとに宿のような部屋あるだったかな?」
「そうです。ちゃんと覚えているじゃないですか。」
名前は忘れているけどね。なんて冗談でも言えない。確か双子だった気がする。
ここは大きさとしては小さい方らしい。もっと大きいところになると塔のような形で、それ以上はまた外見は中ぐらいの館タイプに戻る。中身が不思議空間になっているらしい。ファンタジーだしそれぐらいあるかなと思ったが、今考えると運営の宿のような仕組みなのだろう。空間操作は運営の特権ではないのかもしれない。
「物置行くのじゃ。」
「怪我人をそんなところに入れられませんよ。丁稚じゃあるまいし。」
普通に客間があった模様。僕はいつの間にか丁稚になっていた。手伝ったから? そんな簡単になるの? これもナンバリングの影響?
「奉公人だったのですか。」
つぶやくように後ろから聞こえた気がする。何やっているだろうこの人という視線も感じたが気がする。けど気にしない。だって、しょうがないじゃないか。そうなったんだもの。
「悪いけど魔法ギルド言ってミードさん呼んできて。ホネの迷い人が面白い物見つけたといえば食いつくはずだから。多分、受付で罰受けているんじゃないかな。」
2人を寝かせてから結に人を呼んでくるように頼む。素人が何かするより詳しい人の方がいいだろう。
案内役とは別の人に連れられて外に行く結を見送りながら、
「双子の違いがわからない。」
と口にする。ここまでの案内してくれた人と服装がなんとなく違う気がするので、よく観察しなければわからない。
「双子は両親です。いとこです。何度か言いましたよ。この様子だと名前も怪しいですね。」
HAHAHA。笑ってごまかしてみる。両親が双子だからといってここまで似るものなのか? 4分の1の確率だからなくはないか。
「注意力が足りなくなるので必須ではないですけど2つの作業をできるようになると今後便利ですよ。」
便利と言われて、はいそうですか、という感じで出来ない。何事にも準備が必要だ。準備ができたからといってできるとも限らないけど。右手と左手で違うリズムを叩けばよかったんだっけ? 1人後だしじゃんけん? 歩きながらの脳内算数? 最後のが役立ちそう。
「ときにホネスケさん。爆雷の魔女がくるまえにお願いがあるんですが。」
流れ的にミードさんのことだろう。雷の生活魔法使えるから普通の雷魔法も使えそう。爆発の爆? 1部屋吹き飛ばしたって本人が言った。けど、
「薬の爆発だけじゃ弱いか。火魔法もあるから爆かな。」
「大司書長曰く、得て不得手は別にして基本的に全部使えるらしいですよ。祖先辿るとエルフとドワーフの混血にいくつくとかなんとかで雑らしいですよ。」
ミードさんは僕が思っているより有名人なんだな。種族もかなり珍しいのでは。辿るとだから今はもう人か。この辺の設定シビアだったはず。妖精種族の血が少しでも混じっているから精霊の好感度が他に比べて高い可能性は、ないない。あの人ノリで生きてるところがある。きっとそう。
「で、お願いとは。」
「オークを伐ってください。」
「豚の妖精? 低レベルで勝てるとは思えないのだけど。」
オークってと言えばくっころ騎士。同人誌で有名なやつ。? 最近だとゴブリンだったか。
「そっちではないです。木の方です。樹。あっちはこの辺での目撃情報だと年に3回あるかないかですね。森林地帯の奥にブラックボアとラグレジア。山の上にはグリフェールがいますので浅いところで活動がオススメですよ。」
なにかいるらしいですよ。フェールドボス? 徘徊する系じゃないといいけど。
ボアって猪だったかな、多分。他の2匹の名前は何が由来? そもそも匹であってるのかも怪しい。
「中立地帯って平和だから中立なんじゃないの。」
「ここ経済連合区域ですからね。交通と物流の関係でよそが手を出しづらいだけですよ。」
地域のこじんまりしたのではなくて世界地図が欲しい。
中立になるにはそれなりの理由があると。
「ところで樽でも作るの?」
「本棚の修繕です。現状、一本あれば大丈夫です。後で渡しますね。」
今後のことを考えれば複数か。余裕があればだけど。
「斧スキルはえるかな。」
「戦斧でなければ点くんじゃないですか。薪割りつづくれば点きますから。毎日すると半年から1年で1次の上限いくって話です。私も1次までは持ってます。木々が近くにあるところで2次もいけるなんて話もあります。」
斧といっても日常的な方と実践的な方があるらしい。
扱うだけなら子供でもできるということかな。わからん。
「1次と2次ってもしかして3次もあるの?」
「ないです。1次、2次といってますけどレベル5までを1次それ以上を2次って呼び方が広まっただけですから。3次枠をつくるとしたら武器スキルですね。2次から武器にも使えますから。」
断言された。日常生活の範囲内かどうか? それで上限といっていいのか疑問だが、慣習的なことかな。それ以上のレベルに上がるのに。
「そういえば、私の名前を言って見てください。」
顔をそらしてみた。笑って誤魔化せない様子。土下座案件?




