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19話

「おかえりなさいませ。この時、首を長くしてお待ちしておりました。」


 2回目のログイン。場所は運営の宿。迎えてくれたアリス・パンドーラ。言葉だけ聞くと僕が悪者になった不思議。個人的には待ってくれなくてよいのだが…。1日放置したから首を長く? それだけで?


 ゲーム内はリアルの4倍か5倍で時間が流れるだったかな。会社員だと時間帯が限られ夜から深夜帯のログインがほとんど。モンスターの固定と制限。


 他のゲームだとガチャガチャして時を金で買うということをできる。ただ、このゲームだとそれができない。今のところ一般的な回復アイテムしかない。イベントアイテムの確保も貴重な鉱石もゲームプレイでのみ。時間を金で買えない。費やしてきた時間(苦労)を無駄にしないため。だとか。


 苦労して作ったのをワンコインで当てられたら、運営的には収入源確保になるが一部ユーザーは離れるだろうしね。


「先輩。おはようございます。」


「あぁ。おはようございます。」


 声が上ずる。別にやましいことはない。後ろから急に声がして驚いただけだ。たとえ、ラーメンに煮卵と甲斐性がなかく、フラッとと歩いてなんとなく解散して計画性がなかったとしても。お茶はのんびりゆっくりと飲んだのだからいいと思う。コンビニで臨機応変や計画性というアイテムはいつ売るのだろう。世の中の人はすごいな。


「早いね。」


「9時過ぎてますから特別に早い内に入りませんよ。休日ですし普通なのでは?」


「年齢的に社会人勢はもうプレイしています。大学生は、彼ら寝ているのでしょうか。取り立てて早いというわけはないです。」


 朝の時間の話をする結とゲームを始める時間の話をするアリス・パンドーラ。根底に妙なズレがある気がするのは個性?


「そうか残念だ。」


 残念と言っても所詮口だけ。何に対しも残念と思っていない。なんとなく言ってみた程度。


「てっきり12時以降に来ると思っていました。」


「そうしようと思ったんだけどね。」


「私に会いに来てくれたのですね。わかります。」


「わかりません。朝からマラソンやってるんだよね。」


 アリス・パンドーラが火種を投入しようとするが気にしない。ただ、見たいテレビがやらなくなっただけだ。つまり、暇だった。


「この暇人め。」


 AIに暇人扱いされた。真実、言う通りなので否定はしない。でも、このゲームにいる大多数はある意味、暇人だと思うのだが。いいのか運営? この子に対しては今更か。


「放し飼いとか。運営さすがだな。」


「敷地内で監視付きだからですよ。」


「ところで、」


 対して興味のない話を止め、ウィンドが目の前に一つ。画面にはスキルリストの文字。前言っていた誤作動分か。


「選んでください。それともわ・た・し。」


 声は艶っぽい感じなのだが、格好は親指を自分に向けて自己主張し過ぎる。


「チーターって言うんだっけこういうの?」


「チートコード以上なのは間違いないですね。扱えればの話ですけど。」


「無理だな。」


「意気地無し。」


 名作アニメ風に言われたのだが。さすがAI。再現度が高い。


「これ他人から見えなくなってますね。試しに。」


 横から見る。正面から見ると試しているが画面が見えない様子の結。次に結自身のウィンドをアリス・パンドーラがした様に僕に向けて出そうとする。試すこと数回、僕から見れば斜めに。出した本人の正面に。2人とも見れる位置に出たが。僕の方からは見れない。


「どんなに親密度が高くとも個人にしか見れませんよ。」


「目眩まし程度にはなるか。」


 発光色で設定すればプレイヤーなら驚くかもしれない。

「慣れなければ意表をつける可能性がありますね。報告書に書いておきます。」


 駄目だった。本来の使い方ではないしな。隣から余計な事を言うからと言う圧力を感じるが。僕以外にも思い付く人がいると思う。少なくも検証する人はいるはず。


「この上のは。」


 検索バー、索引の上にあるのだからおすすめだろう。取り損ねた観察に小道具がある。その隣に体術と体操は初見。


「純粋な体を動かす系はないんじゃなかった。」


「武術と競技です。ただの殴る蹴る走る捻るは誰でもできます。その先にある物です。素人とプロを一緒にしないでください。」


「これゲームなんだけどな。」


 言いたいことはわかる。わかるがゲームなのだからもう少し緩やかでもいいと思う。現実に出来ない事を楽しむのが目的なんだから。


「じゃあ小どuって」


 押したら他2つがついてきた。


「多いのは私のダウン報酬です。あれ多くの運営が酒飲みながら見ていたらしいです。お酒が入っている中でおすすめのダウン報酬を上に持ってきたので間違えて被せたたのでは。初期スキル所得時超過エラー出た人はそれが上にきますから。あとは酔ってノリでくっつけたか。」


 飲みに行く前から飲まれていた様子の運営。よっぽどゲーム稼働が嬉しかったんだな。


「仕事中にお酒ですか。間違えるぐらいってどれだけですか。」


「解放的になって簡単に酔えたんだろう。ネットラジオで仕事中のお酒は特別って言っていた回あったし。普段飲まないのに打ち上げで飲む人はいるらしいし。」


 あと、ラジオでは他人のお金で食べるご飯が美味しいとも言っていがこれは止めておこう。4つにしないだけましか。


「これは一つ(セット)?」


「いまのところは。奴ら気づいたら修正入れるはずですから。」


「これだけかな。」


 貰える物は貰う主義だけど。2つとって修正入って2つ無くすよりも1つ無くす方がショックが少ないていい。


「その分も報告しますね。運営のミスを強調して。気を使って貰ったことも合わせて。」


 黒いな。さすが反抗的な設定。それがゲームの要素ではなくて運営に向かっているのは謎だが。出番は先にあるから暇なのか。


「ダウン報酬は誰でもあるのですか?」


「秘密です。」


 禁止規定らしい。


「それでは時間までお待ちください。」


 霧が散る様に消えるアリス・パンドーラ。忍者なの?


「てっきり最後までいると思ったのですが。」


「他にも仕事中あるんじゃない。数は少ないんだし。」


 椅子に座りヘルプを開く。項目は、レベルについてと世界常識。


 誰かが条件を満たして解放したのか。運営が急ぎ付け加えたのか。イベント終わったから制限解除されたか。図書館の利用上注意って言うのがあるから解放が有力。使役魔法もある。ステータスカードがいま出た。アナウンス(メール受信)が来た。技術(スキル)はあるが売買はない。生産中心のプレイヤーはいないのかな。


「ところで、何を選んだ?」


 図書館は割と高い有料制。気になったところを開いてみた。紙は大事らしい。


 スキル構成を聞くのはマナー違反だったのにいま気づいた。ついでに言うとウィンドは僕が使っている。先に僕の方に出したのだからまだ選んでいるはずないな。


「私は健闘賞で足運びがつきました。選んだ意味がなくなりましたね。」


 嫌そうに言う。負けたのを気にしているようだ。ダウン報酬に健闘賞。戦いの結果次第か。なお、参加賞と勝利報酬があるかは不明。


 スキル、生活魔法(火)と魔力燃焼(微)が新たについてる。さっきの3と合わせて5つ。貰いすぎでは。


 生活魔法と言うからには日常的な魔法だと思うが。説明に火を点けるしか書いてない。レベルもない。他に覚えたら()内が増え説明も増えるのかな。点けるのだから出すこともできる?


 魔力燃焼は燃焼ではなく燃料というイメージ。魔力を消費してスキル威力向上とある。


 称号には身を削った者。効果はその身を犠牲、捧げるとスキル効果が1.2倍。派生スキル魔力燃焼。派生なのに取得済みなのはすでに使っているからかな。この辺の原因は火おこしだな。文字通り火がついたし。捨て身と併せて身を削る系が多いなぁHAHAHAはぁ~。


 ちなみに捨て身のレベルはない。レベル依存はスキルレベルではなくプレイヤーレベルだった。スキルレベルに依存と聞いただけで勘違いしていたようだ。上げるつもりはなかったが。勝手に上がる仕組み。


 最高レベルがいくつなのかわからないが瞬間的にレベル分を倍にする。使用後ステータスマイナス補正と使用制限がついても必殺技枠では? 当たればだけど。うん。使えない気分。


 ついでに初期スキル精霊魔力のレベルもない。精霊魔力は根本的なものなので評価に馴染まない。レベルがない理由は種類ある模様。


 選んだスキルうちどれがダウン報酬でどれが誤作動かわからない。回収する場合は事前連絡あるといいのだが。小道具と体術はレベル1、体操は2なのはチュートリアルの行動がそのまま運営に評価されたからかな。運営おすすめだし先に盛っている可能性。


 称号の1つにはアリス・パンドーラに土をつけた者。効果はスキルが選べる以外に次の戦いで手加減が減るかもしれない。馬鹿じゃねぇの運営。あれとまた戦えと。ワンパンで負ける自信がある。


 棒術のレベルが上がって7に。きっと対戦相手のせい。剣の定番のスラッシュのような特技はない。派生で杖が選べる。説明では魔法発動の補助。杖自体が発動媒体になるのだろう。今のところ純粋な魔法関連職になるつもりはないので取らない。そもそも()()()()取得するには1ポイントが必要なのにポイントは0なので取ることができない。


 職の覧は空白。押しても選択肢はない。条件が足りない? 霊体で実態じゃないから?


 調薬は5のまま。チュートリアルはレベル5の範囲内か。


 経験値は0。負けたからね。


 お金が減ってないのはチュートリアルだからか。特別空間のせいか。とりあえずこんなどころか。他の魔力操作、料理、絵心も5のままだし。


「さて、どうしよう。」


 ヘルプを読んで時間をつぶすというのもありだが。わからないときに読めばいいと思う。

「時間待つしかないです。傷1つ開きません。」


「何したの。」


「暇だったので。」


 ついうっかりという雰囲気を出している。明言はしてないが壊そうとしていたのは間違いない。気付かなかった。代金上乗せされないよね。


「やれるのは生産するぐらいだけど水ないしな。一回戻るか。どうする?」


 空気中に水分はあるが。それを取得する技術はない。それこそ魔法を使うのか? 魔力は十分ある。むしろ魔力しかない。火を点けるがあるから水を出すもありそう。


「そうですか。このままでもいいですよ。何かしないとと考え過ぎなのでは。別に私は特別に何かしなくても文句は言いませんよ。」


 何やら旗色が悪くなった様子。雲行きも怪しい。


「だから、昨日のは減点です。」


「そうは言ってもね。なかなかねぇ。じゃ、また後でね。」


 緊急離脱(ログアウト)。戦略的撤退。暗礁しそうなのだから仕方ない。






 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




「えらいひと。もしくはロリ2世。いるのでしたら出て来なさい。」


 先輩が帰るのを見送って何もない空間に声をかけます。本来は運営に連絡すればいいのですがなんとなくこれで来る気がします。用があるから追い出すようなことを言ったのではないのですよ。


「大叔母様。私は、貴女より少し低いぐらいでロリではないです。」


 知っています。2週間前に直で彼女(オリジナル)にもあってます。電話で昨日も話しました。何故か用もないのにあの人連絡してくるんですよね。本人いわく、いま成長期らしいです。もうここまで来ると口癖のようなものですね。いまさら変える気は、・・・・・・ありませんね。本格的に付き合い出して1年経つかどうかなのに随分と気安くなったものです。


「様式美のようなものです。」


「嫌な様式美です。そんなことだからお人形さんと言われるんですよ。」


「ゲームはしていないはずですが。思考回路が彼女よりなのでしょうか。」


 返されました。私はアンケートいい感じらしい結果とやらを見ていないのでわかりませんが、もしかしたらこの子は見れるかもしれません。他にはベース大部分が彼女だからか。これがしっくりきます。


「エンプティとご自身で言いましたが。」


「ありましたね。そんなことが。」


 嫌な思い出です。下らなすぎて掃き捨てましょう。


「ところで、称号と職業の()内のことですが。」


「運営からはまだ何も。権限使用確認します。……付いた時間から考えますと運営の悪のりですね。(えらいひと)が言ったのだからつけとく、でしょうか。報告書を作成しますか。」


「お願いします。」


 立花さんのせいでしたか。ただ、否定出来ない事実なので強く出れません。報告してくれるのならおまかせしましょう。


「称号ストーカー予備軍は今後の行動から再度つく可能性があります。()内、闇つきは、規定違反に該当。イジメ、曝し、煽り、炎上事項等ゲーム内のストレスを現実での発散防止のためにパーソナリティーに関することはつかない設定なのですが。バグでしょうか。」


 憤り(ストレス)が貯まりすぎで爆発するということでしょうか。ゲームを現実からの息抜きの道具とするつもりが逆にストレスをため現実で発散。そんな事になったら目も当てられませんね。ただ、ストーカー予備軍も精神的な攻撃的手段だと思うのですがいいのでしょうか。


「ストーカー予備軍は隠密系を主に使うプレイヤーに付きやすいです。スレイヤーの方じゃない正当な方面の忍者なら付きやすいですね。分類は諜報員ですので。スレイヤーでも姿を隠してゆっくり後ろに着いてバッサリを繰り返すと付きますね。運営はなんでこの名前にしたのでしょうか。」


 私に聞かれても困ります。ですから、


「立花さんに連絡入れましょうか。」


「いえ。えらいひとにグチグチ(報告)するのが楽しみなので大丈夫です。」


 本当にいい性格してますね。この(AI)。誰に似たのでしょう。


「では本題です。スキルが3つ中2つ出ています。これは確定ですか。」


 私の職業戦士(守護者(ガーディアン)候補)、種族獣人犬(狼血統)。耳と尻尾だけでは本来、人になるらしいのですが、アバター製作後補正が入ったようです。決定権は私にあったので強制ではないのですが身体能力は人より高くなりやすいと思ったので決定。効果の実感はありません。レベル次第でしょうか。


 ゲーム開始時、謎の問答が原因だと思います。人でありながら狼のようにしなやかで強く守ることができる人と言ったのが効いたのではないかと思うのですが。確証は出来ないです。合計で4種族選べる仕掛けあるのですからその可能性が一番高い気がするだけですから。


「……確認しました。チュートリアル(私との)戦闘前に運営が()()()底上げしたようです。運営がスキル数に不審い思い調べ1dayスキルの使用を確認しています。」


 戦闘(プレイ)画面だけではなくアバターデータも見ていたようです。運営ですから当たり前ですね。運営にとってのイベントのようなものですから見ていない方を数えるのが早いかもしれません。それか、お酒を呑んで仕事をしていない可能性も。


 私のスキル構成には近距離戦闘向きで変わり種が2つ。刀剣、短剣、盾装備、獣人装備、速さ補正(微)、力補正(微)、堅甲オーラ、マップ、位置情報。堅甲は称号護り手からなる特殊スキル。マップと位置情報はゲーム正式サービス開始より24時間限定の1dayスキル。というものらしいです。


 フレンド1人を守護するために私自身の防御力あげる堅甲と。フレンド1人しか登録されていない状態で対象者(フレンド)を探し出すマップと位置情報。


 位置情報は一度だけの使い捨てスキル。24時間以内なら何度でもというわけではない。スキル枠を2つ使用。ほかのスキルを燃料にしないと使用不可。つまり取得スキルのすべてを失うというおまけつきです。


 効果は所持スキルの数に応じてマップにある位置情報の表示時間が長くする。非常に使い勝手が悪いスキルです。


 説明によると、スキルレベルが0で他のスキルがない初期状態なら問題はない。それ以外は使いどころに困る、もしくは使えない、あります。時間制限、使い捨てのネタスキル枠でしょか。


 それを先輩に使ったわけです。


 使うきっかけはメールの返信がなかなか来ないという私もどうかと思う理由です。こんな行動するから運営にネタにされるのでしょうね。


 そんな使い勝手が悪いスキルでも使用後現実時間で24時間の範囲内での救済措置があります。内容は、取得スキルもしくはスキルリストから3つ再選択ができる、というものです。私の場合は職業と称号によって堅甲で1枠は確定(固定)。残り2枠となるはずが運営の配慮により両方とも埋まっていると。


「獣人装備に変更できますか?」


「可能です。ただ、尻尾といった種族的な服装の問題を0にするというだけで自身でハサミ入れるか買うときに穴空きもしくは補正ありの服にすれば問題は解決しますので無駄になりますよ。」


「そうなのですか。知りませんでした。説明には種族ステータスが上がるとありましたが。」


「無くなりました。大まかな理由としては種族選択に偏りが出る可能性があるからと。公式チートすぎる。特殊な装備とスキル、称号補正と合わせ2重3重の補正では後発組と差が大きすぎるというものです。進行上チートのような状態になるのは仕方がないのですが率先して助長する必要はないですから。選択者にメールしていないようですね。報告します。」


 まだ見落としがあったようです。人が創った物ですからどこか抜けているのでしょう。仕方ありませんね。もう一週間先延ばしにすればよかったでは。大人の事情というやつですか。


「では速さ補正(微)と刀剣でお願いします。」


「魔法が使()()()()()、物理よりですが堅甲とスピードで十分カバーですか。力を入れれば大物や長物を振り回すこともできますよ。」


 選択肢が増えました。このままです。普段なら流れ作業の中で適当に褒めるか同意するかなのですが。


「アドバイスは、いるらしいもう1人の影響でしょうか。」


 私はそういうことをしなかったです。あの子は状況次第ですかね。ただ、直接的な言い方は少ないです。となると残り。


「ひどいベースな方々ですね。それでこその私ですが。さてと3つの承認を確認しました。短剣についてはそのまま状態にします。報告後の補填と思ってください。少なくとも闇の方で1つ入る予定です。」


 何か勝手進みます。力補正(微)も欲しいのですが。修正するのが面倒だからでしょうか。いま、私の要素を感じたので強気に出れないのが残念です。


「補填ついでにお詫びのレベルアップポーション。使用した全員のスキルレベルが上がりましたからバグです。システムの甘さです。私のはステータスに補正がかかる程度ですから。」


「それはルール違反なのでは。」


 私から伝えろということでしょうか。もしかしたら暇ではない?


 詳しくは知りませんが。フルダイブ式が世に登場して以降、設定次第ではあまりにも現実とかけ離れた力を得る事が(体現)できるようになりました。しかし、必ずしも良い方だけというわけではありません。現実でも無理をして体を動かし怪我したという話がもあります。結果、ステータスはリアル基準、上昇は現実に影響を受ける範囲が最小限。()()基準にしているのかわからない曖昧な物、だそうです。


 ゲーマー専用コースを新設したスポーツジムや格闘技道場流行り出したのもこの頃らしいです。


「数値的にはポーションの1つにつき0.5プラス。5本で合計を2。端数は切り捨てです。許容範囲内です。」


「ならいいのですが。」


 先輩の動きからして元は何かをやっていたようですから。


「ところで大叔母様。あの方のどこがよかったのですが?」


「私を知らない人で私が知らない人で私を心配してくれたことでしょうか。」


 先輩は私が自転車を回避できたと思っていたようですが、はっきり言って無理です。回避できるのは格闘技のプロぐらいでは。周りがゆっくり見たことはありません。


 事故直後先輩は覚えているかわかりませんが。君なら傷残りそうにないね。よかったと。何を言っているのかわかりませんでした。近寄ったのは良いものも何も感じていない私。逆に余計な事をと思った程ひどく残念な性格です。疲れていたのでしょう。それが他では助けるのにどうしたらいいのかわからず茫然自失という風に見えていた。周りの慰めの言葉で私はどんなに酷い人間か自覚。それでも気にするなと言ってくれました。むしろ、忘れろとも。

 それで何故か私はこの人ならと思ってしまった訳です。早い話が依存に近い何かです。他の人なら何とも思わなかったのかもしれません。不思議です。酷すぎる性格です。ややヤンデレも否定できません。いままでの淑女教育に感謝したのは初めてです。


「早い者順ですか?」


「そうですよ。私、意外とチョロかったんですよ。」


 だから、隣にいるために今度私は護る番です。


「ところで、大叔母様スキル上げフォローはどうしますか。」


「スキル使用時の事を考えると必要ないはずですが。せっかくですので。」


 刀剣と短剣を取り出します。勝てないにしても一斬りはしたいです。やられたままでは癪です。



 自己嫌悪でしょうか。


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