第十六話「神降ろし」
バルカン大先輩はトールをにらみつけながら言った。
「トールぅ、お前まさか、神降ろししてんのか」
そう問われたトールは然もあらんとした表情をしていた。
何言ってんだこいつ 見たいな目をしていた。
神降ろしとは真名や能力を使用し、神話の英雄や神の力を得る行為だ。
それを行う為にいくつか条件が必要となる。
条件1:触媒があること。(真名や神話にちなんだ武具等)
条件2:神降ろしの対象と魂の波長が合うこと。
条件3:あ、さ、ビール買ってきて。ウン。ハイ、ヨロシクゥ
条件4:んにゃぴ、よくわからなかったです。
条件5:んにゃぴ警察だ!!(御用だ)(誤用だ)
上記のような条件が必要となるが、その効果は絶大である。
トールは神降ろしを行っていた。
その神はもちろんあの(皆さんご存知)雷神トールを神降ろししている。
使用している武器の柄がクッソ短くてクッソ重いハンマー、ミョルニル。
これと自身の本名【ホリ・トール】を触媒とし、神降ろしを行っていた。
さらには生まれつきの短く切り込まれた髪、小麦色に焼かれた肌。
見事に鍛えられた筋肉、均整の取れたプロポーション……等
その神降ろしの精度は軍を抜いていた。
「神降ろしして、トレーニングしてます」
トールはバルカン大先輩の問いに答えると同時に攻撃の為に踏み込んだ。
その蹴り足で地面が凹む程の全力の踏み込み。
ミョルニルを振りかぶり全力で叩き潰すようなスタンプ攻撃。
バルカン大先輩はこれを大げさに避け、反撃には移れていなかった。
トールはさらに追い討ちをかけようと次の一歩を踏み込もうとした時だった。
トスッと音を立てて、トールの足に1本の矢が刺さっていた。
肉丸が超遠距離からの射撃を成功させていた。
「うざってぇ……」
トールにとって特にダメージにはならない。
雷神を宿した身体は攻撃力、防御力が非常に高い。
肉丸の弓や鞭程度ではハエが止まった程度だった。
とにかくバルカン大先輩を…と考えたトールは、
刺さった矢など気にせずに追い足を強めた。
が、その時違和感に気づいた。
矢の刺さった足が石化を始めていたのである。
「あ!?何だコレ!?」
この非常事態にトールも焦燥が隠せなかった。
「はれぇ?足が石化し始めちゃつてる(幼女)」
バルカン大先輩は勝ちを確信し、調子に乗り始めた。
肉丸が放った矢は、平成のメデューサの矢と言う
神話クラスの矢だったのだ。
その名の通り、相手を石化させるという非常にチート気味な矢である。
「肉丸ぅ!!お前次の階の助太刀にいって、来い!!」
「ん…ん…(肯定)」
バルカン大先輩は徐々に石化するトールならば一人で相手できると考え、
肉丸を次の階へと送りだした。
トールにそれを止める術はなかった。
ピンキーの矢は1本しかありません。
平成にするか昭和にするか悩みましたが、
平成でいいよな、よし、決まり!




