第十二章 重なる手
五課に戻ったアルス達は、二課の怪我人を治療室へ運ぶと、メインルームへ戻った。
「お疲れ様です。皆さん!」
オペレーターの女性が笑顔で話しかける。
「ありがと…て言っても、別に疲れてないんだけどね。」
「そうね。私達、何にもしてないから。」
マイカとリーナは苦笑い。
「でも、残るルーイン・ストーンは此処で保管している一つになりましたね…。」
キルはちょっと不安そうだ。
「ねえ、マイカ!そのルーイン・ストーン、私達が持ってた方がいいんじゃない?」
マイカはリーナと顔を合わせる。
「それもそうね!レヴォルノが強行突破とかしてきた時でも守りやすいし。」
リーナとマイカがルーイン・ストーンを貰いにクリスの所へ行こうとした時に通信が入った。
「アルスさん、本部より通信がきています!」
「本部から?繋いでくれ。」
「アルス君。聞こえるか?」
その声は、ランティスだった。
「はい。聞こえます。何かあったんですか?」
「サディケルの居場所が分かった!」
「本当ですか!?」
アルスが驚く。
「本当じゃ。北西にあるマール地方の、サランガ砂漠にある、古代の塔、通称フィーナルタワーと呼ばれる建物があるんじゃが、どうしても開かなかった扉が開いていたんじゃ!管轄の一課の隊長が調べに行ったが帰って来んかった。恐らくサディケルはそこにいるんじゃろう。」
「そうですね。そこで間違いないでしょう。今から向かいます!」
「アルス君!…任せたぞ!」
「ああ!」
本部と通信が終わった時、
「たっ、大変です。クリス支部隊長が、ルーイン・ストーンを持って出ていかれました。」
一人の隊員が慌てて報告をする。
「なんですって!クリス支部隊長が?まさか、クリス支部隊長はレヴォルノの一員…?」
「うん。このタイミングで持って出たならその可能性が高いよ!」
リーナの考えに、マイカも同感する。
「そんな…。どうしましょう!アルスさん!?」
「奴が何であろうと、行き先は一つ。フィーナルタワー!
みんな、これが最後の戦いになる。レヴォルノの残りの奴らも集まってるはず。命の保証は出来ない!だから、今一度考えてくれ。行くか、残るかを。」
キルが答えを出す。
「アルスさん…。僕はアルスさんの相棒ですよ!行きますよ、僕は。」
続いてマイカも、
「私も、何かの役に立ちたい!いくよ、私も。」
最後に、リーナも、
「クリス支部隊長がレヴォルノなら、私達にも責任はある。私も行きます。」
アルスは大きく頷くと、口を開く。
「たしかレヴォルノのメンバーはサディケルを抜けば、十人。クリスがそうなら待ち構えているのは三人。俺たちならなんとかなる!」
「必ず、勝ちましょう。」
キルが手を前に出す。
「人類の未来を守るために。」
マイカも手を重ねる。
「また四人で、遊びに行こうね。」
リーナも重ねる。
「じゃあ行こう!人類の滅亡を賭けた最後の戦いに!」
アルスも手を重ねた。
こんにちは。十二章まで来てしまいました。もうすぐですね!さて、ここで判明しました。最後の舞台フィーナルタワー!そこでこの物語も終止符を打つ訳です。次からは苦手な戦闘が続きます。わかりずらいかもしれませんが精一杯書いていきます。ここまで読んで下さった皆さんには、最後まで読んで頂きたいと思っております。では!