第十三章 キルVSジェルノー
フィーナルタワーへ着いた四人はその長い塔を見上げた。
「コレが…フィーナルタワー!」
かなり大きく、かなり高くまでそびえ立っている塔を見て、アルスは驚愕する。
「行こう!」
アルス達が中へ入ると、そこは古代遺跡の時と類似して、青と白の、光の空間だった。
中は思ったより単純な造りで、一つの部屋は何もないスペース。奥に続く通路に上へと登る階段があるだけであった。
何もないスペースの部屋には、いきなりにも人が立っていた。その男が言葉を発する。
「ようこそ、皆さん。僕はレヴォルノの一人、ジェルノーです。」
にこやかに話す、まだ少年といった感じのジェルノーは四人に話しかけた。
「サディケルはどこだ!?」
「サディケル様なら、この塔の屋上にいますよ。さっきクリスさんも登って行きましたし、…果たして間に合いますかねぇ。」
「間に合わせるさ!」
アルスが剣を抜き戦闘体制に入る。…が、キルに止められる。
「ここで時間を使う訳にはいきません。ここは僕に任せて、三人は先に行って下さい。」
一歩前へ出るキル。
「…わかった。屋上で待ってる。」
三人はキルに任せて奥の階段へと走って行った。それを止めようともしないジェルノー。
「いいんですか?止めようともしないで。」
「アハハ、上にも二人メンバーがいますからねぇ。彼らにも働いてもらわないと…。」
「その余裕、後悔しますよ!ファイアーボール!」
いつもより大きいファイアーボールがジェルノーに向かっていく。ジェルノーは笑顔で横にかわし、
「ナイトスケルトン」
と言うと、骸骨の騎士が現れる。
「くっ、召喚魔法!?」
スケルトンはキルに狙いを定め、走る。
「ウィンドスラッシャー!」
キルの出した風は、スケルトンにぶつかると、風の刃となって切り刻む。スケルトン消滅し、尚も風はジェルノーに向かう。
「へぇ!なら、トルネード」
同じ風属性の竜巻は、キルの風を呑み込んだ。
――ゴゴゴゴゴゴゴ!!
徐々に、スピードもパワーも強くなりキルに近づく。
「クソ、避けるしかない!」
キルはとっさに、風に当たらない位置に回避するが、竜巻の風圧は予想以上であった。
ドガッ!
「うぐっ、くぅっ!」
風圧で飛ばされ、壁に背中から激突するキル。
「アースグランド」
倒れ込むキルに、追い討ちをかけるジェルノー。地面から、尖った岩が次々とキルに向かう。
「アイスエッジ!」
苦しみながらも魔法を唱え、足元まで来ていた尖った岩を、氷の刃が切断していく。
危機一髪、と思ったが切断した筈の一つが再生し、キルの脇腹をかする。
「ぐぁ!」
脇腹を抑え、安全圏な場所へ何とか避難する。
「この程度かぁ。なら上の二人も大丈夫だなぁ」
笑みを浮かべる余裕のジェルノー。
「ハァ、ハァ。僕を…あまりなめないで下さいよ。僕は、ブラックリベラルの一人。」
「へぇ、あのブラックリベラルねぇ。」
「次の攻撃に、全ての魔力を込めます。それで立っていることが出来れば、僕の負けです!」
「面白い。見せてもらおうかな!」
キルは精神を集中させて魔力を込める。その強さを感じ取ったのかジェルノーの顔つきが変わる。
「なっ、これは…マズイ。ダークデーモン!」
ジェルノーも、切り札であろう召喚魔法を唱える。
「行きますよ。サウザンドライト!」
眩いほどの光が部屋全体を包み込むと、一気に弾け飛ぶ。
――バシューーーン――
目を瞑るほどの光、響き渡る乾いた音。これが消えた時には、召喚した悪魔は消え、ジェルノーも仰向けに倒れていた。
「ハァ、ハァ、ハァ。…勝った!」
「ばか…な…」
キルはジェルノーに近づく。
「あなた達は、僕等を甘く見すぎている。あなたが幾ら強くても…現に僕は勝つことが出来た。そして、上に行った三人は、…僕よりも強い!」
「…そ…ん…な………」
そのままジェルノーは喋ることはなかった。
「イテテテ、僕も急がないと…。」
キルは、脇腹を押さえ階段を登りはじめた。
こんにちは。ついに始まりました、最後の戦い。まずは、キルが勝ちました。戦闘シーンを書くのは難しいです。わからないとこだらけだと思うので、自分で大ざっぱに想像しながら読んでいってほしいです。次は、リーナが登場します。果たして勝つことが出来るのか(笑)。では!




