スキルが増えたようです
「これでジュン様がセリーの主人になりました。」
「え、これだけで?」
「はい」
最初に通された応接室で契約をしていた。
セリーは私の後ろに立っている。座ればいいのに、と言おうとしたが、ロランスさんの前だ、そういうわけにもいかないだろう。
僕が今したことは水晶のようなものに手をかざしたことだけだ。
冒険者ギルドにあったのと同じような見た目をしている。
もしかしたらこの世界は何か登録したりする時はこれを使っているのかもしれない。
「ジュン様、ご自分のステータスをご確認ください。」
ステータス?なんでだろう。
よくわからないけど、言われた通りにしてみる。
サイトウ ジュン
ランク F
種族 人族
年齢 16歳
ジョブ 剣士 魔道士 暗殺者
所有奴隷 セリー
LV 37
STR 562266(+1700)
DEX 463680(+1100)
VIT 168601(+1300)
INT 562266(+1000)
AGI 370941(+1800)
スキル
・風魔法
・水魔法
・土魔法
・雷魔法
・治療魔法
・異世界言語理解(隠匿)
・解析眼(隠匿)
・アイテムボックス(隠匿)
・神の加護(隠匿)
・奴隷使い
奴隷のところにセリーと表示されている。
どうやら無事登録できたようだ。
それより、気になるのは奴隷使いというスキルだ。
それのせいか分からないけどステータスによくわからないプラスがついてる。
奴隷使いと言うからには奴隷に関するスキルなんだろうけど、効果がいまいちわからない。
もしかしたら解析眼で自分のスキルを解析できないかな。
ちょっと試してみよう。
スキル 「奴隷使い」
効果・・・このスキルを所持している者の奴隷はスキル所持者のステータスの50%分を奴隷のステータスに上乗せする。
またスキル所持者は奴隷のステータスの50%分を自分のステータスに上乗せする。
と、表示された。解析眼は自分のスキルも見れるようだ。
思ったよりもこの「奴隷使い」というスキルは優秀かもしれない。
僕のステータスなら半分でも相当強くなると思う。
それにこの「解析眼」は自分のスキルの効果がわかることもわかった。
これならずっと気になってた「神の加護」の効果がわかるかもしれない。
スキル 「神の加護」
効果・・・<解析不能>
解析不能だと、もしかして神様に与えられたスキルは解析できないのかな。
そう思い、アイテムボックスを解析してみる。
スキル 「アイテムボックス」
効果・・・生物以外の物質を出し入れすることができる。制限なし。
アイテムボックスは解析できた。
その後、異世界言語理解も解析してみたが、どうやら解析できないのは神の加護だけのようだ。
なんでか分からないけど、まぁ使えるからいいか。
「ジュン様、どうでしたか?」
ロランスさんが声をかけてくる。
「所有奴隷というところにセリーの名前がありました。」
「そうですか、それはよかった。」
安堵したような表情だ。
「あ、あの…」
さっきから黙っていたセリーがおずおずと声をかけてきた。
「どうしたの?」
「買っていただいて本当にありがとうございます。頑張ってお役に立ちますのでこれからよろしくお願いします。」
と、少し緊張した様子で言ってきた。
「うん、よろしくね」
僕がそういうと、セリーは嬉しそうに笑った。
「ところでロランスさん、奴隷って主人が強いと奴隷自身も強かったりします?」
「強い冒険者の方ですと、その奴隷も強いですよ」
「あー、いえ、そういうことじゃなくて、弱い奴隷も、強い主人と契約したら強くなりますか?」
「いえ、そんな話は聞いたこともありませんが…」
どうやらあまりこの世界に「奴隷使い」はいないらしい。
もしかしたら異世界から来た僕しか持っていないのかもしれない。
「そうですか、ありがとうございます。」
その後、挨拶を済ませた僕達は奴隷商館を後にした。
まずは冒険者ギルドに行こうか、どうやら奴隷のギルドカードを作ってくれるらしい。
おっとその前に。
「セリー、お腹空いたりはしてない?何か欲しいものとかどうしても行きたいところはない?」
これから一緒にいるんだ、なるべくセリーの希望も聞いておきたい
「ご飯は食べたから大丈夫です。行きたいところも欲しいものもない…です。」
まだ少し緊張した様子だ。仕方ないと思うが、早く慣れてほしいものだ。
「じゃあ冒険者ギルドに行くけどいい?」
「はい、大丈夫です」
セリーからOKももらったので冒険者ギルドに行こうか。




