自殺講座その二
「山口先生今日の授業はどうなるのでしょうか?」聞いてみる
「きっと全て休講になって生徒はみな解散になるだろうな、ショックを受けた生徒達は病院で診てもらう必要があるだろうから、病院に連れて行くと思うけどな」
まぁ、それが妥当だろう。こんな状況で授業をする方がおかしいというものだ。
山口と話しているすぐ近くで救急隊員が華滝を運ぼうと奮闘している。妙におかしな形をしているらしい、救急隊員が愚痴をこぼしていた。
「なんだ…背中が妙に出っ張っているな、ちょっと見てくれ。」
「確かに出っ張ってるな、きっと背骨でも折れているんじゃないか?」
背骨が折れるほどの強い衝撃があったのか。
狛中第一高校1年B組ホームルーム教室・12時03分
「早く帰れるのは嬉しいけどよ、なんか複雑だよな」と隣の柴咲が話しかけてくる。
「そうだな、でもなんでこんな時間に、それにこんな時期に自殺するんだ?」
「それはあれじゃねえか、できるだけ目立たないようにするためとか」
「そうだったら、夏休み中に死なないか?」
「む、確かにそうだな、うーむ…」悩んでいる。悩み続けること30秒、何か閃いたようにこちらを向く
「『目立ちそうで目立たないでも少し目立つ自殺』」となぜかドヤ顔を決める柴咲
「なんだそのラー油みたいな死に方は、不謹慎だぞ柴咲」
「いや、あなた達この話し合い自体かなり不謹慎じゃないかしら透」といつの間にか僕たちの席の間に立っている北条に注意される。北条は僕のクラスの女子のクラス委員だ。ちなみに透とは僕の名前である。
「でも北条、気にならないか?」
「いいえ、自ら死ぬような愚かな人に興味はないわ」
「そんなもんかねぇ。ん、まぁこの話は一度終わりだ。昼飯食べに行こうぜ透。最近うまそうなラーメン屋ができたんだよ」
「ほぉ興味深い行きましょう行きましょう。」とおどけると、北条は
「これだから男子は」と溜息をついていた。
山口が急いで終礼を終わらせるのを待って。柴咲と共に学校を出た。校門の近くにパトカーが停まっていた。
学校から歩いて5分ほどで柴咲がすすめてきたラーメン屋に着いた。店の窓に木の板が立てかけてあり、そこに店名と思しきものが書いてあった
『蛾出無』
読めない。
「柴咲、これなんて読むんだ?」
「ガッデム」
「ええ⁉︎そんな夜露四苦みたいなノリでつけた店名なのこれ?」
「うん俺も最初は読めなかくて、ガデムって呼んだら『ガッデムだ馬鹿野郎‼︎』って怒られた。」
「なんでそこにこだわりがあるんだよ」
「まあまあ、美味しいから入ろうぜ、な?」と半ば無理矢理店内に引きずられていった。
怖い、非常に怖い。きっと店長さんのニックネームは黒のカリスマだ。




