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再会。そして、ごう…..

ある目的を達成するため祖国ジャポニアに戻る四季、再会の喜びと人生初の入学試験に挑む緊張と悔しさ。

ガタゴトと、不規則に揺れる馬車の硬い座席。

窓の外を眺めれば、見渡す限りの広大な平原が広がり、遠くの街並みが少しずつ近づいてくる。前まで活動の拠点としていたフェルカン王国の第二都市デジリュジオンから約50km、そして国境を越えてさらに150kmを馬車で東に5日行ったところにある祖国ジャポニアの西の辺境の都市アランへと向かう移動の最中、僕の頭には出発の直前にギルドマスターが不敵に笑いながら言い放った、あの言葉を思い出していた。


『四季、お前はまだ16だよな? これから行く宛てがないなら学園に通うといい、手続きは俺がしておく。すぐに否定するな。とにかく入学試験は受けろ』


お節介が服を着て歩いているようなあの男のことだ。有無を言わせない勢いに押し切られて馬車に飛び乗ったものの、今になって「本当に学園なんて場所に馴染めるのだろうか」とか、じわじわと不安が込み上げてくる。

元勇者パーティーと一概に言っても、16歳という年齢は冒険者としては一端の戦力だが、机に並んで学び舎に篭るには少しばかり遅すぎる気がしてならない。


「とにかく入学試験は受けろ、か……」


口の中でその言葉をそっと反芻(はんすう)する。

また一つ、ため息


「手続きだけは完璧に済ませてあると言っていたが、そいうことじゃないだよなぁ」


燦々と降り注ぐ初夏の陽光に目を細めながら、私はこれから始まる未知の日々に思いを馳せ、何回したかも分からない小さなため息を一つ溢した。


「急がねば….。」


馬車を降り、長旅で鈍った体を起こすかのように早足で実家を目指す。試験を受ける前に少しあって起きたい、そんな気持ちがガタガタ揺れる馬車の中で芽生えたのだ。

もう薄暗く、気付けば世界はとろりとした狐色の夕闇に包まれていた。そのため、沢山の灯りが提灯に灯ってより一層綺麗に見える。


「見つけた」


長い市場通りを抜け、橋を渡り、しばらく走ると集落が視界に入る。

細い田舎道は前よりも大きく広く感じた。家の前に着くと異変を感じ取った。

その玄関へと続く短いアプローチには、不揃いな形をした素焼きのテラコッタタイルが、一枚一枚丁寧に敷き詰められていた。毎日踏み締められ、優しく磨かてきたのだろう。角の取れたレンガ色の床は、傾いた夕日を浴びてしっとりとした上品な艶を放っていた。突き当たりに佇むのは、重厚な木目を活かしたオリーブグリーンの木製ドア。

職人の手仕事が光る黒鉄の取っ手と、アンティーク調の小さなランタンが、訪れる者を優しく迎え入れるように静かに佇んでいる。ドアの脇に置かれたテラコッタの鉢からは、深く切れ込んだ細い葉を持つレースラベンダー青い小花が、針のような風に揺れながら心地よい甘い香りを漂わせていた。


「少し(5年)見ないうちにだいぶ変わったなぁ〜。」


四季の実家は隠れ家レストランのように物静かでしかし、温かくホッとする雰囲気を醸し出していた。


「ただいま帰りました〜!」


にっこり笑っている顔を作る。きっと家族は暖かく出迎えてくれるだろう。

だが、現実はそう単純でなくて。


「誰だ…お前?」


「ふぁっあ!?」


中から額にバツの傷がある隻眼の男が出てきた。

何を言っているんだこの男ッ!自分の子供の顔も忘れたのか?たった5年で、5年だぞ!?分で考えたら〜1日が1440だから〜………….そんなことを考えていたら、通報を受けた地域の警察官(ポリス)が完全武装で駆けつけてきた!?どういうことだ??まだ何もしてないぞ


「重要指名手配犯ナレンドラ・ハリス!お前で間違いないなッ!」


そう言ってゾロゾロと家へ機動隊が入っていった….。ちょっと待ってくれ!!僕の親は犯罪者だったのか?

警官によって取り押さえられた犯罪者は殺意を宿した目で僕を睨んできた。僕の親ではないと本能的に感じる。そんな、訳の分からない状況にいると


「四季じゃないか!?」


そう口を開いたのは昔よく魔法使いごっこをして一緒に遊んでいた、同い年の友人皐月神楽だった。彼は口があんぐり開いてアライグマみたいな顔をしていた。


「何してんだよ!?冒険者は?」


「……パーティーなら解散したよ」


そう元気のない声で伝える。当然、誰であろうと仲間が死んで、世界一のパーティーが内側から崩壊して解散したならこうなる。だいぶ気分もテンションもプティット・オートゥールの滝くらい落ち込んでいる。


「ああ…そうか…..。まあ、なんだ….よくやってたよ。お前ら勇者パーティーは。97階層で次元の裂け目が発生したんだろ?レッドドラゴンが出てきたとか、俺としてはお前が生きてくれてただけで両手を上げて喜びたいと思ってるよ。」


そう、彼の親友としての優しく、嬉しい言葉が僕に降り注ぐ。まるでホイップクリームのお風呂に入ったかのように幸せ感が湧いてきた。彼も冒険者でランクもSには届かないがそこそこ高く、何度も大迷宮を攻略しに行っているからだろうか?同情と、安堵が同時に言葉から感じられる。僕は….


「何辛気臭い表情してるんですか(笑)?普段みたいにもっとつまらないことで笑って下さいよ(笑)!」


彼は気づいているのだろう、この初めて作りましたよって感じを醸し出すパンみたいな作り笑いに…

僕もあの場では泣かなかったが、内心はもうボロボロだった。親友はそれに気づいたように


「ナチュラルにディスってない!?傷ついたんだけど!?折角、気遣ってやったのに!」


同時に笑いが起こる。彼は満面の笑みで僕を出迎えてくれた。これでは違う意味で泣いてしまうではないか。本当に友人は、親友は、勘のいいお節介さんだ、、、、


「それより、2週間後にあの学園を受験するんだがお前もどうだ?」


「あの学園??」


何も考えずに王蟲返しをしたが、知っているし、何ならそのためにここまで急いで帰ってきたのだ。あの【王立・秦星学園】のために。


「ふふ、ああ秦星学園….数々の才能ある冒険者を育て上げてきた、この国最高峰の育成機関。」


「ちょうど僕もその気ですよ。」


「だろうな、そういう顔してた。」


5年ぶりに意気投合する。中学舎の窓ガラスを魔術で割って一緒に逃げた以来の意気投合だ。6年一緒にいたて5年空いたが未だに気が合うようだ。その事実に心から安堵する。ちなみにこの世界では、男女問わず12歳で成人する。そのため、学園に入って座学や実技を学ぶより、アカデミーと呼ばれる冒険者になるために色々訓練される教室に通って励むのが一番割合としては多い。



そうして2週間後


「始めッ」


試験開始の合図がなる。神楽によるとこの1次試験は筆記。


(さてさて、始めますか〜。大問は全部で5個、各大問問いはそれぞれ2個!?てことは全部で10個か!?しかも全部回答欄デカすぎだろ!!聞いてたものと違うぞぉ!神楽は100問くらい基本知識が出るって作戦会議で言ってたじゃないですかぁ!!。)

そんな裏切られた感じを残して


「さて、大問1の問1は〜……..」



結論から言ってしまうと、試験には合格した。これは単純に嬉しい。人生で初めて入学試験に合格したからだ。

ただ、一つ心残りだったのが2次試験の実技で、色々やらされたのだが、一つ全くできないことがあった。

それが、他の受験者4〜5人と競う『詠唱』での早撃ち対決。この試験は速度・正確性・威力・器用さが必要だ。

先に言っておくが、僕は詠唱を読み上げる速度は世界でも上位10%に入るくらい遅い。

他の受験者、特に偶々一緒になった神楽の詠唱の読み上げスピードは早口言葉世界チャンピョンより体感は速く聞こえたし、何より「おいおい!」って思ったのが、ちょっと詠唱を端折(はしょ)っていた気がする。それに気づいた時は、手を挙げてチクってやろうかと思ったが、自分の試験に集中するようギルマスに言われたことを思い出してやめた。僕がお利口でよかったな!


そんなこんなで、喜びを分かち合う友達がいない僕を励ます両親とそれを見て笑う神楽(不正合格者)とで過ごした啓蟄なのだった。




まじで待たせました….次回から学園です!本当に遅くなって申し訳ないです。作品の中核にようやく入っていきます。


【フリーメモ】

途中で出てきた指名手配犯は実はかの学園の卒業生です。あっけなく去って行きましたが暴れさすと厄介で、学園入学時からクラスを恐怖で支配し、卒業最終盤でクラスを逆転1位で卒業に導いた『英雄』でもあります。卒業後は就活に失敗して、闇の世界に入っていきました。が、カリスマ性とリーダーシップ(?)は一級品です。

四季は初めての学園に驚愕するでしょうか?


入学試験の問題はまた特別編として投稿していきたいです♪

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