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友達は悪魔野郎  作者: pauel
日本編
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10/23

狐を助けるの巻

 学校を終えて商店街に向かう。夕御飯の食材調達だ。


 俺の住む地域は比較的田舎だった。商店街に向かう途中にかなりの広さの農地がある。

 その農地を区切るように農業用用水路が網の目状に広がっている。

 俺がその用水路の縁を歩いていると何か見かけないものが目に写る。


 あ……狐だ。

 小さな狐が用水路の中に寝そべっていた。

 田舎なので、野生動物はちょいちょい現れるのだ。狐は久しぶりに見たな。

 


 次の日の朝学校に向かうが、狐がまだいた!


 用水路に意図せず落ちてしまい登れないのかだろうか。確かにこの用水路は深い。一メートルくらいある。

 幸いなことに雨の気配はないし、農地に水を引き入れる時期でもないため用水路には水が流れていない。

 用水路を一周ぐるりと回ると一部の縁にかかるようにベニヤ板が立て掛けられていた。

 一端は用水路の中だ。

 このベニヤ板を伝って登れそうだな。俺はそのまま登校する。



 学校からの帰り道ーーまだいたよ!

 怪我でもしているのだろうか?


 俺は家から『たも』を持ち出した。 

 これで取っ捕まえて用水路から助け出すのだ。

 用水路に戻り、捕獲作戦を開始した。



 狐は大人しく俺に捕獲されて用水路から無事に離脱したーー




とはならなかった。


 なかなか捕まらない。

 やたらと素早い動きでたもを避ける避けるし『フゥッ!』と何回も嚇されまくり。

 完全に敵扱いだ。まあ、そう見えますよねー



 「脱出したくないのか!」



 こっちの親切心は全くお構い無しだ。

 俺が動くと狐も動く、俺が止まると止まる。

 そんなやり取りを十分ほど続けてーー諦めた。



 狐は用水路から俺をじっと見上げている。


 やれやれ仕方ない。俺はたもを地面に置き、胡座をかいて狐と目をあわせる。


 シュッーー



 と、そんな音はしなかったが、そのまま狐の動きを制御し、ベニヤ板のところまで移動させてそれから意識を自分の身体に戻す。


 狐はハッとし、そしてキョロキョロと驚いていたが、そのまま雑木林に消えていった。


 フゥ……狐め。


 飛鳥による基礎訓練は段階的に進められている。

 今のは初歩技術のちょっとした応用だ。

 基礎技術のうちの一つ、幽体離脱を行い、狐の身体に入り込んで奴を操作したのだ。

 自分の身体が無防備だからあまりやりたくないんだけどね。

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