4話
二人が小学生の中学年になるまで。
真月の父親が再婚相手のの候補を絞ってきた。
その相手は未亡人で一人の息子がいた。
外見はとても美しく優しそうな女性だった。
しかし、真月と合わせると、真月がいい反応の示さなかった。
一緒にいた輝の後ろに隠れてしまい最後まで一言も話さなかった。
真月の為の縁談だ。その肝心の真月がいい反応を示さない。
真月は人見知りをする事は今までなかった。
これまでに無い反応。
真月の体質は精神的ストレスが非常に悪い事は真月の父親も知っていた。
じきに馴れてくる。今の真月には世話をしてくれる祖母と輝が居る。焦る必要は無い。真月の父親はそう思いその事は早急には事を進めなかった。
もう一つ、真月と輝の叔母である新藤睦月が遠くの勤めを終えて近隣に帰ってきた。
睦月にも娘が一人いた。
その少女は新藤美月と名乗った。輝と同じ真月の従妹。
これには真月も喜んだ。妹が出来たと輝とはしゃぎまくった。当の本人ははにかんでいただけだったが。
真月の父親も再婚相手の反応との違いに驚いく程だった。
ただ美月とは地理的に直ぐには会えない距離があったので、そこまで頻繁な交流にはならなかった。
それでも月に一回は真月の診療も兼ねて会えた。
輝も真月が喜ぶ姿を見て楽しそうだった。
その二つが輝と真月の身近にある変化だった。
真月は輝と出合ってからはこれまでとは思えない程元気になった。
一人では何も出来なかった。
それまで食後は一週間に一、二回はもどしていた。
それが段々なくなって、これまで食べられなかった物も食べられる様になった。
そして輝と真月は小学校に進学した。
輝の誕生日は四月、真月の誕生日は三月、ほぼ一年違ったが同学年だ。なので一緒に同じ私立の小学校に通うことになった。
美月は五月生まれ。一つ下の学年だった。
小学生の制服を着る真月はとても可愛らしかった。
そして何事も無く三年生になった。
何でも無い日だった。
いつもの様に学校を終えた帰り道。
突然後ろから声を掛けられた。
そこには小学校上学年と思われる男の子が三人いた。柄の悪そうな子供達だった。輝達の学校の生徒では無い。
「おい、お前ら。あの学校にかよってんだろ?」
「金持ちの子かよ?。いっぱい持ってるんだろ?」
「ほら、ジャンプしてみろよ?」
真月はその声を聞くと直ぐに輝の後ろに隠れた。
怯えていた。
輝はその事実が許せなかった。
「何か様ですか?僕たちは時間までに帰らないといけません」
「あ?何言ってんだ、おい!?ジャンプしろっつってんだろ!」
「何だこいつ。女の前だからって格好つけてんのか?」
その子供達は輝にてを伸ばしてきた。
それを輝は払いのける。
「いって!こいつやりやがったな!」
その内の一人が輝を殴った。
「お兄ちゃん!」
真月の悲壮な声。
その声を聞いて、殴られた輝は激高した。許せない。真月を怖がらせた。その事が輝には許容出来なかった。
殴られて直ぐに輝はその一人の腹部を殴り返した。
相手は輝の反撃を予想して無かった。故に効いた。その場にうずくまる。
「こいつ!。やりやがったな!」
残りの二人が輝に襲いかかる。
一人なら結果は違っただろう。
しかし相手は二人。そして体格もかなり違う。輝は一人に羽交い締めにされ身動きが取れなくなるった。
そしてもう一人にいいように殴られた。それを見ていた真月は泣き叫ぶ。
「お兄ちゃん!。お兄ちゃん!お兄ちゃん!。っ、もうやめて!。なんでこんなことするの!」
何発も殴られたが、輝は泣かなかった。目は殴られてる一人を睨んでいた。
そこに最初にうずくまっていた子供が立ち上がった。
「いって~。こいつ!許さん!」
「っ、やめてーーーー。誰かーーーーー!」
真月が泣き叫ぶが三人はやめようとしなかった。
幼い子を三人でよってたかって殴り続ける。それでも輝は泣かなかった。
「こいつしぶてえ。早く泣けよ!」
疲れてきた三人が少し手を緩めた。そこを輝は見逃さなかった。
今まで殴られていた子供の腹に前蹴りを食らわせた。
「、あっ」
一人がその一撃でうずくまる。
羽交い締めにされていたが、そこで振りほどいた。
「て、てめえ!」
二人が輝を殴ろうとした時。
「コラー!。そこで何やってる!」
大人の叫ぶ声が聞こえた。
「やっべ!。逃げるぞ!」
その三人は脱兎のごとく走り去っていった。
輝は傷だらけだった。顔は腫れ、鼻血もだしていた。でも涙は見せなかった。
三人が去って行くのを見てそこでへたり込んだ。
「お兄ちゃん!。お兄ちゃん!。お兄ちゃん。え~~~~ん!。え~~~~~ん!」
輝に駆け寄った真月は大粒の涙を流していた。真月が泣いたのを見たのは最初にあった時以来だった。あの可愛い顔が涙で汚れ、その表情は悲壮なものだった。
「大丈夫だよ」
輝はその一言を言って頭を撫でてやる。
そこにさっき避けんだ大人が駆け寄ってきた。
「大丈夫かい!。・・・て、これは酷い・・・・。親御さんの連絡先わかるかい?」
輝はそれを聞いて、すぐに生徒手帳を大人に渡した。大人は直ぐに保護者に電話したようだった。
そこで泣き叫んでいた真月の様子が一変した。急に胸を押さえて苦しみ出したのだ。
「真月!?。どうしたの!?、真月!?」
「痛い・・・痛い・・・痛い・・・。お兄ちゃん・・グスッ・・・」
慌てて輝は真月の背中を擦ってやる。祖母から聞いていた。真月が痛がったらそうするようにと。真月の頬が急に膨らんだかと思ったら嘔吐した。
「真月!?」
輝は必死に真月の背中をさすった。自分も殴られて痛かったはずなのにもうその事は感じてなかった。ただ目の前の従妹の状態を良くしようと必死だった。
「直ぐに親御さんが来るからね!。って大丈夫かい!」
電話を終え、輝達の様子を見た大人が慌て出す。しかしどうすることも出来なかった。
「真月!。もうすぐお婆ちゃんが来るからね!。大丈夫だよ!」
輝は苦しそうにしている真月の背中を擦り続ける。それしか今は出来る事が無かった。
そうしてる内に祖母の車が到着した。
「真月!。輝!」
苦しがってる真月を見留めた祖母が駆け寄る。
運転手も直ぐに降りてきた。
「直ぐに病院に!。貴方が連絡してくれた人?後でお礼をするから。連絡先はさっきの電話番号でいい?」
「あ、はい」
「直ぐに輝と真月を車に乗せて!早く!」
そう言って輝と、真月を乗せた車は病院に向け走りさっていったのだった。




