表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/31

異世界へ降り立つ

 真っ白に染まっていた視界がだんだんと戻ってくる。


 もう異世界に転生してしまっているのかもしれないという興奮がおさまらない。この視界が完全に戻ればそこは異世界なのだ。モンスターが生息している世界とは一体どんな世界なんだろうか。想像もつかない。


「おお、視界が戻ってきたぁ……」


 期待に溢れていた俺の視界に飛び込んできたものはごく普通の森だった。

 本当に何の変哲もない森だ。強いて何か言うなら、木がいっぱい生えているくらいだろう。まあ、それも森だから当たり前のことだな。


「期待してたのとちょっと違うな」


 俺の予定では、空を飛ぶドラゴンや遠くに見える大型モンスターなんかを想像していたんだけどこれはどういうことだ? いや、最初からそんなのと遭遇してたら命はないのはわかってるんだけど見てみたい気持ちは抑えられないよな。


「しっかし、森に転生させるとはあのじいさんもわざとやってるだろ。どこに進めばいいのかわからないじゃないか」


 ここで俺の第一目標が決まった。

 この森を抜けて、町を目指すことだ。


「この森にもモンスターはいるんだよなぁ。急に茂みから飛び出してきたりなんかしたら瞬殺される自信があるぞ」


 今はまだモンスターと遭遇は勘弁願いたい。いや待てよ。じいさんが俺に武器と防具を用意してくれるって言ってたよな。


 体を見てみると、胸に金属のプレートと腕には手袋のようなもの、さらに靴もこれは俺が持っていたものとは違っている。腰には、鞘におさめられた剣がぶら下がっていた。


 なんで俺は今まで気が付かなかったんだよ。どう考えてもこんなもの装備してたらすぐに気が付くだろ。


「じいさんも太っ腹だな。これなら結構装備としてはそろってるんじゃないか。レベルの低いモンスターだったら今の俺でも勝てそうな気がしてきた。よしっ、出て来い。雑魚モンスター!!」


 この武器と防具の強さも気になるが、俺が見たところでいいものか必要最低限のものなのか、判別だできないな。


「何か確認する方法はないのか? 自分のレベルも確認したいんだけど」


 異世界に来て最初の試練が発生した。困ったことにレベルやこの武器の名前なんかを確認する方法がない。こういう時はどうすればいいんだ? ステータスオープンとか唱えればいいのか?


「ステータスオープン」


 ピコンと俺の目の前に透明なウィンドウが表示された。


「うおっ、出たぞ」


 そこには、しのやま だいさくという俺の名前とレベル1が表示されていた。


「案外簡単に確認できちまったな。他にはなんか使えそうな情報はのってないのか?」


 全部目を通してみたが、これ以上の情報は何も得ることができなかった。

 まだ異世界に来たばかりで何も使えないって考えたほうがいいかもしれないな。まあ、コツコツと強くなることを選んだのは俺だ。これから覚えていけばいいじゃないか。


「この剣なんてかなりいいもの何じゃないか? 素人目に見てもオーラというか何か感じるんだよな」


 鞘から剣を抜き、刀身眺めて見る。

 本当にただの一般人でしかないがそれでもこの剣は凄いもの何じゃないかと思ってしまう。


「鑑定なんて使えたらこの剣や防具の名前や強さもわかるんだろうけどなぁ」


 俺がそういった瞬間、剣から透明なウィンドウが表示された。


「どういうことだ? 武器や防具も同じようにステータスを確認できるのか? いや今はそんなことよりも見てみよう」


 えーと、名前は……【???】だって? どういうことだ?

 名前の下にはレア度や性能なんかも記載されているが、ことごとくが???になってしまっている。折角開いたウィンドウだというのに、この剣についてわかったことは現状では何もわからないということだけだ。


「これ何かのバグか? そうだ!! ほかの防具も見てみようか」


 同じようにウィンドウを表示して確認してみるが、どれもこれも???という表示ばかりで話にならない。これで何を確認しろって言うんだよ。


「もしかして、全部バグったか。ステータスオープン」


 先ほどは確認できた俺自身のステータスを開いてみる。

 すると、名前もレベル1という表示もくっきりはっきり確認することができた。


「どうやら、バグったわけじゃなさそうだな。あれ? 下のほうに何か増えてる」


 ウィンドウを眺めていると、下のほうに鑑定レベル1という表示が増えていた。

 もしかして、これのおかげで剣や防具のウィンドウが開けたのか? つまり、神様であるじいさんから貰ったものがレベル1のスキルで鑑定できるわけがないってことか。そりゃそうだ、神様から授かったんだぞ。軽い防具って言うのも身軽という意味で簡易的なものという意味じゃなかったんだ。それなりにいいものを選んでくれていたんだな。


「この鑑定のレベルを上げていけば名前やステータスも表示されるってことだよな。よくわからない装備を使うのは少し不安だが、神様から授かったものだ、その必要はないな」


 武器と防具を持っている俺は、モンスターとの戦闘にもいつでも対応することができる。町につくまでの間に少しはレベルを上げておきたいな。2倍という成長速度強化もあるし、できるだけレベルを上げてやるぜ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ