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今日は討伐クエストだ

 今日もこの誰の忘れ物かもわからないような剣のお世話になるんだな。我ながら情けなさ過ぎる……。

 せめて、装備くらいは自分のもので揃えられるようになろう。そりゃ、俺には神様から貰った装備があるけどさ、あんなの使うわけに行かないし、いっそ売って金にするか? 途方もない金額がつきそうで怖いわ。


「こんなことしてる場合じゃなかったんだ。思ったよりも時間食っちまったんだよな」


 時計を確認すると現時刻は既に7時55分を回っていた。あともう少しこのくだらない思考を続けていれば俺は集合時間に間に合わずに遅刻するところだった。


「剣さえ持てば後は最悪なくても大丈夫だよな。よしっ、今日も気合い入れていくぞ」


 一人きりの部屋で自分に気合いを入れ直し、颯爽と部屋を後にした。




「あ、ダイサクさん。おはようございます」


「おはよう。もしかして待たせちまったか?」


「いいえ、私もさっき来たばかりですよ。ミカちゃんはもう少し時間がかかりそうです。こちらこそ、お待たせする形になってしまって申し訳ありません」


 ほんとだ、ミカがいない。

 ミカは実は朝が弱いタイプなのかもしれないな。いつもだったらミレネはミカと一緒に行くんだろうが、今日は俺と待ち合わせすることになってるからな。置いてきたんだろうな。


「それくらい気にするなって。俺は迷惑かけてばっかりなんだ。それよりも今日は討伐クエストに行くのか?」


「ミカちゃんが行きたがってますからね。ダイサクさんは急にだとモンスターも怖いですよね。私も最初はモンスターがとても怖かったですから」


「いや、冒険者になるって決めた時から覚悟は決めてるんだ。討伐クエストに行くって言うんだったら俺も少しは役に立ってみせるぞ」


「頼もしいです。でも、無理は禁物ですよ。いくら危険度の低いモンスターと言えでも、大怪我する可能性は十分にありますからね。怪我は私が治せる範囲でお願いします」


 痛いの嫌いだからできれば怪我自体したくないんだけどな。

 ミレネが回復してくれることを考えれば大胆にモンスターと戦うことができるってわけか。それでも、モンスターへの恐怖心を完全に克服していないと無理な話だ。


「ごめん、お待たせ。どうせ、あいつは来てなかったでしょ……何でいるのよ」


「おはようミカ。何でいるのって昨日集合時間を決めたじゃないか。俺は決まられたことくらいは守るんだよ」


「そうだよ、ミカちゃんはまずは遅刻したことを謝らなくちゃ。ダイサクさんはきっちり時間に間に合ってたよ」


 いや、別にミカを煽ろうなんてつもりはないんだよ。遅れて来たのだって気にしてないしな。謝ってほしいなんてこれっぽっちも思ってないって。余計険悪になりそうだしな。


「いつもミカはこんな調子で朝弱いのか?」


「今日はたまたまよ。ダイサクがいるかと思ったら気が乗らなかっただけ。私が悪いわけじゃないわ」


「もう、なんでそんなことばかり言うの。ダイサクさんは今日のクエストも一緒に行くんだよ。モンスターと戦うのに大事なのはパーティー内での信頼関係だって教えてもらったよね? これじゃあ、みんな怪我しちゃうよ」


「私一人で全部片付くもの、それにミレネとはこれ以上ないくらいの信頼関係が築けてるじゃない。それ以上に何が必要なの?」


 すさまじい自信だな。

 俺もこれくらいの自信を持って生きていかなきゃいけないのかな。こういうところは冒険者として見習わないとな。いつも自信がない奴なんてモンスターと戦えないしな。


「冒険者ギルドに向かいながら話そうぜ。折角早い時間に集合したんからさ」


「それもそうですね。行くよ、ミカちゃん」


「わかったわ。でも、なんでダイサクを討伐クエストにも連れていく必要があるの? ミレネだって危険だって言ってたじゃない」


「うーん、そこは私たちでカバーしようよ。私ね、そろそろ二人で行けるクエストにも限界を感じてたんだ。サポートしかできない私と二人だとミカちゃんの負担が大きすぎるもん。ダイサクさんは前衛だからちょうどいいと思ったんだ」


 これは正式にパーティーへ誘われていると受け取ってもいいのだろうか?

 確かに、メインで戦うのが一人だけのパーティーではこれから先、行き詰ることがあるだろう。そこで俺の出番ってわけだな。


「百歩譲って今の話はわかったわ。でも、ダイサクである必要はないわよね。女の子で探せばいいじゃない」


「それこそ、現実的じゃないよ。初心者でもない限り私たちのパーティーに入ってくれる人はいないよ。いつかは見つかるかもしれないけど、それでミカちゃんが怪我をしたら遅いんだよ。それに、ダイサクさんからはほかの男の人と違って下心を感じないよね? それも理由かな」


 俺に対する信頼が厚くて嬉しい限りだ。

 二人も目立つ外見だし、これまでにパーティーに誘われなかったということはないだろうと思ってたが、案の定だったな。


「ミレネが私のこと心配してくれてるのはわかるけど……」


「それじゃあ、今日はお試しとして一回討伐クエストに行ってみよう。それで、決めようよ」


 これまたいきなりだな。今日の内容次第で、今後のパーティーが決まるというわけか。俺も初心者の枠を出ない程度に頑張らないとな。


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