表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
米澤唐吉調査事務所  作者: 早瀬 薫
90/126

第七話 13

 加賀美佐助は、溜まりに溜まった仕事をこなすため、たった一人で事務所に残って仕事をしていた。明日までの期限の調査報告書のチェックが、まだ随分残っていた。


 米澤唐吉の事務所と提携して、彼の働きに期待しているのは本当のことだった。検察官時代の米澤唐吉は、性格に難があるものの、仕事だけは完璧にこなすヤツだと一目置いていた。それにしても、裁判官の時と違って、こなす仕事の内容ががらりと変わり、ウンザリすることもあったが、自分の力量次第で、会社の収益がいくらでも上がるという会社経営はやり甲斐もあり、自分に向いていると思っていた。


 最後に残っていた調査報告書に目を通して承諾の印鑑を押し、帰り支度をしようとしたところ、予期せず事務所のドアが開き、初老の女性が入って来た。営業時間を過ぎているので、明日改めて来てほしいと声を掛けようとしたが、女性の真剣な眼差しを感じ、加賀美佐助は思わず出かかった言葉を飲み込んだ。


「初めまして。私は米澤綾子と申します。お願いしたいことがあってお伺いしました」

「初めまして」

「こんな時間なので、単刀直入に申します」

「はい……」

「私の身内である米澤唐吉を見張って頂きたいんです」


 加賀美佐助の目を見据え、米澤綾子は、そう言った。


第八話へ続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ