表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
米澤唐吉調査事務所  作者: 早瀬 薫
86/126

第七話 9

 その晩は、この間、山本道代と一緒に泊まった同じホテルに泊まることにしたが、酒の弱い新宅正司は、布団に入るなり直ぐに一人で寝入っていた。

 新宅正司の寝顔を見ながら、先程、バーで交わされていた会話を思い出していた。

「女か……」

 僕は、うんざりしながら呟いていた。坂崎雄二に電話をし、「女が匿っているんじゃないのか?」と訊ねた。坂崎雄二は、「そうだとは思いますが、何も情報は入っておらず、常木の足取りはぱったりと途絶えたままです」と答えた。

 僕は、大きなため息を吐き、思わずレイデンに電話していた。


 プルルルル、プルルルル、プルルルル、カチャ


「はい、レイデンです。お電話ありがとうございます。セイヤさんですね。また、何かお困りなの?」

「そうですね、困ってます。あの……」

「あ、ちょっと待って。今日はこちらから当ててみます」

 そう言って、レイデンは三十秒間、瞑想した。

「また女性のことで困ってるの?」

「ご名答」

「今、私に見えているのは、五十代くらいの女性と、二十代くらいの女性です」

「え? 二十代?」

「ええ」

「五十代の女性は、綺麗だけどガサツな感じですか?」

「そうね。結構ハキハキしてる人ね。食堂を経営してる人かしら?」

 それを聞いて、すぐに常木美也子のことを言っているのだなと思った。

「二十代の女性は、どんな女性なんですか?」

「うーん、顔の造りは派手な感じね。優しいけど、ちょっと浅はか」

「要するに頭が悪そうってことですか?」

「相変わらずセイヤさんはすごーく単刀直入だわね。まぁ、そうだと思うわ」

「彼女の特徴を教えて貰えませんか?」

「身長はそう高くないわ。百五十五センチくらい。髪の毛は長くて、いつもお団子にして頭の真上でまとめてる。服装は、大体いつも黒のTシャツと黒のジーンズ。黒じゃなかったら白い服。全身、真っ黒か、真っ白というのが多いみたい」

「分かりました。その女性の横に、五十代後半の男性はいませんか?」

「あー、いるいる。でも、なんかちょっと弱ってるわね」

「男の名前は?」

「えーと……つ、常木さんて呼ばれてるわ」

「ほんとですか! レイデン先生凄いです!」

「ええ? そう? でも、いつもこうだったらいいんだけど、いつもこうじゃないわね」

「そうですね」

「……」

「それで、その女性はどこに住んでるんですか?」

「そんなの分からないわ」

「えーっ! 褒めて損した……」

「もうセイヤさんていっつもそうよね。人をガッカリさせるのが上手よね。あ、でも、ちょっと待って。今、スカイツリーが見えたわ!」

「え!」

「その女の人の住んでるアパートの窓から、スカイツリーが見えるの。なんだかこの女の人、いつも夕方になると着物を着てるわ。芸者さんかしら?」

「ああ、分かった!」

「もう分かったの?」

「ええ、分かりました! ありがとうございます! それで十分です! では、失礼します!」


 気付けば、僕は、レイデンに礼を述べ、すぐに電話を切っていた。

 僕は、レイデンの言葉で、すぐにピンときていた。スカイツリーが見え、しかも芸者のいる花街といえば、あそこしかない!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ