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第七話 2
僕は新宅正司と共に、東京駅発のこだまに乗り、熱海で伊豆急行に乗り換え、約一時間半で城ヶ崎海岸駅に到着した。
「やっぱり電車に乗ると早いですねぇ。歩き続けた七日間は、一体何だったんだろう?って感じです」
城ヶ崎海岸駅から常木美也子が営むみやこ食堂へ徒歩で向かう途中、新宅正司が僕に言った。
「そうだろうなぁ。ほんとに良くやったよ。俺も感動した」
素直に僕がそう感想を言うと、新宅正司は少し照れた。
「ところで新宅君、うちの事務所の今日の電話番を誰かに頼んでくれたらしいが、誰がやってくれているんだ?」
「ああ、平林さんにお願いしておきました」
「はぁ!? 彼女は、ただのビルの管理人だろ? 大丈夫なのか?」
「大丈夫でしょ。平林さん、実は相当なやり手ですよ。机に座った途端、パソコン開けて、猛スピードでメールをチェックして返事を書いてましたから」
「マジかよ!」
「あ、うちの会社のメールじゃなくて、自分の会社のメールですけど。ノートパソコンをいつも持ち歩いてるんですって。うちの会社の電話番はきちんとやるから安心しろと言ってました」
僕は、平林真奈美の意外な側面を知り、内心驚いていた。




