出逢い
屋敷の外にでると、黒い長髪の少女がたっていた。
あまりの可愛さに、言葉を失う。
「本当に、ここで働きたいのか?」
ゆっくりと、威圧を含んだ声で問うと、彼女は静かに、しかしはっきりとうなずいた。
「私は、自分を捨てるためにここにきました。どのような仕事でも構いません。私に、職をください」
上品に言い切った彼女は、そういって頭を下げた。
「ならば、すぐに契約しよう」
彼女を書斎に通し、契約書を渡す。
長いまつげが、瞬きをする度に彼女の頬に影を落とした。
「なぜ」
おまえはここで働きたい?
「私は、ヒナリア王国の第一王女です。」
ゆっくりと、言葉を選ぶように話し始めた彼女。
「ヒナリア王国…紛争の地ではないか」
第一王女とは、結構な身分のはず…
「ヒナリア王国は、生活もできる状況ではございません。」
悲しそうに彼女は言った。
「父に言われたんです。他国に行って、お金を稼ぐように、と…」
想い出したくもないというように強く目をつぶりながら続ける。
「おまえには価値があるから体を使えば、そうとうな額になるはずだって…」
なるほど…。
「おまえ、経験はあるか?」
見るからになさそうだけどな。
「何のですか?」
まずそこからかよ。
もう良い。
メイドに配属しよう。
「まぁ良い。」
彼女のサインが入った契約書を受け取ると、僕は彼女に
「ようこそ、我が家へ。君を歓迎します。宜しく、アルジャーナ・リロ・マナ」
と歓迎の意を示した。




