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lesson  作者: Kaho◦
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1/3

~君と僕の恋愛練習~

初めての作品になります。

文面変であればごめんなさい。


─勘違い─


(アレルside)


昔から、自分の名前が嫌いだった。

顔だけでなく容姿も。

性格も。

存在さえも気に入らない。

今身につけている装飾品やシルクの衣服も全部脱ぎ捨ててやりたい。


「アレル様。イタリアの方からグリレール伯爵がいらしております。」


メイドのラルーンが控えめに言う。

ラルーンは、このハレル・サータン家に使えて、三十年になる。

十四の僕には、産まれたときから一緒にいる母親のようなものだ。

両親は、恨まれるような仕事をしていたので、暗殺され、二年前に目の前で死んだ。

当時十二だった僕は、恐怖と悲しみで泣き叫んだが、よくよく考えてみると、気性の荒い両親だったし、正直今はこれで良い気もしている。

オーナーだった父の代わりに、継いだ店は売春の店。

密輸されてきた女の売りさばきだ。

やってることは確かに最低かもしれない。

しかし、生活には何不自由なくしてやってるつもりだ。

欲しいと言われたブランドバッグはきちんと買い与えるし、有給制度だって取った。

定期的に意見も採り入れるようにしている。

父の時は、休まずに、脱水するまでろくに食べ物も与えず、ずっと働き詰めだった。

泣いてたのんでいる売春婦を沢山見てきた。

死んでいく売春婦も。

冷酷な父の代わりに、ばれないようこっそりと自分のパンやら飲み物を売春婦に与えた。

履けるはずのない自分の小さな靴もあげた。

小遣いを貯めては、町へ繰り出し、売春婦たちが可愛いと噂していた髪留めを買ってプレゼントした。

それが、小さな自分にできる精一杯だった。


「ありがとうございます。アレル様は、きっと素敵な男性になりますよ」


売春婦たちは、泣きながら、いつも僕にこう言った。

死んだ売春婦を父は、荷台に積んで、畑に適当に積み上げる。

僕は、ばれないようこっそりと畑に行き、積み上げられた売春婦たちを一つ一つ丁寧に土葬し、昼間に余りの木材で作った十字架をたてた。

十字架を見つける旅に父と母は癇癪を起こし、僕を蹴り打ったが、僕は止めずに通い続けた。

プレゼントもし続けた。

蹴り打つ両親も大好きだった。

しかし、二年前の事件以来僕は目を覚ました。

あの冷酷な両親がしたことを、

同じ事を繰り返さないために。

僕は、この仕事を次ぎ、いやがる売春婦は全てメイドに移動させ、望むものには住むところも与え、大規模な貿易会社も立ち上げた。

それからは、なに不自由なく暮らしている。


「ラルーン」


ふ、と振り向き、後ろを歩くラルーンに声をかけた。


「何です?アレル様」


きょとんとしたように小首を傾げるラルーン。


「その…僕はラルーンが好きだよ」


ぼそぼそと小さな声で急に感謝しだした僕に、ラルーンは慌てふためき気を失ってしまった。


「ラルーン!?」


あわてて駆け寄ると、ラルーンは


「も、ももももも申し訳ありません!」


と謝った。


「なにをそんなに動揺しているのだ」


ラルーンの体を起こそうと手を伸ばすと、ラルーンは


「いいいいいいけません!不健全ですわ!アレル様!こんなおばさんで良いのですか!?ああああ…アレル様にこのような性癖があったなんて…」


と言い出した。


「せ…性癖…?」


訳の分からない関連ワードに、素っ頓狂な声がでる。


「熟女好きとはいかに!…いくら思春期の男児とはいえ、不健全ですわ!」


何だかすごい勘違いをされてしまったようだ。


「それよりも、グリレール伯爵の件…「そんなことですって?まぁまぁまぁまぁ!なんて事でしょ!いけません、アレル様は話最後まで聞く癖をおつけなさい」


言い切らないうちにラルーンは説教を始めた。


ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ…


「ですからね、こういう理由があって…」


ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ…


「わかりますか?」


ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ…


「良いですかつまり!」


ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ…


「それは…!」


ガミガミガミガミガミガミガミガミガミガミ…


かれこれ五時間ほどこうして廊下に正座をして説教を受けている。

通り過ぎていくメイドと執事の哀れみの目やら、クスクスと聞こえる笑い声だとかで恥ずかしくて、死にそうだった。


「わかりましたね」


「うん」


終わった頃には、グリレール伯爵が到着する予定の時刻だった。

タイミングをはかったようにきた伯爵は、僕の顔を見るなり、


「ずいぶん老けたようだが…何かあったのかね?」


と異常なまでに心配し、書類だけ置くとさっさと帰って行ってしまった。

鏡の前にたつと、とんでもない顔が見えたので、眠りについた。




少しずつ投稿しようと思います。

読んでいただいた方、ありがとうございます。

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