夏休みの幕開けと、魅惑の純白水着
【一】期末試験からの解放と、甘いお出迎え
七月中旬、強烈な日差しがアスファルトを焦がす猛暑の東京。
けたたましく鳴り響くセミの声を聞きながら、橘樹は首元の汗を拭い、新居のマンションのドアを開けた。
「……ふう、終わったぁ……っ!」
玄関に入った瞬間、エアコンのひんやりとした冷気と、心が安らぐ甘い桃の香りが全身を包み込む。
今日で、大学に入学して初めての『前期・期末試験』がすべて終了した。
高校時代とは比べ物にならないほどの膨大な試験範囲と難解な専門科目に、ここ一週間ほどは徹夜続きだった樹だが、なんとか全科目を完璧に乗り切ることができた。
重いリュックを床に置いたその時――。
「おかえりなさい、私の頑張り屋さんの旦那様!」
パタパタと軽い足音を立ててリビングから駆け出してきたのは、ショートパンツにゆったりとした白いサマーニットを合わせた、夏目涼香だった。
彼女はそのままの勢いで樹の胸元へ飛び込むと、樹の首に両腕を回し、熱い労いのキスを頬に落とした。
「涼香……! ただいま帰りました。……ふふ、涼香のおかげで、民法も経済学も完璧に解けましたよ」
「ええ、知っているわ。だって私が徹夜で予想問題を作ってあげたんだもの。……本当にお疲れ様、樹くん。これでついに……待ちに待った『夏休み』の始まりね!」
涼香は嬉しそうに琥珀色の瞳を輝かせ、樹の手を引いてリビングへと案内した。
【二】サプライズ・チケットと南国の約束
シャワーを浴びて、サッパリとした部屋着に着替えた樹がリビングのソファに腰を下ろすと、テーブルの上にはよく冷えた麦茶と、何やら見慣れない二つの封筒が置かれていた。
「涼香、これは……?」
「ふふ……開けてみて?」
涼香に促され、樹が封筒を開けると、中から出てきたのは『羽田発・沖縄(那覇)行き』のファーストクラスの航空券と、沖縄本島にある超高級プライベート・ヴィラの宿泊予約券だった。
「お、沖縄!? しかも……このヴィラ、一泊十万円以上する超高級リゾートじゃないですか!」
「ええ! 樹くんが大学の試験を一生懸命頑張ったご褒美よ。……それに、私たち、まだちゃんとした『新婚旅行』に行けていなかったでしょう?」
涼香は樹の隣にピタリと座り、彼の方へ体をすり寄せた。
「誰にも邪魔されない、プライベートビーチ付きのヴィラよ。青い海と白い砂浜……そして、夜は波の音だけが聞こえる寝室で、ずっと二人きり……。ねえ、楽しみでしょう?」
「……涼香……。でも、こんなに高い旅行、涼香にばかり負担させるわけには……」
「馬鹿ね」
涼香は樹の唇を人差し指でそっと塞ぐと、妖艶な笑みを浮かべた。
「私が自分の稼いだお金を、大好きな旦那様のために使って何が悪いの?……それにね、この旅行のために、私……『特別なお買い物』をしてきたのよ」
「特別なお買い物……?」
「ええ。ちょっと待っていてね。今、着替えてくるから」
涼香はそう言い残すと、意味深な微笑みを浮かべて寝室へと消えていった。
【三】魅惑の純白水着と、上気する頬
数分後。
カチャリと寝室のドアが開き、涼香が少し恥ずかしそうにリビングへと戻ってきた。
「……き、樹くん。……どう、かしら……?」
樹が振り返った瞬間――彼の中の思考回路が、完全にショートした。
涼香が身に纏っていたのは、彼女の透き通るような白い肌を極限まで引き立てる、純白のビキニ水着だった。
繊細なレースがあしらわれたホルターネックのデザインが、彼女の豊満な胸の谷間を美しく、そして扇情的に強調している。
腰には薄く透けるシフォン素材のパレオが巻かれているが、歩くたびにその隙間からすらりとした長い脚と滑らかな太ももが覗き、かえって視線を釘付けにしてしまう。
「り、涼香……っ!! そ、それ……!」
樹は顔を真っ赤にして、思わず手で口元を覆った。
普段の清楚で上品な『氷山姫』からは想像もつかないほど、大胆で、それでいて息を呑むほど美しい。
「……もう、そんなに驚かないでよ。私だって……すごく恥ずかしいんだから」
涼香は顔を林檎のように赤く染めながら、もじもじと両手を前で組み、上目遣いで樹を見つめた。
「デパートで一目惚れしたの。……どうしても、沖縄の海で、あなたにこれを一番に見てもらいたくて。……変じゃ、ない?」
「へ、変なわけないです……っ! むしろ……その……綺麗すぎて、直視できないというか……」
「……直視できないなんて、許さないわ」
涼香は恥じらいを捨て、ゆっくりとした足取りで樹の座るソファへと歩み寄った。
【四】ソファの上の密着と、甘い熱帯夜の予感
涼香はそのまま樹の太ももを跨ぐようにして、彼の上にまたがり、ストンと膝の上へ腰を下ろした。
「わっ!? 涼香……っ!」
「私だけを見て、樹くん。……他の誰でもない、あなただけの妻の姿よ」
水着越しの柔らかな感触と、涼香の肌から直接伝わってくる熱い体温が、樹の理性を激しく揺さぶる。
涼香の細い腕が樹の首に絡みつき、彼女の顔が樹の顔の数センチ手前まで近づいた。
ほのかに香る、甘いココナッツのような日焼け止めの香り。彼女はすでに、旅行への準備を完璧に整えていた。
「沖縄に行ったら……この水着を着て、二人きりのビーチを歩くのよ。でもね……」
涼香は樹の耳元に唇を寄せ、妖艶で、どこまでも甘い声で囁いた。
「ヴィラに戻ったら……この水着を解くのは、樹くんの役目だからね?」
「っ……!」
その言葉に、樹の全身にゾクゾクとするような電流が駆け巡った。
樹はもう我慢できず、涼香の細い腰を両手で力強く引き寄せると、彼女の柔らかい唇を深々と塞いだ。
「……ん……ふぁ……っ……樹くん……」
静かなリビングに、熱く甘い接吻の音が響き渡る。
激しい期末試験の疲労など完全に吹き飛び、樹の胸の中には、目の前の愛しい女性への燃え上がるような独占欲と愛情だけが満ち溢れていた。
「……絶対に……沖縄、最高に楽しい旅行にしましょうね、涼香」
「ええ……。忘れられない、熱い夏にしてあげるわ」
二人の唇が再び重なり合う。
窓の外では夏の太陽が眩しく輝き、いよいよ幕を開ける『二人きりの甘い南国リゾート』への期待が、最高潮に達しようとしていた――!




